富岡佳子さんの私的スタイルをベースにしたファッション企画。変わらない好きを大切にしながらも、時代の流れに合わせてしなやかに変化していく──。彼女がもつ高い美意識と感度から、ひと時も目が離せない!2022年という新しい年を迎える今、富岡さんのおしゃれフィロソフィーはどう進化しているのだろう。
①クラス感のあるスニーカー
着こなしの出発点は足もとから。
軸があると、すべてのバランスが決まります
今の私にとっては、“足もとの心地よさ”が、最もゆずれないおしゃれのポイントです。なのでほぼ毎日が、スニーカーかフラット靴。ブーツ級のパワーをもつスニーカーなら、大人としてのクラス感を保てると感じています。足もとがカジュアルなぶん、パンツならセンタープレス入りなどのきれいめを選ぶことできちんと感をキープ。“カジュアルときれいめのバランス”は、私にとって、永遠のおしゃれフィロソフィーなのです。
ハイブランド発の最新スニーカーは、足もとにブーツと同等の威力を添えるベストチョイスのひとつ。「シンプルなニットにセンタープレスパンツを合わせたこのコーディネートは、ふだんの日のバランスです。もっときちんと感が必要なシーンでは、シャツやワンピースなどを合わせたりして、カジュアル感ときちんと感の全身バランスを調整します」。
COAT:DIOR
KNIT:AURALEE
PANTS:JIL SANDER
EARRINGS:SOPHIE BUHAI
EAR CUFF:Gabriela Artigas
STOLE:HERMÈS
BAG:LOEWE
SHOES:DIOR
②黒のレザーパンツ
最愛のスタンダード服を年相応に着たい。 それにはどこかにパンチが必要です。
流行にかかわりなく、オールブラックコーデが大好きです。黒の着こなしを単調に見せないために素材を重ねるという意味で、レザーのパンツは私にとって昔から欠かせないアイテムでした。そのレザーパンツの必要性が、年々、増しています。シンプルなニットやシャツなどのスタンダードな服にアクセントを加えてくれるアイテムとして、レザーのパンツは最適です。アラフィー世代のおしゃれには、こういったそれぞれの好みに合った少しのパンチが大切なのではないかと思います。
スニーカーやフラット靴に合わせる前提で、すそを九分丈にカットしたクロムハーツのレザーパンツ。「実はたまたまこのパンツをはいている素敵な女性を街でお見かけして。もしかしたらクロムハーツかな?って思いつき、お店に見にいったんです。いつだって黒のレザーパンツを探し求めているから、アンテナに引っかかってくれたのかもしれません」。
KNIT:L’Appartement
T-SHIRT:AURALEE
PANTS:CHROME HEARTS
EARRINGS:HERMÈS
BRACELET:HERMÈS
STOLE:ALONPI
BAG:Bottega Veneta
SHOES:JIL SANDER
③ゴールドジュエリー
必要なものを見極めたことで、 ゴールドジュエリーという相棒を、手に入れました。
収納に場所をとらないジュエリーは、整理するのを見送りがちに。昨年、引っ越しを機に、思いきって必要なものだけ残して処分しました。物理的にも気分的にも余白ができたからでしょうか、新しいジュエリーに気持ちが向かい、カルティエのブレスレットとポメラートのリングを購入。どちらも私の年齢に見合った存在感のあるゴールドです。手放すことで見えてくるものがあるということを、改めて感じました。
「カルティエのジュスト アン クルはずっと気になっていたジュエリーのひとつ。手に入れるという行動にいたれたのは取捨選択のおかげ」。ポメラートのリングは人さし指に合うサイズに。「人さし指って自分の目に触れやすいんです。薬指のサイズにするか迷ったのですが、自分自身の気分を上げたいなと思って、最終的にこの指に決めました」。
BLOUSE:BLAMINK
RING[RIGHT INDEX FINGER]:Pomellato
RING[LITTLE FINGER]:kiuna
RING[LEFT BOTH FINGERS]:Hirotaka
BANGLE:Cartier
WATCH:Cartier
④きれい色のワントーンコーデ
好きを大切にしつつも、気持ちの変化に目を向けています。
