「インテリアグリーン」をセンスよく飾る7つのアイデア

部屋の観葉植物や花に癒され、ベランダや庭で野菜を育てるようになった人も多いのではないでしょうか。グリーンをセンスよく取り入れ、心地よく過ごしませんか。インテリアに精通するプロに、手持ちのグリーンを素敵に飾る方法を教えてもらいました。

 

教えてくれた人

メイクアップ・アーティスト早坂香須子さん

雑誌や広告でのヘア&メイクをはじめ、フィトセラピスト、オーガニックコスメ“NEROLILA Botanica”のディレクターとしても活躍。オンラインサロン「LIFE IS A FLOWER」(https://life-is-a-flower.com/about)を開催する。

スタイリスト 石山とみ子さん

インテリアのスタイリストとして、雑誌、CM、カタログなどを中心に活躍する。女性らしいエレガントなスタイリングにはファンも多い。ステイホーム中は、ヨガ、お菓子作り、自宅庭のガーデニングに励んでいたというエクラ世代。

NEO GREEN代表

白田 仁さん

都会生活に寄り添うグリーンを提案。雑誌や書籍での執筆、植物のスタイリングも行う。

「NEO GREEN」
東京都渋谷区神山町1の5グリーンヒルズ神山1F

TEL:03・3467・0788

12:00〜20:00

(休)月曜 http://www.neogreen.co.jp

 
①グリーンは暮らしのパートナー:早坂香須子さん

もはや暮らしのパートナー。

毎日観察してあげることで、グリーンも私も元気に。

ステイホーム中にベランダで菜園を始めました。知り合いに送ってもらったハーブの苗や野菜など、4〜5鉢育てています。ずっと植物に苦手意識があり、枯らしてしまうことも多々。でも毎日観察しているうちに「あっ水が欲しいんだな」とか、少しずつわかるようになってきました。あたりまえですが“生き物”なわけで、人間と同じ。見てあげることが一番大切なのだと思い知りました。

 室内では7〜8年一緒に暮らしているウンベラータをはじめ、サボテンなどを数鉢育てています。縁あってともに暮らすことになった“子”たちは大切に、受け継いだつもりで愛情を注いでいます。朝は「はい、おはよう!」と声をかけながら水をあげ、「大きくなってね」とたまに揺らしてあげたり(笑)。こうして毎朝、植物と向き合うようになってからは、私自身の体や、生活のリズムも整ってきた気がします。そもそも人間が生きるためには酸素が必要です。ですから酸素を排出する植物を求め、部屋に置いたり、森や公園に足が向くのも自然なこと。植物があると呼吸も深くなるのだと思います。

 育てたハーブはハーブ水にしたり、料理に使ったり。今後は掃除にも取り入れてみたいですね。摘んだ野菜やハーブをカゴに入れながら「ていねいな暮らしをしているわ(笑)」なんて気分に浸れるのもうれしい発見です。

グリーン
早坂さんも育てているという、愛らしいハート形の葉が特徴のウンベラータ。葉色が明るく光も透過する、さわやかで人気のグリーン。写真のように幹を仕立てたものも多く見られ、1本でも抜群の存在感。植物:ウンベラータ(鉢込み)¥45,000/ネオグリーン

 
②アイデア1:あれこれ飾らない「シンプルな緑」

あれこれ飾らなくてもいい。シンプルな緑が、心の安らぎと洗練をくれる。

「生命力をもっているものだから、あれこれ盛るより、シンプルに飾るのが一番。置くときは引き算の美学で、欲張らず、間を大切に。夏なら葉っぱの透け感があったり、風に揺れるタイプが涼しげでおすすめ」(白田さん)

シンプルな緑
細かい葉をつけた枝が豊かに茂り、葉影も涼しげで、夏の室内にぴったりなアジアンタム。エレガントな台座つきの鉢カバーに入れれば、床に葉がつくこともなく、全方位から美しく見える。植物:アジアンタム¥3,000・鉢カバー(参考商品)/ネオグリーン

 
③アイデア2:「上からたらす」部屋に広がりが生まれる

棚にグリーンをたらすだけでお部屋に軽やかさが

「部屋の上部、壁や天井は白く殺風景になりがち。そこにグリーンを飾ると、パッと目をひきます。空間をより立体的に見せ、奥行きや広がりも感じられると思います」(白田さん)

部屋に広がりを
例えば、本棚に。本を断捨離して、グリーンを置いてみては? 圧迫感が出がちな場所だからこそ、グリーンで軽やかな余裕を。棚などにたれ下がるグリーンを複数飾るときは、葉形や葉色の違うものを選ぶと、単調にならず、リズミカルにセンスよく見える。植物(上):アンスリウム・バーケリー(鉢込み)¥9,000・植物(下):シュガーバイン(鉢込み)¥8,000/ネオグリーン

