【ニコライ・バーグマンの夏のアトリエと花あしらい】センスよく、涼しく過ごす、緑が美しい山の家〈前編〉

フラワーアーティストとして活躍するニコライ・バーグマンさん。さまざまなイベントを主催し、カフェをオープンしてと活躍の場は近年ますます広がり、’22年に箱根・強羅にオープンした『ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ』も人気だ。ガーデンに隣接する土地には、箱根の雄大な自然を満喫できるアトリエを作った。仕事を離れ、週末ごとに家族や友人とつかの間のリラックスした時間を過ごすプライベート空間にも花は欠かさないという。アトリエでの花あしらいを前後編に分けて紹介。

八重咲きのバラの美しさを最大限生かすためスモーキーなグリーンとシンプルに生ける

八重咲きのバラの美しさを最大限生かすためスモーキーなグリーンとシンプルに生ける
リビングのテーブル上には涼しげな薄いグリーンのガラス花器に、ピンクの濃淡が美しいバラとスモーキーなセージをたっぷりと。横に置いた洋書の表紙と、さりげなく色がリンクしている。「生まれ育ったデンマークの家では、朝から一日中キャンドルを灯します」と、季節を問わず、花と一緒にキャンドルを飾るのもニコライ流

形状の違う3つの花器を並べ、2種の花を生ける。簡単にセンスよく見える、まねできそうなアイデア

形状の違う3つの花器を並べ、2種の花を生ける。簡単にセンスよく見える、まねできそうなアイデア
ダイニングをはさんでリビングと反対にあるセカンドリビング。ポール・ケアホルムの端正な家具が置かれたコージーで贅沢な空間。窓の先はすぐ山で、より自然に近く、時折鹿もやってくる。ここには大小形違いの3つの花器を並べ、黄色のジニア、グリーン系のカワラサイコとハニーサックルの葉を別々に生けた。下に敷板やトレイを敷いて複数の花器を並べるのもまねしたいアイデア

初夏の青々とした緑を背景に涼やかなガラス花器にあしらう

初夏の青々とした緑を背景に涼やかなガラス花器にあしらう
天井の高いリビングは、2面が全面窓となり、四季折々の美しい景色が楽しめるパノラマビュー。床は幅45㎝のオーク材を黒く塗装し、天井にもオーク材を用いた。ソファはハイメ・アジョンによるルネ、テーブルはポール・ケアホルムによるPK61。ともにデンマークのフリッツ・ハンセン社の家具だ

週末は自然に惚れ込んだ箱根へ。アトリエに着くとまず花生けを

リビングの大きな窓の先には真っ青な空と深い緑に覆われた山々。さっきまで雲で覆われていたのに、刻一刻とドラマティックに表情が変わり、飽きることなく眺めていられる。ここは、フラワーアーティストとして活躍するニコライ・バーグマンさんが週末を過ごす、箱根の強羅にあるアトリエだ。

「自然に囲まれた場所に拠点をもちたい」と、東京から気軽に足を運べる箱根で約10年前に土地探しをスタート。「この土地の自然を継承してくれる人に譲りたい」という前オーナーと出会い、ニコライさん自身も「せっかくならアトリエだけでなく、すばらしい自然環境を皆さんと共有できるガーデンも作りたい」と思うようになった。以来、少しずつ土地を買い足し『ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ』を開園。たくさんの人が訪れる箱根の人気スポットとなっている。

広大な土地の一角に建てたアトリエは設計に1年ほどかけ、内装は自らもデザイン。そこかしこに窓があり、雄大な景色や自然を室内にいながら存分に感じられる、包み込まれるような心地のいい家だ。「20年以上日本に住んでいますが、故郷・デンマークのものが家の中にあるといいなと思って」と建材や家具、照明の多くをデンマークのブランドから選んだ。

今では週末ごとに箱根で家族や友人と豊かな時間を過ごしている。「ここに来るとまずは花を生けます」というニコライさん。アトリエでの初夏の花あしらいを見せてもらった。
箱根の強羅にあるアトリエ
設計はクライン ダイサム アーキテクツに依頼。斜面に沿って建てられ、土砂よけのために地盤面から浮かせた。前庭には芝生、アプローチには白い紫陽花を植えた。ウッドデッキではバーベキューも
敷地内には川が流れ、小さな滝もあり川遊びを楽しめる。
敷地内には川が流れ、小さな滝もあり川遊びを楽しめる。「東京から1時間ほどでこんなに豊かな自然に触れられる。箱根の魅力をもっと皆さんに知ってもらいたい」
バラはY-ラロック、花器はジョージ ジェンセンのアルフレド
「東京から花を持ってきて、リビング、キッチン、ダイニング、玄関には必ず生けます。箱根は涼しいので花の持ちもいいですね」と、キッチンでサッと花を束ねるニコライさん。好きな花との時間を心から楽しんでいるよう。バラはY-ラロック、花器はジョージ ジェンセンのアルフレド
エッグチェアの横のサイドテーブルにも花
リビングに置いた包み込まれるような座り心地の名作、エッグチェアの横のサイドテーブルにも花を。ターゲ・アンダーセンのキャンドルスタンドを花器に見立て、カラーを小さく生けた
12名で囲めるダイニングテーブルに丸い大小の涼しげなガラス花器を並べ、可憐なヤマユリを生けた。
12名で囲めるダイニングテーブルと椅子はステラワークスの家具。丸いペンダントライトの下に丸い大小の涼しげなガラス花器を並べ、可憐なヤマユリを生けた。「食卓上に生けるときは高さを抑えて。高さを出したい場合は隅に置きます」。
セカンドリビングの花は森山寛二郎の花器に
セカンドリビングの花は森山寛二郎の花器に。洋書と一緒に飾るのもポイント

後編へ続く

ニコライ・バーグマン

ニコライ・バーグマン

デンマーク・コペンハーゲン出身。’98年の来日以来、フラワーアーティストとして日本におけるフラワーデザイン界を牽引し、フラワーボックスは一躍大人気に。国内外に多数のフラワーブティックを展開する。アーティストや伝統工芸などとのコラボをはじめ、イベントの開催、カフェ「Nicolai Bergmann NOMU」や『ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ』をオープンするなど多岐にわたり精力的に活躍する。

https://www.nicolaibergmann.com

ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ

ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ
箱根の自然を生かしながら、夏は紫陽花、秋はハロウィン、冬はクリスマスと季節ごとに異なる景色が楽しめる。イベントやワークショプも開催。カフェ「NOMU hakone」も併設。8月は毎週金曜にディナーイベントを開催。

神奈川県足柄下郡箱根町強羅1323の119

☎0460・83・9087
10:00〜17:00 

定休日:水曜、年末年始(水曜が祝日の場合は翌木曜休)

大人(事前web予約)¥1,500、(現地購入)¥1,800

※キャッシュレス決済のみ

https://hakonegardens.jp

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    2024年8月19日

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