ピーター・ドイグ展と常設展と。

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東京国立近代美術館で『ピーター・ドイグ展』(~6/14)が始まりました。

古いもの好きの私は恥ずかしながら、「あら、どちら様」という感じだったのですけれど、妙に気になる絵がいっぱい。時に夢幻的、時にキッチュで、ミステリアスな雰囲気の大画面作品が勢ぞろいしています。

チラシによれば、スコットランド出身のピーター・ドイグは「現代アートのフロントランナー」で、「世界中の名だたる美術館で個展」が開かれ、代表作のひとつが2015年のオークションで約30億円(※当時)で落札された「画家の中の画家」。要するに、”立派だからぜひご覧あれ”という次第。居丈高なようですが、展示室内での写真撮影はOKとフランクです。

作風はあくまで具象ベースなので、描かれているものや状況はそれなりに理解できます。しかし、”三次元世界を二次元の画面に落とし込む”ようでいて、それを拒否する仕掛けがチラホラ。一点透視的な描写はせず、かといって単純なオールオーバーでもない…。画家が実際に触れた風景、近代絵画や映画、広告などからのイメージと、水鏡への関心、画面を色の帯に分割する手法がないまぜになっていて、単純に思える画面は見れば見るほど曖昧で複雑です。

私が気になったのは、写真5枚目手前の『オーリンMKⅣ Part 2』。ジャンプする人物の素っ頓狂な姿がいかにもコラージュ的。「OLINってアメリカのスキーメーカーだよね?」と博識の女性に教えられまして、なるほど、こちらも広告写真などからの引用がありそうです。それにしても、跳躍の起点のはずのジャンプ台は異様に立体感がありません。むしろ、ジャンプ台のかたちを写すように地面に色を塗ったよう。


おもしろい絵だなあと見入るうち、「そういえばこんなふうに座りが悪いけれど、絶妙に魅力的な絵が常設にあるじゃない!」と頭をよぎりました。それが、写真6枚目のアンリ・ルソー作、『第22回アンデパンダン展への参加を芸術家に呼びかける自由の女神』。現在、4階のコレクション展で展示中です。

女神の浮遊感に、微妙な遠近感を発する手前と奥の描写……。偶然にしては出来すぎなくらい、構図が似ていると思いました。

ルソーの絵にはいつもグッと来てしまいます。この作品を運び込む画家たちの行列。人が人のようで人でない感じが素晴らしく、かと思うと、自分は画家代表として展覧会の会長としっかり握手しちゃってるところがお茶目(笑)。女神が出ているから寓意画ではありますが、超日常的な風景にライオンまで入れてしまってるのが藪から棒。そんなところも、ドイグの作風に通じているようです。

こちらの早口言葉みたいなタイトルのルソーの絵も、6/14まで展示されます。現在のコレクション展、展示構成がとてもわかりよくって、かなり楽しい。2Fの北脇昇の特集も見ごたえがありましたし、その近くの全身タイツ人間みたいな作品(7枚目)も、このご時世に再会すると心和みます。

開幕してわずか数日、2/29~3/16は休館となるそうです。工芸館の"さよなら展"、『パッション20』は残念ながら前倒しの閉幕となりました。

今のような状況になりますと、「美術館でも行こうかな」と気楽に思えた日常がいかに貴重なものであったか、身に沁みて感じられます。各館の対応が感染拡大防止につながりますように。
(編集B)

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