すぐ出かけたい!いいお湯、地元の味、絶景を堪能できる「雪見と美食の宿」 五選

旅の醍醐味はその季節を五感で感じること。雪に白く染められた世界で、その土地でしか味わえない食材を堪能し、ゆっくりと湯につかる……。実はこの季節が一番贅沢かもしれない。雪深くなる2月、この機会を逃さず、今すぐ出かけてみたい。

1.雪景色のための特別な立地で最高のおもてなし

『坐忘林』

「坐忘」とは仏教用語で、鎮座して現世を忘れ、雑念を除くこと。この宿を訪れると、その境地の一端を感じることができるかもしれない。
 新千歳空港から車で2時間。山道の途中、見落としそうな看板を頼りに、森の中へ向かう。エントランスを抜ければ、ロビーの暖炉の火が迎えてくれる。
 1万5000坪の敷地に、独立したヴィラタイプの客室がたった15室。部屋に入ると、天井までの広い窓いっぱいに、スノーホワイトが広がる。雪に覆われた白樺林や牧場が目の前。遠くには羊蹄山もしくはアンヌプリ、ワイスホルンが眺められ、自然と一体化した気分を味わえる。視界を遮る建物はいっさいない立地自体、贅沢そのものだ。
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 客室のインテリアは、木や石などの自然素材を使う。あくまでもミニマム。このシンプルさが、外の自然の美しさをいっそうきわだたせる。
 温泉は敷地内に湧き出る源泉から。客室すべてに内湯と露天風呂があり、ミネラル豊富なとろんとしたお湯でお肌はすべすべ。温泉を再生可能なエネルギーとして床暖房にも活用するなど、環境への配慮も怠らない。
 オーナーはニセコに二十年余り通い、一時期は住んだこともある英国人の夫妻。この雪景色を特に愛でてほしいと、銀世界が最も美しく見える場所に宿を建てたのだという。
 景色を愛でつつ、温泉に入れば、北海道の幸をふんだんに使った懐石料理の夕食が待っている。和食の枠に収まらないモダンなテイストは、見慣れた懐石料理とは一線を画す。冬なら松川ガレイ、北寄貝、オホーツクのボタン海老、蝦夷アワビ。例えば、アワビは活きたまま揚げ、木の芽、ディル、花椒をしのばせる。メインに蝦夷鹿、締めには道産「ななつぼし」のごはん。料理を引き立てるのは作家ものの器だ。料理長が自ら出向いて、オリジナルを作ってもらうことも。
 居心地のよさは、空間と料理だけではない。客室に置かれている苔のアレンジメントはスタッフの手作り。山菜やきのこはスタッフが裏山へとりにいったり、元農家のスタッフからは無農薬の野菜が届いたり。ホテルライクなスタイルなのに、家族的な雰囲気をまとっているのが、ゲストを惹きつける理由だろう。
 自然に抱かれて静謐な時間を味わうための雪の楽園。大人のための極上の宿だ。
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野菜と海の幸たっぷりの朝食。米は夕食と異なる銘柄「銀山」で
ディナーの最初のひと皿。地ビーツのバルサミコ酢漬け、ホタテの重ね焼きなど。器は西田ゆか作。「冬の木の枝をイメージさせる銀彩の器は、うちを象徴する器になるでしょう」と料理長
ベッドからも雪景色が。いつでも自然の中にいるよう
ロビーの暖炉にはいつも薪が燃やされ、雪景色とのコントラストが美しい
夜の「キタカイセキ」から。ハンターでもあるスタッフが2歳以下の雌鹿だけを撃つ。その肉をいぶし焼きに。山ぶどうの酸味の効いたソースで
「書斎」と呼ばれるパブリックスペースには、オーナー夫妻の趣味で選ばれた写真集や画集から小説までが並ぶ
☎0136・23・0003
北海道虻田郡倶知安町花園76の4
料金/¥75,000~(2名1室利用の1泊1名料金、2食つき 税・サ込)
客室/15室(全室内湯・露天風呂つき) IN14:00 OUT11:00
温泉/大浴場なし
アクセス/新千歳空港よりJR札幌駅経由でJR倶知安駅まで約2時間半(JR札幌駅より函館本線で約1時間45分)。倶知安駅からタクシーで10分(無料シャトルバスあり・要予約)。車なら新千歳空港より約2時間 
https://zaborin.com

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