介護の準備、今からやるべきことは?Q&A【親が“認知症”になってしまったら⑫】

エクラの読者アンケートで多かった介護の悩みや疑問に、医療と介護のエキスパートがずばり回答! 参考にしながら、自分に合った対策を探ってみて。

教えてくれたのは…

在宅介護エキスパート 渋澤和世さん

在宅介護エキスパート 渋澤和世さん

しぶさわ かずよ●両親の介護を機に、社会福祉士など、福祉に役立つ資格を取得。その経験や知識を生かし、「在宅介護エキスパート協会」を立ち上げ、代表に就任。自治体の介護相談員や、認知症在宅介護講座講師なども務める。

Q1.在宅介護をするなら、事前にリフォームすべき?

A.リフォームは早まらず、親の状況に応じて行って

 

親が生活しやすく、また、家族が介護しやすいように、住まいを改善するのは大事なポイントのひとつ。「ただし、『在宅介護に備え、今のうちにリフォームを』と、早まるのは危険。数十万円かけてバスルームの入口を広げたり、段差を解消しても、親の状態によっては、介護サービスの訪問入浴やデイサービスなどの事業所に依頼したほうが安全ということもあります。なので、リフォームは、親の症状や状況に合わせて行うのが賢明。ただ、どんな状況でも、トイレや居室、浴室など、親が利用する個所のドアは引き戸にしておくのがおすすめ。車いすになっても出入りがしやすく、ケガの危険性が低くなります。また、浴室とトイレの手すりも、立ち上がりの介助や転倒防止になるので、つけておくと安心です」(渋澤さん)。

Q2.施設のスタッフの対応に不満が。ストレートに伝えて大丈夫?

A.クレームではなく、質問のかたちで聞くのが○

 

「不満があった場合は、遠慮せず声を上げてください。ただし、クレームではなく、質問のかたちがおすすめ。『こういうことがあったけれど、それは普通の介護方法ですか?』などと聞き、当人から納得いく回答がなければ、施設長など責任者に聞いてみてもよいと思います。なお、スタッフとは、日ごろからコミュニケーションをとっておくことも大切。『いつもありがとうございます』とあいさつし、面会はもちろん、施設のイベントにもなるべく参加してほしいですね。施設に寄り添い、親を大切にしていることが伝われば、スタッフの対応が変わることもあります」(渋澤さん)

介護の準備、こんなときどうしたら?

Q3.介護にあたり、きょうだい間で話し合っておくことはある?

A.各自の役割や費用について具体的に決めると安心

 

「ひとりっ子なら、介護は“自分事”として考えていると思いますが、きょうだいがいると、『誰かがやるだろう』と、各自が楽観的に考えている可能性もあります。いざとなったときにもめないよう、早いうちに親の介護に関する会議を開いておきたいところ」。

 

そこで話し合うべきは、介護の方針と各自の役割、費用をどうするかなど。

 

「介護サービス事業者や病院との契約・対応の窓口になるキーパーソンは誰で、親の身体的サポートを行う主たる介護者は誰かを確認し、それぞれ、どのくらい時間を割け、どんなかたち(経済的援助、身体的介助など)で協力できるのか、なるべく具体的に話し合ってほしいですね。きょうだい間でもめたり、押しつけ合ったりすることもあるので、親は同席しないほうがベター。また、内容は、きちんと記録しておきましょう」(渋澤さん)。

Q4.親がしっかりしているうちにしておくべきことは?

A.食べ物の好き嫌いなども聞いておくと役立ちます

 

貯蓄や投資、年金額、保険関連は、通帳や保険証のありかとともに確認し、介護や延命治療の希望、お墓やお葬式、いざというときの連絡先などもリサーチを。「エンディングノートは、必要項目があらかじめ記載されているものも多いので、それを活用するのも手。『一緒にやろう』くらいの気軽さで促しては? 親が拒むなら、せめて、お金関連だけは、郵便物を定期的にチェックするなどして把握しておきましょう。いずれ子供が入出金を管理する可能性があるので、親がしっかりしているうちに、キャッシュカードや代理人用キャッシュカードを作成してもらうのもおすすめ。また、食べ物の好き嫌いや趣味なども聞いておくと、食欲がないときや、気分転換に連れ出す際などに役立ちます」(渋澤さん)。

  • 介護にかかる費用の相場は?【親が“認知症”になってしまったら⑩】

    エクラの読者アンケートでも、特に関心が高かったのが「介護にかかるお金」。親が要介護状態になった場合、大半は介護費用以外に医療費用も考えなければなりません。それらが高額になった場合に活用したい制度の詳細や大体の費用相場を、在宅介護エキスパートの渋澤さんがご紹介。

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