「50代からの2回目の人生は、自分の好きなものがハッキリわかっているから、迷いや無駄があまりない。嫌なことはもうしなくていいから、心地よい」と語る美容ジャーナリスト 齋藤薫さん。生涯を美しく快活に生きるため、大切にすべきこととは?
教えてくれたのは
さいとう かおる●ご存じ、美容ジャーナリストの草分けにして業界のご意見番。シャープな視線で物事をとらえながら、女性に寄り添い、力づけるエッセーが、幅広い世代の支持を集めている。『年齢革命 閉経からが人生だ!』(文藝春秋)など著書多数。
自分で自分を幸せにする意識。そして周りも一緒に幸せにする意識が人を輝かせる
旅に音楽にお洒落、そして未来を見に行くための準備……そういう意味でも何かと忙しく、人生において今がいちばんワクワクしている。
人生前半、1回目の人生は、仕事が主軸で一種の修行、試行錯誤を繰り返したが、50代からの2回目の人生は、自分の好きなものがハッキリわかっているから、迷いや無駄があまりない。嫌なことはもうしなくていいから、心地よい。
ここで大切なのは、自分で自分を幸せにしてあげる意識。ただし周りも一緒に幸せでなければ意味がない。若い頃とはそこが違うのだ。
人生前半は自分の幸せを探すことで精一杯、それでいいと思う。でも大人は周囲を巻き込んでみんなで幸せになるという意識がないと本当の幸せは得られない気がする。美しさも同じ。
周りを心地よくするような存在であろうとすることが、大人の美しさなのだと思う。そのために毎日、ちゃんと小綺麗でありたい。そして、自分がいかに人を心地よく幸せにする存在になれるか、それも含めて未来を確かめたい、そう思うのである。
自分のテイストを貫きつつ軽やかにファッションを楽しむ
好きな洋服のテイストは変わらないけれど、手にする場所が変わっ
てきたと齋藤さん。
「ブランドものにはまった時期もありましたが、最近、多く利用しているのが韓国のサイト。日本の服が“可愛い”だとすれば、韓国の服はセクシー。そしてどこか“大げさ”。このブラウスもリボンが大きくて大げさ、でも、そこが楽しいんです」。
アクセサリーは目立ってこそ意味がある
「大きなイヤリングが大好き。インパクトがあるし、これさえつけていれば、他に何も必要がないというラクさもある。だから旅先でも見つけるとすぐ手に取ってしまいます」。
写真奥の丸いイヤリングは、カラフルなボタンにパーツをつけて、自分でつくったもの。
体に響く音楽を感じながら心を解き放つ
「音楽が好きで、子供時代からピアノを弾いていたんですが、50歳の頃、新しい楽器にトライしてみたいと思い、チェロを始めました。大人になってからでも十分弾けるようになりますし、音が体に響くから癒しにもなります」。
いいことがあったとき、反対にモヤッとした気持ちになったときも、気持ちが自然とチェロに向かう。
筋肉が気力になる。だから日々の運動は欠かせない
長らく運動とは無縁だった齋藤さん。「更年期で精神的に落ち込んだ50歳初め、抜け出そうと運動をするように」。今では毎朝15分のストレッチ&筋トレがルーティン。ピラティスでも使われるトレーニングチューブは、朝の運動時にも、仕事の合間にも愛用中。
見て、聴いて、感動する。旅はエネルギーの源
多く訪れる地はヨーロッパ。「街に着いたらまず教会に行くのが習慣になっています(写真左・バルセロナの大聖堂、右・ウィーンの教会)。教会は美術品の宝庫ですが、実は美術館巡りにおいても宗教絵画がもっとも好きで……。本来は目に見えない神が必ずそこにいると思うと、写実的なものよりさらに心を奪われます」。
歳を取らない秘訣は、知的好奇心を失わないこと
(右)『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』 鈴木 祐 かんき出版 ¥1,650(左)『最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法』鈴木 祐 クロスメディア・パブリッシング ¥1,628
「今興味を持っているのが、アンチエイジングの未来について。NHKの『ヒューマニエンス』という番組を見て、人間の体の潜在能力はすごいと思い、そこからサイエンスの世界にはまっていきました」。体について、不老長寿について、知るほどに未来への希望が!
撮影/Fumito Shibasaki(donna/物) 文/齋藤 薫 取材・原文/入江信子 ※エクラ2026年4月号掲載