上質かつ適度な“押し感”のある靴選びに定評のあるスタイリスト・戸野塚かおるさん。シンプル服でも見違える「いい靴」を誰よりも知る彼女に、この春の新作を例に、靴から始まるおしゃれについて教えていただきました。
悪目立ちさせず、品格を上げるのが靴選びの正解
男性にとっての時計や車に近い感覚でしょうか。単にハイクラスな靴を履いていれば上品かというと必ずしもそうではありません。もちろん美しい靴を履いたときの高揚感や、自信を後押ししてくれるそのスペシャル感は女性を潤わせてくれる美容液のようなもの。とても大切です。ところが、それだけに頼って、これ見よがしに靴を履いてしまったり、薄汚れていたり、サイズが合っていなかったりすると、逆に悪目立ちしてしまって、途端に残念なことに。
上質な靴をTPOに合わせながら自分のものとして美しく履きこなすことができる。それこそが真なるエレガンスなのです。そのことを、どうぞ心にとどめておいてくださいね。
この春の装いのイメージに合う靴をピックアップ。新作ばかりではなく、定番を改めて見直すのもマダム戸野塚流。
①50代におすすめ!2020春の靴トレンド最新ニュース
マダム戸野塚発!春シューズのトレンド情報をお届け。インスタでも熱いパリ発の注目靴から、芸術品のように美しいバレエシューズ、春ファッションとの合わせ方まで、知っておきたい情報をピックアップしました。
【トレンド-1】
春はパイソン柄を一足! 合わせやすさも抜群よ
セレクトショップの展示会で数多く目にしたパイソン柄。なかでも人気なのは『ジョゼフ』! パイソンはグレーからホワイトまでの色幅をもつ柄。ハードに見えてとても合わせやすいはず。
甲を深く包み込みながら、ポインテッドトゥですっきりと見える大人向けデザイン。一見パンチの効いたパイソン柄も、抜け感のあるスリングバックだから、軽やかで小じゃれた印象に。
【トレンド-2】
若い子ブランドにも、おしゃれのヒントが
ロックなイメージのドクターマーチン。定番タッセルローファーは、レザーの光沢感とゴツッと強めな存在感が◎。ローファーがトレンドの春、周囲と差をつけるならこれ!
象徴的な黄色のステッチ、スムースレザーのアッパーにボリューミーなタッセルと厚めなラバーソール。少しやんちゃな足もとが大人の装いを活性化。
【トレンド-3】
ハイクのコラボ靴はショーで見てひと目惚れ!
ランウェイで見て目が釘付けに。「春はレザーの白い靴を履きたい」と感化されました。実際に履くと、ショートブーツ感覚でバランスよく装いになじむのもいいんです。
靴に一家言あるおしゃれ上級者にファンの多い、ビューティフルシューズとハイクのコラボレーションが生んだ一足。直線と曲線が生む美しい存在感が魅力。
【トレンド-4】
靴で魅せるおしゃれはやっぱりヴィクトリアがお上手
セレブリティは、靴で装いを格上げするのがとっても上手。ヴィクトリア・ベッカムはカラーパンプスで装いを味つけする天才! この大胆さも時には参考にしたいものです。
【トレンド-5】
インスタでも熱い! パリ発の注目株がこちら
ファッション関係者やモデルのインスタに続々とアップされているキュートなフラット靴は、仏ブランド“シャテル”のもの。才色兼備な一足は、春の装いのポイント使いにも有効でおすすめ。
全国各地で展開されるポップアップショップではタッセルのカラーをチョイスするなどカスタマイズが楽しめる。詳細はこちら。https://3rd-culture.com/
【トレンド-6】
バッグだけでなく、バレエシューズも美しい!
アライアといえば、カットレザーのバッグを想像するかたも多いのでは? でも実は靴もとってもおしゃれ。まるで芸術作品のような美しい靴の魅力も、ぜひ味わってください。
繊細なレザーカットを大胆に全面にあしらったバレエシューズ。上品な色み、スカラップのエッジやディテールへのこだわりも見事。
【トレンド-7】
ファンデーション色の靴は、迷ったときの救世主
イメージは素肌より2〜3トーン濃い色。ファンデーションのように素肌になじむので、色合わせがむずかしい春色のプリント柄のなじませ役に最適。うれしい脚長効果も!