モダンなデザインで、旬のハンギングを

モダンなデザインで、 旬のハンギングを
部屋の印象を上向きに変えるハンギングは、ひとつ加えるだけでちょっとした模様替えくらいの効果が。グリーンが引き立つシンプルなデザインのハンギングポットなら、よりモダンでスタイリッシュに。種類がとにかく豊富な植木鉢専門ネットショップ『バージ』からセレクト。植物(左):ビカクシダ(参考商品)・ハンギングポット¥2,300・植物(右):ホヤ(参考商品)・ハンギングポット¥2,600/バージ

 
④アイデア3:気軽に購入できる「中鉢」は高さを出す

おすすめは中鉢。高さを出して、ステージをつくる

「大鉢に比べ気軽に購入でき、ストレスも少ない中鉢のグリーン。脚つきの鉢カバー、スツール、サイドテーブルなどに飾ると高さも出て、大鉢くらいの見栄えを演出できます。足元のじゃまにもならずおすすめ」(石山さん)

高さを出して、ステージをつくる

サイドテーブルやスツールなどを花台がわりに

写真のパンダ・ガジュマルのように、樹形の美しい観葉植物は、スツールやサイドテーブルなどの上に置いて、盆栽のように愛めでてみては。植物:パンダ・ガジュマル(参考商品)・スツール「Tree on Tree TYPE4」¥90,000/コンプレックス ユニバーサル ファニチャー サプライ

高さ違いを2つ並べる

高さ違いを2つ並べれば、リビングの主役に

葉が広がる植物には、高さのある鉢カバーが特におすすめ。鉢カバーはベルギー、ヴィンセント シェパード社のもの。屋内外で使える黒いポリエチレンウィッカーを用い、ラタンのようにしなやかに、かつモダンに仕上げている。植物(左):タマシダ(参考商品)・鉢カバー¥44,000・植物(右):カラテア(参考商品)・鉢カバー¥42,000/リビング・モティーフ

白鉢&木製スタンドなら インテリアになじむ

ガラス鉢で涼やかに。植物(左):カンガルーポケット(参考商品)・鉢「シリンダーガラスポット」(受け皿つき)¥2,100・植物(右):カンガルーポケット(参考商品)・鉢「スモールテラリウム」¥1,700/バージ キャンドルスタンド¥4,900/ヘイトウキョウ

 
⑤アイデア4:家具のアクセサリーとして「小さなグリーン」

小さなグリーンは、家具と暮らしのアクセサリー

「テーブルやチェストの上に置くだけで、家具もぐっと引き立ちます。取り入れやすい小さなグリーンなら、あえて葉形や根が個性的なものにチャレンジしてみて」(石山さん)

小さなグリーン

気根を個性的に仕立てたガジュマルは小さいながら抜群の存在感。沖縄では“キジムナー”という精霊の宿る木といわれるとか。植物:ガジュマル(鉢込み)¥2,000/ネオグリーン 鳥オブジェ¥2,500/シボネ ランプ/kamada

小さなグリーン

昼は葉を開き、夜になると葉を閉じる、人気のエバーフレッシュ。ミニサイズならさらに愛らしさも増しそう。植物:エバーフレッシュ(鉢込み)各¥1,000・白プレート¥2,000/ネオグリーン

小さなグリーン

見る角度により色が変わるレインボーファン。ガラスポット部分に水を入れておけば、水やりの手間が省ける画期的な鉢に。植物:レインボーファン(参考商品)・鉢「ボタニカルソーク」¥3,200・スタンド¥500/バージ どんぐりのオブジェ¥6,200/リビング・モティーフ

小さなグリーン

スッと伸びた先に可憐な花をつける多肉植物。植物:ハオルチア十二の巻(鉢込み)¥2,000/ネオグリーン コースター¥750/リビング・モティーフ

小さなグリーン

小さくかわいらしい葉が人気の植物。植物:ソフォラ・リトルベイビー(鉢込み)¥3,000/ネオグリーン トレイ¥3,800/リビング・モティーフ 花器¥28,000/シボネ

小さなグリーン

白鉢&木製スタンドならインテリアになじむ

よく見かけるセロームも、鉢とスタンドでこんなに洗練されて見える。陶器製の鉢と木製スタンドは、アーキテクチュラルポタリーのもの。1950年にカリフォルニアで誕生し、当時のケーススタディハウスなどにも取り入れられた、ミッドセンチュリーを代表するプロダクト。植物:セローム(参考商品)・鉢¥39,000・スタンド¥50,000/コンプレックス ユニバーサル ファニチャー サプライ

