アラウンド50の憧れ!「雨宮塔子のファッションスタイル」まとめ
多忙な日々を送りながら、そのたたずまいはいつもきりっとシャープ、それでいてエレガント。気負ったり迷ったり、そんな時代はいつのまにか過ぎて、静かな笑顔が似合う大人の女性になっている。何を選んで、何を着て、ここにたどりついたのだろう? 再びパリで暮らしはじめた彼女に、たずねてみた。
①ライダース×ピアスで大人かっこよく!
ライダースのようなやんちゃなアイテムにも、 大人の女性のかっこよさを感じさせるピアスを合わせて
「今までいろいろなライダースを着てきたけれど、今の気分は断然オーバーサイズ。レザーの厚みや柔らかさにもこだわります。ライダースのようなやんちゃなアイテムにこそ、どこかに大人の女性らしさを加えたい」。そう話す雨宮さんの耳もとには、フェザーモチーフの大ぶりピアスが軽やかに揺れて。
ライダースジャケット¥165,000/アパルトモン 神戸店(リジェール) ピアス/雨宮さん私物
②グレージュコーデで「新鮮さ」かつ「自分らしさ」を表現!
落ち着きのあるグレージュを、 ワントーン・コーディネート。 甘くなりすぎないように、足もとはクールに締めます
ワードローブは黒と白が多いという雨宮さん。旧知の間柄のスタイリストさんから提案されたこのコーディネートは新鮮でありつつ、自分らしいとも。「テレビ収録の衣装でもときどき入れてくださったグレージュ。袖を通してみるとわかる、ほどよいフェミニンさが素敵ですね」。
ブラウス¥39,000・デニム¥22,000・ベルト¥26,000・イヤカフ(片耳)¥7,500/ボウルズ(ハイク) 靴¥125,000/ジミー チュウ
③堅くなりがちなジャケットも“着崩し”てラフに!
堅くなりがちなブラックジャケットは、ふだん着っぽくラフに着ます
「ブラックジャケットは私の日常着。コンパクトなシルエットも少しビッグなものも好き。どこかくずして着るよう心がけています」。その日の気分や行き先に応じて、足もとはヒール靴もしくはスニーカーをチョイス。大ぶりのアクセサリーを味方にすることも。
ジャケット¥105,000/ラトリエ・エム(リュンヌ) Tシャツ¥10,000/アパルトモン 神戸店(アパルトモン) デニム/雨宮さん私物 ピアス/スタイリスト私物
④パリで学んだ「パンツスタイル」のこだわり
シンプルなアイテムほど、シルエットが大事。あとは、バランスにこだわります
パリで学んだのは、パンツスタイルへのこだわり。「試着したら必ず、後ろ姿をチェックします。ありのままの自分を、いかにかっこよく見せるか。その工夫と情熱は、フランスで覚えました」。ネイビーのローファーが、白を中心としたスタイリングのさりげないさし色に。
カットソー¥15,000・パンツ¥33,000・ベルト¥13,000/ユナイテッドアローズ青山 ウィメンズストア(ロエフ) ピアス(片耳)¥34,000・バングル¥58,000/ブランイリス伊勢丹新宿店(ブランイリス) 靴¥100,000/ジェイエムウエストン 青山店(ジェイエムウエストン)
「私が着ていて落ち着くのは、 モノトーン、そしてシンプルな装い」
雨宮塔子さんは今、パリで暮らしている。’16年から日本の報道番組でメインキャスターを務めていたが、’19年初夏に卒業。その後しばらく日本で過ごし、パリでの暮らしに戻ったのだ。
「報道の仕事は本当にやりがいがありましたし、毎日が充実していました。以前、パリでテロが身近に起きて、私なりの意見を中継でお伝えすることもありましたけど、週5日、毎日の放送で伝える立場になるのはやはり覚悟が必要でしたし、より冷静に客観的にと、視点も変わりました。また、何度かスタジオを飛び出して現場取材することもあったのですが、それが本当に楽しかった。もともと、話を聞くのが好きなんです。言葉だけじゃなく、表情から多くのものが伝わってきますし、どんどん心を開いてくださるかたもいる。もっと現場に出たかったなと改めて思います」
女らしさは、誰かのためじゃなく、自分のために
アナウンサーとして活躍ののち、28歳で単身パリ暮らしをスタート。そのままパリで結婚して出産して子育てして、40代半ばに離婚。ふたりの子供と新しい生活に飛び込んだ。今、ワードローブに並ぶのは、そんな彼女だからこそ、似合う服。さまざまな局面の中で自分らしくいられる服、どんなときも味方になってくれる服が、今の彼女の定番だ。
シンプルなシルエット、シャープなデザイン、良質の素材。服を選ぶセンスとものを見る目は、30代から40代を過ごしたパリの街、そこに住む人々から学んだことも多かった。
「昔から、オーソドックスなアイテムが好きなんです。ジャケットも、そのまま着ると堅い印象ですけれど、デニムを合わせたり、どこかくずして着るのがマイルール、といいますか」
色は、黒。あるいはモノトーン。「そういえば、パリの友人と女子会を開くと、なぜかみんな黒い服ばかり。でも黒髪の私は、服も黒だと重くなりがちなので、袖をまくって肌を少し見せたり、髪を上げたり、アクセサリーで抜け感を出して、軽さを出すようにしています。ワントーンでまとめるときは、グレージュやベージュが多いのですが、たまには鮮やかなブルーとか」
そして足もとは、「スニーカーかヒールの高いパンプス、どちらかですね、両極端です。元気に歩きたいときはスニーカーでガンガン歩きますし、夜の食事とか、ちょっとがんばりたいときはピンヒールです」
媚びず甘えず、自分らしく。なにより忘れたくないのが、女らしさだという。「男性を意識して、ということではないんです。そういうのはあまり好きじゃなくて(笑)。自分が女であることを楽しみたいときに、自分の女度を上げてみる。自分のための、女らしさなんです」
自分らしく、ミニマムに、パリでの新しい暮らしが始まる
そして、これから。パリに新居を探し、あれこれインテリアを考えながら、新しい暮らしが始まろうとしている。
「ものは極力減らして、でもクールになりすぎない、居心地のいい空間にしたいですね。子供たちがこれからバカロレア(大学入試資格証明)試験の大事な時期なので、パリにしっかり根を下ろさないと。そしてこの先の仕事のことは、さあ、どうなりますか(笑)」
パリを拠点にこれからもきっと、彼女はさまざまな発信を続けてくれるはず。「何をするにせよ、自分の意見をきちんといえる人間でありたいですね。ハリウッドでセクハラが問題になったとき、カトリーヌ・ドヌーヴが“男性にも女性を口説く権利はあるわ”って、あえて世間の風潮に逆らう意見を公表したんです。発言の内容ではなく、その態度がかっこいいな、と思いました。みんながみんな、右へならえではなく、そんな状況でも自分の意見がブレない人でありたいです」
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