みんな大好き“ワーゲンバス”の現代版 フォルクスワーゲン「ID.Buzz」は最高に幸せな車でした! 女性目線でお届け【マダムの“ぐっとくるクルマ”試乗 vol.9】

モータージャーナリストのまるも亜希子さんによる試乗体験ルポ。今回は電気自動車となって復活した、フォルクスワーゲンのあの名モデルの現代版です。
まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト

「クルマのある毎日のリアル」をイチ生活者の視点から、メディアで届けるカーライフ・ジャーナリスト。イベントのMCも務め、フレンドリーなキャラから「業界の笑い袋」の異名をとる。女性ドライバーをはじめ運転しない人にも伝わりやすい「今日からできる交通安全」をテーマに、交通安全応援ユニット「OKISHU」(オキシュー)としても活動中。2004年、2005年、サハラ砂漠ラリー完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
目に映った瞬間に、すっかり忘れていた懐かしい光景がふわっと浮かんでくることはありませんか。実際に見たことがあるのか、映画やアニメのワンシーンなのかわからなくても、無条件で幸せな気持ちになれる光景。
フォルクスワーゲン  ID.Buzz(アイディーバズ) 外観

このフォルクスワーゲン ID.Buzz(アイディーバズ)が海を背景に佇んでいたとき、私の頭の中はまさにそんな状態になりました。

フォルクスワーゲン  ID.Buzz(アイディーバズ) 横からの外観

1970年代を中心に日本でも「ワーゲンバス」の愛称で人気者となり、惜しまれながら生産終了となった、ユーモラスで頼もしくて家族みたいなType2(タイプツー)。エクラ世代なら、一度は見かけたことがあったり、雑貨やミニカーを持っていたりするかもしれませんね。

そのワーゲンバスの魅力を受け継いで現代に甦ったのが、BEV(電気自動車)となったID.Buzzなのです。

ID.Buzzは現時点で唯一、3列シートのミニバンタイプのBEVとなっています。愛嬌のあるヘッドライトに特大のVWロゴ。現代風にアレンジされた、懐かしのスライディング・ウインドウのあるツートーンのボディ。ボンネットがほとんどなくてストンと落ちるようなフロントフェイスも、ワーゲンバスの面影を感じさせるデザインです。
フォルクスワーゲン  ID.Buzz(アイディーバズ)ヘッドライト VWロゴ
フォルクスワーゲン  ID.Buzz(アイディーバズ) 斜め横からの外観
フォルクスワーゲン  ID.Buzz(アイディーバズ) 運転席
室内は6人乗りと7人乗りがあり、どちらも天井が高く広々としたラウンジのような雰囲気で、6人乗りは2列目シートがセパレートタイプ。車内で1列目から3列目のセンターウォークスルーが可能で、雨の日や猛暑の日でも降りることなく席の移動や荷物の出し入れができて便利。

7人乗りは2列目シートがベンチタイプで、3列目シートを格納して荷物スペースにした時でも5人が座れて、カジュアルに使える印象です。
フォルクスワーゲン ID.Buzz 座席 7人乗り 6人乗り
そしてオプションのラグジュアリーパッケージを選ぶと、大きなパノラマガラスルーフがついてさらに開放感がアップ。ワンタッチで遮光ができるのがうれしいところです。
フォルクスワーゲン ID.Buzz 後部座席からの内観
フォルクスワーゲン ID.Buzz パノラマガラスルーフ
ご機嫌な音楽を流したくなるプレミアムサウンドシステム「Harman Kardon」もセットとなっていて、サンサンと陽射しが降り注ぐ中でのドライブに似合うのは、ボブ・マーリーかビーチボーイズか。考えただけでも気分が弾んできます。
フォルクスワーゲン ID.Buzz プレミアムサウンドシステム Harman Kardon
ID.Buzzにはバッテリー容量が91kWhで走行距離が最大554km(WLTCモード)の「Proロングホイールベース」と、容量84kWhで最大524km(WLTCモード)の「Proノーマルホイールベース」があります。どちらもパワフルなので、走り出しは大きなボディとは思えないほど軽やか。アップライトな視点で遠くまで見通せて、思ったより大きさを感じさせない運転感です。

重いバッテリーをフロアに敷き詰めているので、背の高いミニバンでも低重心になっており、しっかりとした安定感があって乗り心地も落ち着いています。

2列目シートに座ってみても、その印象は同様に快適。
フォルクスワーゲン ID.Buzz 2列目シート
ふっくらと身体を支えてくれるシートはリラックス感があり、スライディング・ウインドウは電動開閉。走行中でも室内が静かなので、前席との会話も弾みます。なんだか、ドライブ中なのに海辺でピクニックをしているような気分になるのは、ID.Buzzがワーゲンバスから受け継いだおおらかさ、盛り上げ上手なキャラクターのせいかもしれません。

ロングドライブにも十分なバッテリー容量を搭載しているID.Buzzですが、高性能な140〜150kWの急速充電器に対応しており、これまでより充電時間の短縮が可能。新車購入後にPCA(Premium Charging Alliance)アプリに登録すると、正規ディーラーネットワークでの急速充電が最長1年間無料になるサービスを実施中。まだ自宅に充電器がないという人も、たくさんお出かけしたい人にもうれしいサービスです。

バックゲートを開けると、高さのあるラゲッジルーム。
フォルクスワーゲン ID.Buzz ラゲッジルーム
フォルクスワーゲン ID.Buzz ロゴ
マルチフレックスボードと引き出し式収納ボックスの「ID.Buzzボックス」が使い勝手を高めます。2列目・3列目シートの背もたれを倒せば大きな荷物も積みやすく、さらに3列目シートは完全に取り外しが可能。

取り外したシートの保管場所が確保できるか、という悩みはありますが、いざとなったら最大2469ℓ(Proロングホイールベース)という超大容量の収納スペースがあると思うと、夢も広がります。

フォルクスワーゲン ID.Buzz 外観 試乗会 会場
  • フォルクスワーゲンID.Buzz試乗会 鵠沼海岸 ダイナー

    試乗会の会場は鵠沼海岸のダイナー。

  • フォルクスワーゲンID.Buzz試乗会 鵠沼海岸 ダイナー ハンバーガー

    ダイナーもVW仕様になっていました。


ID.Buzzはワーゲンバスの懐かしさに加えて、電気自動車だからこそできること、行きたい場所、一緒に出かけたい人を想像する楽しさをくれる、とびきりの新しさを詰め込んだ車になっています。

フォルクスワーゲン  ID. Buzz

全長×全幅(ミラー閉)×全高:4,715×1,985×1,925㎜ (ノーマルホイールベース)

4,965×1,985×1,925㎜ (ロングホイールベース)

パワートレイン:交流同期電動機

乗車定員:6名、7名

バッテリー容量:84kWh(ノーマルホイールベース)、91kWh(ロングホイールベース)
充電走行距離(WLTC):524km(ノーマルホイールベース)、554km(ロングホイールベース)
乗車定員:6名(ノーマルホイールベース)、7名(ロングホイールベース)

価格:¥8,889,000(ノーマルホイールベース)、¥9,979,000(ロングホイールベース)

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