【50代の「マッチングアプリ」事情まとめ】今からでも素敵なパートナーは見つかる!?

20代、30代にとっては、日常に溶け込んでいるマッチングアプリ。果たしてそれは50代にも最良の縁をつなぐ奇跡のシステムなのか。専門家と経験者がリアルな現状と必勝法を解説する。

50代でも急増中! 令和のマッチングアプリ事情

私が教えます!
婚活カウンセラー 伊藤友美さん

婚活カウンセラー 伊藤友美さん

アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー。39歳で婚活アプリに登録し、40歳で結婚。自身の経験を通じて構築した婚活テクニックを伝える講座・セミナーには、8年間で延べ1200名の女性が参加。著書に『結局、理想を下げない女(ひと)が選ばれる』(フォレスト出版)。

出会いが少ない大人こそアプリで上手に恋活・婚活

若者にとっては今やあたりまえの恋人探しツールであるマッチングアプリ。実は50代にとっても、効率的かつ極めて有効な出会いの手段に。

「私の50代のクライアントの8割以上が、婚活アプリを使っています」と婚活カウンセラーの伊藤友美さん。

「ひと昔前の“出会い系サイト”と違って、登録に身分証明書が必要で、男性を有料にすることで業者や詐欺を淘汰しているアプリが多数です。また各社がAIを使った解析や見守りシステムを強化し安全面への取り組みも積極的。ニックネームで登録でき同性同士の検索不可など、個人が特定されにくく、自分のペースで婚活や恋活ができる点も魅力です」

スマホひとつで活動できる手軽さとスピード感、何万人の中から希望条件で検索できる効率のよさは出会いが少ない大人にこそ必要なもの。目的や年齢層も多様なアプリを有効活用し、楽しくパートナー探しを!

マッチングアプリ

マッチングアプリでパートナーを探すメリットは?

《メリット1》思い立ったらすぐに始められる

パートナーが欲しい!結婚したい!と思い立ったタイミングで即登録できるというスピード感。合コンや結婚相談所のようにどこかへ足を運ぶ必要はなく、スマホかパソコンさえあれば、世界中どこにいても、どんな環境でも、いつであろうと始められる。トライするなら“この先の人生で一番若く気力のある”今、すぐに!

《メリット2》合理的に相手探しができる

結婚したいのか、恋愛がしたいのか、さらには年収、学歴、職場や住んでいるエリアから兄弟構成、生活スタイルや趣味嗜好まで。相手に求める条件を設定できるから、互いにムダなく効率よく理想の相手候補が絞り込める。交際してから相手に少しずつ聞き出す手間も、「こんなはずじゃなかった」も少なくすむ。

《メリット3》最初から相手の身元がある程度確認できる

現状、登録制のマッチングアプリの多くで提出義務を設けているのは、公的身分証明書。そのため住所や年齢詐称はアウトに。義務ではないが、卒業証明書や収入証明書を公開している人なら信頼度もアップ。フェイスブックと連動し本人認証をしているアプリもあり、身元確認に力を入れている。

《メリット4》費用をかなり抑えられる

登録にかかる初期費用や、会費、成婚時にお金がかかるケースもある結婚相談所などのほかの婚活・恋活手段に比べ、経済的な負担が少ないことも魅力のひとつ。マッチングアプリは、男性なら登録が有料だが、基本的に女性は登録無料のケースも多いので、上手に選べば、費用ゼロでも婚活を進めることができる。

効率よく、理想の相手と「マッチ」するための8カ条

伊藤さん自身のネット婚活と、主宰する婚活塾に参加した受講生の経験から導き出した、マッチング成功の秘訣。リアルな恋愛とはちょっと違う、マッチングアプリならではの必勝テクニックを、特別公開する。

