扉の向こう、正倉院の世界へ。

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東京国立博物館平成館で『正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー』(〜11/24)が開幕しました。思いのほか正倉は大きいもので、入口すぐに再現された扉を前にすると胸が高鳴ります。

前期展示(〜‪11/4‬)の目玉は『螺鈿紫檀五絃琵琶』(写真2枚目/正倉院宝物)。図版で出回ることのないボディ下部も少し見ることができます。ギターでいうバインディング下は大きな玳瑁貼り。当初は斑のないところに花鳥を描き込むという、過剰なほどの装飾意欲が発揮されていたようで、そのあたりまで再現した近年の模作ともぜひ見比べてください。

"東・大・寺"の漢字を含んだ雅名「蘭奢待」で知られる『黄熟香』など、香木が展示されたスペースには良い香りがほのかに漂っていて、ちょっと得した気分になれました。


会場では名品の展示だけでなく、"宝物を後世へ継承する営み"とともに、明治期に皇室に献じられることで守られた"法隆寺献納宝物"も紹介されています。

立派さが先に立つ作品も多い中、しみじみと美しいのが「夾纈(きょうけち)」という板締めの技法で染められた羅や平絹。イノセントな雰囲気がたまりません。

個人的に初見の『羅夾纈円縟』(写真3枚目/重要文化財、東京国立博物館)、展示終盤に出てくる『縹地唐草花鳥文夾纈絁』(写真4枚目・手前/正倉院宝物)とも、ほんのりぼやけた輪郭に心和みます。込み上げる愛おしさは、当初より褪色したこの風合いゆえでしょう。はかなき運命の染織品が1200年以上伝えられていることのありがたさも、今、現物にまみえる喜びを膨らませます。

左右対称の版木を作り、それで二つ折りにした布を挟んで染める夾纈については、9月30日にご逝去された染色家の吉岡幸雄さんが再現を試みられていました。古代色の研究をはじめ、まだまだお仕事を拝見しとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
(編集B ※内覧会にて撮影)

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