強い紫外線や高い湿度、冷房による乾燥などでターンオーバーの乱れが起こり、頭皮悩みが顕著になりやすい夏。さらにアラフィーは、ホルモンバランスやエイジングで頭皮環境が悪化しやすくなる。知っておきたいアラフィーの頭皮をおびやかす「3大トラブル」を、各分野の専門家がレクチャー。
研究が進んでいる頭皮ケア。トラブル回避の秘策はあるのか?
年々、関心度が高くなる頭皮ケア。以前より研究が進み、最新知見も次々と発表されている
「今、研究を進めているのが頭皮の毛穴の中にある“毛包幹細胞”についてです。ここはいわば毛髪の起源。しかし残念ながら、毛包幹細胞は年齢とともに減少することがわかっています。その原因を突き止められれば、毛周期へのアプローチだけでなく、髪のエイジング&白髪予防など、頭皮に存在する幹細胞が影響するさまざまなトラブルに対応できるのではと考えています」(山田さん)。私たちが頭皮老化を一番実感する髪の変化に、希望が見出せるのはうれしい事実。だがそれ以外の頭皮トラブルも、アラフィーは待ったなし。
「頭皮も顔と同様、老化によりシミ・たるみや、女性ホルモンの変化でニオイが発生しやすくなることも。またターンオーバーの乱れによる角化異常でフケの症状を訴える人も増えるんです」(髙瀬先生)。「洗髪方法を変えるだけで、頭皮悩みが解決することも。ルーティンになっている日常のスカルプケアを、頭皮の健康のために今こそ見直してみてください」(CHIEさん)。
アラフィーの頭皮をおびやかす《3大トラブル》とは?
《1》高温多湿+体質変化で不快感が上昇
【ニオイ・ベタつき】
皮脂過多、乾燥、女性ホルモンが影響する
「ニオイの原因は皮脂や汗が常在菌と混ざったり、酸化すること。エクラ世代になると皮脂量が減少するため、基本的にはニオイやベタつきの直接原因は減ります。とはいえ汗や皮脂が物理的に増える夏は、多くの人が不快感を覚えます。また、冷房による乾燥で頭皮のベタつきが起こりやすくなったり、女性ホルモンの影響によって汗をかきやすくなったり、ターンオーバーの乱れで皮脂詰まりを起こしたり。大人の頭皮のニオイやベタつき解消は、一筋縄ではいかないのも事実。ケア方法の見直しが急務になります」(CHIEさん)
〈資料提供:タカラベルモント〉
健康な頭皮は青白く透明感が(左)。エイジング頭皮は皮脂詰まりを起こしやすい(右)。
《2》エイジングは地肌にも迫る
【頭皮老化】
頭皮&毛髪エイジングの一因は毛穴の中と、頭皮コラーゲンにアリ!
「頭皮のエイジングをじかに感じるのが毛髪の変化。では頭皮老化ってなんだろうと突き詰めて発見したのが、毛包幹細胞の減少と、頭皮のコラーゲンの減少でした。毛包幹細胞は自分自身を維持するためにデコリンというタンパク質をつくりますが、年齢とともにその発生が減少。発毛しにくい状態に。また頭皮に存在する14型コラーゲンの減少も見られ、うねり毛につながります。このような現象にアプローチすることが大切!栄養を地肌へ届けるための血流促進のお手入れは、今もこれからも重要なポイントに」(山田さん)
〈資料提供:メナード 引用:Journal of Dermatology Vol.45 No.12(2018)〉
毛包幹細胞はデコリンというタンパク質を自身でつくる。30代で存在していたデコリン(写真左の赤い部分、緑は幹細胞)が、50代ではかなり減少している(右)。
《3》皮脂減少&白髪染めも要因に
【フケ・かゆみ・乾燥】
エクラ世代は乾燥によるフケ&かゆみが急増
「フケの原因は2タイプ。自分の皮脂で炎症を起こす脂漏性皮膚炎。そして乾燥によるバリア機能の低下で、炎症、角化異常が起こる状態。白髪によるカラーリング頻度が増えるアラフィーは、後者が多い傾向に。また、炎症に伴いかゆみが発生することも。乾燥肌、オイリー肌など、もともとの肌質も影響しますが、食生活やストレスなどの後天的なライフスタイルも大きくかかわります。表面的な部分だけを見直すのではなく、エクラ世代は内的要因の解消など、複合的な見極めが大切です」(髙瀬先生)
〈資料提供:カネボウ化粧品〉
乾燥による角化異常などで角質がたまっている状態(左)。