 
⑥アイデア5:グリーンを引き立てる「ニュアンスある鉢」

ニュアンスのある鉢が、センスアップの一番のカギ

「グリーンを洗練させる一番の近道が、鉢。主役を引き立ててくれる白や黒の鉢を選ぶことが多いですね」(白田さん)。
「大切なのは、質感やニュアンス。鉢選びにもっとコンシャスになれば、インテリアにもなじみ、さらに洗練して見えます」(石山さん)。

ニュアンスのある鉢が、センスアップの一番のカギ
室内に置くグリーンは鉢選びがとても大切。美しい樹形や個性的なグリーンには、それをきわだたせるシンプルな鉢を。逆にグリーンに個性や特徴があまりないときは、素材感や色合いにニュアンスのある、存在感のある鉢を選んで。
センスのある鉢
❶鉢¥2,200・❷鉢¥800/garage YOKOHAMA ❸鉢¥1,600/バージ スコップ 各¥1,800・❹鉢¥530・❺鉢¥530・❻鉢¥2,800・❼鉢¥750・❽鉢¥1,100・❾鉢¥550・ 鉢¥2,800・ 鉢¥2,100/garage YOKOHAMA  鉢カバー¥5,600/リビング・モティーフ  鉢¥2,400・ 鉢¥580・ 鉢¥430・ ジョウロ¥3,200・ 鉢¥900・スコップ¥560/garage YOKOHAMA 植物(3点とも参考商品)

 
⑦アイデア6:「枝もの」は敷物で素敵に見せる

枝ものは、敷物で素敵に見せる“場”をつくる

「観葉植物は枯らしてしまいそう……とか、虫が苦手で……というかたは、青々とした葉が美しい枝ものを花器に生け、床に飾ってみてはいかが。飾るときは床の間をイメージし、下にラグや敷板などを敷くと引き立ちます。夏はガラスの花器を選ぶのも涼しげに見せるポイント」(石山さん)

素敵に見せる場をつくる
葉が涼しげなドウダンツツジは枝ものの定番。水をこまめに替えれば、1カ月以上持つことも多い。真鍮の脚がついた、しずく形のスモークガラスの美しい花器は、デンマークのブランド、MENUのもの。花器¥57,000/リビング・モティーフ ラグ¥85,000/西洋民芸の店グランピエ チェスト上のテーブルランプ¥28,000/ヘイトウキョウ 家具/kamada

 
⑧アイデア7:グラデーションが美しい「寄せ植え」

寄せ植えは“小さな森”。日常をクールダウンさせてくれる

「ひと鉢に数種類の植物を植えると、緑や葉形のグラデーションが美しく、まるで小さな庭や森のような景色に。葉だけでこんなにも表情が異なり、個性にあふれていることに気づきます。こんな楽しみ方もおすすめ」(石山さん)

人気ショップ『ル・ベスベ』が新しいサービスをスタート

人気の高いフラワーショップ、『ル・ベスべ』から朗報が。土がなくても狭くても、どんな場所でも植物を楽しめる鉢庭をコンセプトにした、Le Vésuve『POT’s』がスタート。鉢植えだけでなく、ベランダや庭の植栽まで、室内外の植物に対応するサービスで、オーダーベースで対応。

小さな森
小さな森
例えば、1枚目のような、多肉植物のかわいらしい寄せ植えや、2枚目のようにホウロウの鍋やお菓子の型に観葉植物を寄せ植えするなど、ル・ベスベらしい、センスあふれるおしゃれな提案をしてくれる(寄せ植え製作/船平)。

Le Vésuve 『POT’s』
●東京都港区南青山7の9の3
TEL:03・5469・5438 11:00〜18:00(休)火
http://www.vesuvepots.com

料理家・有元葉子さんの光と風を感じさせる寄せ植え

撮影/三木麻奈

料理家・有元葉子さんの光と風を感じさせる寄せ植え

本誌料理連載ページでおなじみ、料理家の有元葉子さんのスタジオにも観葉植物の寄せ植えが。「専門知識はないので、感覚で寄せ植えしています」。大きくなりすぎたセロームを切って植えたのが始まり。行きつけの園芸店で選んだ植物を組み合わせ、自ら好みの鉢に植え、育てているそう。しっかりとした葉形のセロームをメインに、マイクロアジアンタムなど柔らかい葉の数種の植物を合わせた、センスを感じる涼しげな寄せ植え。土の表面には水苔をはって。「見た目にもきれいですし、水やりのサインにもなっていいですよ」。

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