《1》使用するアプリは目的で選ぶ

年齢層や登録人数、国籍の多様性など、アプリによって出会える人もさまざま。「年齢問わず多くの人と出会うならやはり登録者数の多いアプリがおすすめ。50代専門のアプリは今のところありませんが、同年代希望なら幅が広い年代を抱えるアプリを。どれを選ぶにしても、18歳未満と既婚者の利用不可なものが安心」(伊藤さん)。

年代問わず多くの人に出会いたいなら

●ペアーズ
累計登録者数2000万人超えで国内シェアNo.1だけあり、出会える相手の数も年齢層も豊富。

●Yahoo!パートナー
LINEヤフーが運営する会員数累計580万人以上のサイト。40代以上の男性会員も比較的多め。

同世代中心に出会いたいなら

●マリッシュ
離婚経験者、シングルマザー&ファザーの登録が多く、50代以上の年齢層のユーザーも多い。

●マッチドットコム
アプリが登場する前の’95年に運営を開始したネット婚活の老舗。真剣婚活中の50代利用者が多数。

《2》毎日最低1回は、アプリをチェック

登録したものの思い出したときしかアプリを起動しないのは論外! 「本気で活動している情熱は電波を通して伝わり、自分の熱量と同じ相手と引き合うもの。3日以上アプリを開かなければやる気もそれなりと判断されます。やる気がない人とやりとりしたい人はいません。最低でも毎日1回以上ログインし検索して“いいねを押しましょう」。

《3》プロフィール作りに 「嘘」と「ぼんやり」は厳禁

プロフィールは自分を見せる窓。「嘘を書かないことは大前提。そのうえで、ハマっている趣味や、がんばっている仕事などについて、なるべく具体的に説明して。ポイントは前向きに楽しく生きている印象。人は誰でも明るいものに惹かれるもの。だからネガティブな不幸自慢も避けること。そして顔写真も盛りすぎない程度で必ず公開。趣味などがわかるそれ以外の写真もできるだけ多く載せ、人物像が想像できるようにします。また、アプリに設定されているプロフィールのチェックボックスや心理テストも多く埋めるほど本気度が上がり好印象に」。

《4》 「登録バブル」は絶対逃さない

「アプリに登録すると“こんな人が入りました”とニューフェイス紹介があり、多くの男性から“いいね”がきます。この、一番モテる“登録バブル“を逃さず目を凝らしてチェック! バブルが過ぎてマッチ率が下がったら、いったん退会してから、再度登録し直すテクニックも」

「登録バブル」は絶対逃さない

《5》初めて会うときは、昼。密室はNG 

“いいね”を送り合いメッセージのやりとりを経て、いざ対面デート。そこにもルールが。「体目当ての人が紛れ込んでいる場合もあるので、初めて会うときはお酒が入らない昼間。既婚者が活動しづらい休日のランチやお茶もおすすめです。話が盛り上がっても、散歩する程度で次の約束、が基本。間違っても、密室になる車に乗ったり相手の家に行ったりしないこと。会う前に名刺をいただけますか?と打診してみて、その対応も判断材料に」。

《6》「駆け引き」は時間のムダ

「婚活サイトに登録し、相手に不自由していないアピールをするなんてナンセンス。いい人はすぐにいなくなるので興味があったら即レス。気になる相手から2週間誘いがなかったら自分から誘ってみて」

《7》失敗にいちいち傷つかない「スルー力」を磨く

時には傷つけられることもある50代のパートナー探し。「やりとりしていた人が、突然音信不通になったり、待ち合わせに来なかったり。でもそこで一喜一憂してエネルギーを消耗していたら、明るい未来はありません。その経験でスルー力を磨いて気持ちを切り替え、次に進みましょう。アプリ活動は、軽く、明るく、テンポよく、が基本!」。

《8》活動期間をあらかじめ決める

登録だけしても、何も始まらないのがマッチングアプリ。「人間、お尻に火がつかないと本気になれないもの。無期限でダラダラ続けていると、せっかくの運命の相手を見落としてしまうかも。事実、成婚する人は短期間に集中して多くの人とマッチングしています。本気でパートナーを探すなら、長くても期間は1年以内と決めて動いて」。

