【皮膚のできもの⑥】背中、肩、首などにできる柔らかいできもの「脂肪腫」

背中や肩、首などにできることの多い柔らかいしこりの“脂肪腫”。徐々に大きくなっていくことが多く、背中など気づきにくい部分は20cmほどになってやっと気づくケースも。特徴や、気になる場合の治療法を専門医がお教えします。
教えてくれたのは…
日本医科大学武蔵小杉病院 桑原大彰先生

日本医科大学武蔵小杉病院 桑原大彰先生

日本医科大学形成外科講師。医学博士。形成外科専門医。フィンランドにて皮膚腫瘍や軟部腫瘍の再建を学び、帰国後現職。現在、同病院形成外科にて皮膚腫瘍外来を担当。

背中や肩、首などに多く見られるこぶのような柔らかいできもの

脂肪腫

「脂肪腫は皮下の脂肪組織が増殖することによって生じる良性腫瘍で、皮膚の下にできるこぶのような柔らかいしこりです。全身のさまざまな部位にできますが、特によく見られるのが背中や肩、首で、次いで上腕、おしり、太ももなどに多く見られます。大きさは直径が数㎜のものから10㎝以上のものまであります。徐々に大きくなっていくことが多いのですが、背中など気づきにくい部分にできると、20㎝ほどにまでなってやっと気づくケースも。通常は痛みはありませんが、なかには痛みを伴う脂肪腫の類もあります。良性なのでそのままでも問題ありませんが、痛みが出たり、見た目的に気になる場合は手術で摘出します」(桑原先生)
脂肪腫
脂肪腫は皮膚の下にあり、痛みもないので自分で気づきにくいことが多く、背中などの見づらい部分にできると20㎝大など、かなり大きくなってやっと気づくことも多い。手や足に多数できることも

《特徴》

できる位置

どこにでもできる

脂肪腫は全身どこにでもできるが、特に多いのが背中、肩、首。次いで、上腕、おしり、太ももなどに多い。顔や頭や下腿などにもできるが比較的まれなケース。

《治療法》

●治療法●

手術

「脂肪腫の治療は、手術で皮膚を切開し、脂肪腫を取り除く方法です。小さなものなら局所麻酔で日帰り手術が可能ですが、大きなものは、入院して全身麻酔による手術を行い、切除後に縫合します」(桑原先生)

《Q&A》

Q.「手術で切除したら再発しませんか?」

A.「とり残しなく切除すれば再発はほぼありません。ただ、脂肪腫ができやすい体質の人は別の部分にできることはあります」(桑原先生)

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