〈右から〉靴(5)¥39,000/エストネーション(ブレンタ) 靴(1)¥52,000/アマン(ぺリーコ)
②ハイブランドからセレクト!2020春の新作靴
「大人にとって、上質な靴はまるでジュエリーのように働きかけてくれる」と語る、スタイリスト・戸野塚かおるさん。ハイブランドから届いたばかりの新作から、春の装いを美しく飾ってくれる名品をセレクト。
1.BOTTEGA VENETA
流線的なカーブヒールと、足もとをすっきりと見せるアーモンドシェイプトゥに特徴のある「アーモンド」のシリーズ。リアルに履きこなせる機能的な美しさも人気の秘密。
2.Saint Laurent
コバがなく優しげなデザイン、丸紐にパテント素材と、女性らしい要素で構成されたレースアップシューズ。テイラードジャケットをはおったモノトーンのデニムスタイルの足もとに加えれば、それだけでシック。
3.DIOR
4.CELINE
伝統的なローファーの製法と構造ながら、レザーのつやめきと、細身のアッパーがスタイリッシュな印象に。手で縫いつけられたゴールドのトリオンフエンブレムが控えめなインパクトを添えて。
5.Hermès
〈右上から時計回り〉トーン・オン・トーンのフリンジと、シルバーに輝く「H」はパラディウム仕上げのメタルパーツ。春から夏にかけて、足もとから装いをノーブルかつ上品な印象に。
6.VALENTINO
リラクシングなムードのマリンテイストのニットに、ネイビーパンツ。ボーダーの赤を足もとにもさして、こなれ感いっぱいのトリコロールスタイルに。
③50代が頼れる!信頼ブランドからの厳選靴6選
「足もとこそが装いのエッセンスになる」を実践するスタイリングが人気のスタイリスト・戸野塚かおるさん。ブランドから届いたばかりの新作から、この春、大人が頼れる“It”靴を教えてもらいました。今、目をつけておくべき戸野塚かおるさんのレコメンデーションとともにお届けします。
1.Sergio Rossi
デニム素材で鮮度もこなれ感もアップ
デニムのカジュアルな素材感と切りっぱなしにしたかのようなフリンジがとても新鮮! 女性的でエレガントなフォルムとのミスマッチ感に、思わず心奪われました。デニムならではの軽やかさもあるので、いつものスタイリングに加えるだけで一気に春を呼び込んでくれそう!
2.MANOLO BLAHNIK
マニキュア感覚で履ける、大人の赤
カラーパンプスの中でも、私は特に赤が好きです。そういうと驚かれるのですが、マニキュア感覚で取り入れられるから。特にスリングバックなら、つま先にちょこっとというイメージにぴったり。光を吸い込むマットなスエードなら、よりトライしやすいと思いますよ。
3.Roger Vivier
上品さを体現した最愛ブランドの新作
愛してやまないベルヴィヴィエに、新たなるお気に入りを見つけました。スエードの洗練されたグレージュカラーと、べっ甲の柔らかい雰囲気が絶妙です。存在感は控えめで決して強くないのですが、女性らしさがそこはかとなく匂いたつたたずまいに。これぞノーブル!
4.TOD’S
匠の技が光るエレガントな一足
この靴の魅力は、女性の美しさを上品に引き立ててくれるところです。張り出したコバにあしらわれた白いステッチが上品なアクセントになっていて、旬のスリングバックのデザインとカーブの効いたヒールもポイントに。媚(こ)びることのない知的な女性像が重なります。
5.RENE CAOVILLA
控えめながら、やっぱりゴージャス!
レッドカーペットを歩く女優をはじめ、セレブリティにファンの多いレネカオヴィラ。まるでアートピースのような美しい靴をつくるこのブランドで、フラット靴を発見! パテントの上品なベージュにベビーパールが配された一足は、まるでジュエリーのようで思わずうっとり。
6.JIMMY CHOO
フラットでもセクシーな黒パンプス
黒のパンプスだと一気に無難になってしまうのですが、メッシュとレザーのコンビネーションの黒はとってもシック。シアーなストッキングをはくように少しだけセクシーな要素も。アシンメトリーなフロントデザインもエッジーで、履いたときの美しさはひときわ。
④靴でこんなに変化する!コーデ実例集
黒のトレンチに白のTシャツとタイトスカートのごくシンプルな薄味コーデを、スタイリスト・戸野塚かおるさん流の靴チョイスでイメージチェンジ! コーデをぐっと洗練見えさせる、足もとのエッセンスをきかせ方をご紹介。
足もと=靴は、個性が宿るパーツ! 全身の印象は靴で簡単に変えられます
ベースとってもシンプルなコーディネート。わかりやすく説明するために、引き算しながら、うんと「薄味」にスタイリングしました。この可もなく不可もない普通の装いにポイントのあるスパイシーな靴を投入するだけで、全身の印象がまったく別のものになるんです。“ちょっと違うな”とうならせることができるのも「どんな靴を合わせたか」によるということを、ぜひ知ってもらいたいと思います。選んだ靴は三者三様。上質なフレッシュカラーのフラットパンプス、つややかなプレーンローファー、そして女性らしいコンビネーションのフラットタイプのスリングバックシューズです。足もとの靴が異なるだけで、同じコーデなのに印象が見事に変わります。さらにいうなら、装う人のキャラクターまでも、まったく別のものになる気がしませんか? そう。これこそが靴の威力。どんな靴を選んで履いているかに、その人の人となりや品格がしっかりと映し出されるのです。
ベースのコーデ
+上質なカラーシューズ
春にみずみずしい色を取り入れれば、それだけで人の目には心地よく映ります。フラットシューズならではのカジュアル感、そして、光を吸い込むスエードのマットな素材感のおかげで、イエローでも決して悪目立ちしません。装いが一気に明るくフレッシュに。
+ツヤのあるローファー
トレンチコートとローファーという王道アイテムのかけ合わせですが、ガンメタのつやめくパテントがスペシャル感を加えてくれるんです。幼さもなく、決して“守り”にはならないローファー。だから知的でありながら、とってもシック。装いをぐんと洗練させてくれます。
+女らしいコンビネーション
シアーなマテリアル、エッジーな配色、そしてクリーンな白の存在感。後ろ姿まで美しいスリングバックシューズは、コーディネートの鮮度さえも上げてくれるパワーのある存在感が魅力的。薄味コーデをここまで上品かつ女性らしい印象に仕上げてくれるんです!