マッチングアプリでパートナーと出会った3人の体験談

アラフィーになってからアプリに登録し、新しい幸せをつかんだ人、純粋な恋愛を楽しむ人。世代も立場も違う相手と一瞬でつながる世界で見えた景色、大人だからこそ楽しめる奥深い体験を語ってもらった。

【Case1】’23年夏に7歳年下の男性と結婚(再婚)

マチエさん(仮名・66歳)

マッチングDATA

【アプリ登録の目的】
最初は恋活。その後、婚活に切り替え

【アプリを始めた年齢】
59歳(恋活)、62歳(婚活)

【パートナーと出会った年齢】
64歳(66歳で結婚)

【使用したアプリ】
パートナーと出会ったのは、マリッシュ。ほかにペアーズ、ユーブライド、パートナーズも使用

【アプリの使用期間】
トータルで約2年半

【メッセージのやりとりをした人数】
13人(婚活)

【実際に会った人数】
5人(婚活)

【交際した人数】
今の夫を含めて2人(婚活)

世界中から運命の相手を探せるグローバル婚活

「マッチングアプリで結婚した友人にいわれた“自分の運命の相手を世界中から探さないでどうするの?”という言葉が心に響いたんです。ハードルを越えないと幸せはつかめない、と飛び込みました」

子供が2人、4人の孫もいるマチエさんは、58歳で離婚。1年間ひとりでいたのち、やっぱり誰かと一緒にいたいと一念発起してアプリに登録。

「最初に感じたのは、世の中にはこれほどパートナーを求めている人がいるのか、という驚き。当時使ったマッチドットコムでは世界中からメッセージが届き、フィリピンに駐在する日本人に求婚されたことも」

始めたときは、単純にパートナーが欲しい“恋活”目的だった。

「アプリで知り合った15歳年下の男性と1年半ほどお付き合いして、やっぱり私は結婚して生活をともにしたいと気づいたんです。でも彼は誰かと一緒に暮らすのは苦手という人。未来が見えないのでお別れし、そこから婚活に焦点を当てました」

結婚希望者が多いアプリを選び、プロフィールにも婚活を明記。とはいえ、一筋縄にはいかないもの。

「あやしい人も何人かはいました。見極めポイントは、ひとつひとつの質問に誠実に答えてくれるか。体目当ての人はすぐに会おうとするし、夜や土日にメッセージを送って返事がこない人は既婚者の可能性大。時には心ない言葉で自尊心を傷つけられることも。でも負けてなんかいられません。自分がありのままでいられない相手と我慢して一緒にいるくらいならひとりのほうがいい。心を消耗しないためにも、この自分で生きていく、と強い気持ちで活動しました」

明るくエネルギッシュなマチエさんにも婚活疲れがあったそう。

「こまめなチェックには気力が必要だし、機会を逃すまいと“いいね返し”をして睡眠不足にも。だから、1〜3カ月集中して疲れたら3カ月以上休み、リスタートしました。私の信条は何歳になってもあきらめないこと」

最終的に選んだのはマリッシュで出会った居心地がいいバツイチ男性。

「3週間毎日やりとりしたせいか、初デートで6時間も話したくらい素の自分を出せるし一緒にいて楽。結婚経験があることもよかった」

そして2年の交際を経て、今年の夏にゴールイン。毎日が楽しい。

「50代からの婚活を振り返って思うのは、年上が好きな男性もいるし、見た目印象と年齢のギャップで驚かせるのも楽しいということ。そして経験を重ねてきた大人世代は人を見抜く目があるから、自分で気をつければ怖いことはないということ。やる気さえあれば『この年でこんなモテ期が!』という感覚を味わえるのはマッチングアプリならでは。年齢を理由に躊躇している人こそ、使わないなんてもったいないです!」

やる気さえあれば、人生最大のモテ期がくる!

やる気さえあれば、人生最大のモテ期がくる!

【Case2】’20年夏に2歳年下の男性と結婚(初婚)

アイカさん(仮名・51歳)

マッチングDATA

【アプリ登録の目的】
婚活

【アプリを始めた年齢】
47歳

【パートナーと出会った年齢】
47歳(48歳で結婚)

【使用したアプリ】
Yahoo!パートナー

【アプリの使用期間】
8カ月

【メッセージのやりとりをした人数】
5人

【実際に会った人数】
2人

【交際した人数】
今の夫のみ

自分で検索しなくてもアプリが相手を選んでくれる

30代から結婚相談所などの婚活サービスを利用したもののこれまで縁はなく、いつかは楽しい家庭をつくりたいと思い続けていたアイカさん。

「お金も時間も余裕はないし、1年だけ試してみよう、と、メジャーな会社が運営しているアプリに登録」

登録したのはGW後。帰省して実家の温かいムードに触れた独身男性が結婚したい気持ちになるタイミング、と専門家の指導を受けていた。

「希望の条件に合う相手をアプリが選んで毎日5人くらい紹介してくれて。いちいち検索しないですむのは楽ですよね。ノーと判断したのは、プロフィールをまじめに書いていない人や顔写真を出していない人。本気じゃない気がして。年が離れすぎている人や、すぐにLINEでやりとりしたがる人もパスしました」

古典楽器を奏でる趣味をもつアイカさん。それをプロフィールに載せると反応してきた男性がいた。登録から3カ月後の8月にマッチング。

「“長男”はネックでしたが(笑)、誠実そうだし、年も出身地も近かったことで話がはずんで。忙しかったのでメッセージで近況報告する日々が続いてふたりでじっくり会ったのは11月。交際に時間をかけるつもりはなく、5回目のデートで、そろそろ次のステージに行きませんか?と私からプロポーズ。半年後に入籍しました。結婚してから相手を知っていくプロセスを今は楽しんでいます。なかなか悪くないですよ」

交際に時間をかけたくなくて5回目に自分からプロポーズ

交際に時間をかけたくなくて5回目に自分からプロポーズ

【Case3】現在、32歳の男性と交際中

チエコさん(仮名・50歳)

マッチングDATA

【アプリ登録の目的】
恋活

【アプリを始めた年齢】
48歳

【パートナーと出会った年齢】
50歳(交際半年)

【使用したアプリ】
彼と出会ったのはティンダー

【アプリの使用期間】
約2年間

【メッセージのやりとりをした人数】
100人以上

【実際に会った人数】
10人程度

【交際した人数】
今の彼のみ

生涯のパートナーではなく一緒にいて楽しい相手を

20代で結婚した夫と45歳で死別後、思春期の子供を育て、仕事に忙殺される日々だったチエコさん。気づけば更年期入口の48歳に。

「役割を全うしよう、と走り続けてきたけど、ある日ふと、女として優しく扱われる時間がほしいと思ったんです。かわいいねとほめられたり、肩の力を抜いて甘えたり」

そんなとき、会社の後輩を含め何人かがアプリで出会った人と結婚。

「なんとなく“あやしい”世界、と思い込んでいたので、ちゃんとした人に出会えるんだ!と驚きました」

以来、2年間で5つのアプリに登録し約100人程度とやりとりを。望むのは結婚相手ではなく「一緒に楽しいことができるパートナー」のため、会った相手から「結婚する気がないなら会うな!」と怒られたことも。「確かにそうだなあと思って、それまで複数使用していた婚活目的が多いアプリをやめて、恋活目的がより多いティンダー一本に変更しました」

そうして出会ったのが32歳の男性。これまでかなりの人数と会ったものの、交際したのは彼だけだ。

「ティンダーに変えてから2カ月くらいでマッチングした金融マンです。生活エリアが近く、私の趣味にも興味を示してくれました。心の結びつきを求めているので、18歳年下でも感性が似ていたことが決め手に」

食事をしたり映画を見たり。自由で穏やかな関係を満喫している。

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