以前だったら私のおしゃれの選択肢にはなかったきれい色のワントーン。上下イエローのコーディネートなんて、すごく新しい冒険です。いつもとまったく違う着こなしをして出かけると、会う人会う人から思った以上の反応が返ってくるんです。前の私だったらその反応に不安になっていたと思うのですが、今はおもしろがれるんですね。「自分がよければいいや」みたいな部分も出てきたみたいです(笑)。といいつつ、黒の靴とパールでコンサバ感を入れるのも忘れません。
「カジュアルときれいめと同様に、冒険とコンサバのバランス感は、私にとってはとても大切なおしゃれのセオリーです」。イエローのセーターとニットパンツはカシミヤ混の上質素材。着慣れたクルーネックやシンプルデザインがベースゆえ、きれい色にも手をのばせる。着こなしだけでなくアイテム自体のチョイスにも、冒険とコンサバが同居している。
KNIT:AURALEE
PANTS:AURALEE
EARRINGS:DIOR
NECKLACE:MIKIMOTO
BAG:Bottega Veneta
SHOES:JIL SANDER
⑤アウトドアブランドのウエア
家時間は気分が落ちないように。 今はアウトドアブランドがしっくりきています。
コロナ禍にあって、気分を上げてくれるシーンや機会が激変しました。せめて、気分を“落とさない”ように生活したい。特におうちで過ごす時間のファッションは、それを意識するようになりました。アウトドアブランドのウエアは、今の気分にぴったりと寄り添ってくれる服。気持ちがアクティブになりますし、そのままウォーキングにだって行けちゃう。冬用の暖かいアイテムも豊富なので、今の時期にもおすすめです。
「夫婦で、ノースフェイスのフリースを10年以上、愛用しています。耐久性が高いという点も、アウトドアブランドの服が好きな理由のひとつです。先日、冬用のパンツをショップに買いにいったのですが、前のめりすぎたのか、まだ入荷前でした(笑)」。原宿に4軒並ぶノースフェイスのお店の中で、向かって左から2軒目と4軒目を頻繁にチェックするそう。
JACKET:THE NORTH FACE
T-SHIRT:THE NORTH FACE
PANTS:THE NORTH FACE
GLASSES:EYEVAN 7285
EARRINGS:SOPHIE BUHAI
SOCKS:icebreaker
⑥きれいめコート
ワンマイルスタイルにこそ、その人らしさが表れます。 ラフさの中にもきちんと感は絶対。
コートというアイテムを、とても大切にしています。服をたくさん買うタイプではない私ですが、コートだけはたいてい、毎シーズンに一着は新調します。だって、コートがもつ力は偉大! スウェットスタイルにサッとはおっただけで、様になってしまう。特別なおしゃれをしてお出かけすることが減ってしまった今、ワンマイルスタイルにこそ、自分らしさを移行してみてはどうでしょう?
カジュアルな服とのバランスを考えて、コート自体はきれいめを選ぶのが富岡流。「コートと同様、バッグもきれいめが好きです。スニーカーやフラット靴などの心地よい足もとがゆずれないぶん、バッグまでカジュアルなナイロンや布を選んでしまってはバランスがとれない。多少重くても、きちんと感が備わったレザーのバッグを持つようにしています」。
COAT:DIOR
KNIT:L’Appartement
PANTS:Sporty& Rich
EARRINGS:TIFFANY & Co.
BAG:TOD’S
SHOES:DIOR
⑦ヘアスタイルは一期一会
同じ髪型になったことはありません。
ピンクのハイライトに合わせて富岡さんがチョイスしたのは、ラベンダーのシンプルニット。「ヘアスタイルと同じで、結局おしゃれだって、一期一会なんじゃないかなって思うんです。同じコーディネートをしたとしても、前回と同じ仕上がりになることはない。時代も、服を着る自分も、日々変わり進化しているから。その感覚を大切にしていきたいと思っています」。
KNIT:Maria Mcmanus
PANTS:JIL SANDER+
EARRINGS:DIOR
BRACELET:HERMÈS
SHOES:TOD’S
⑧富岡佳子さんからのメッセージ
私の提案がきっかけとなって、 前向きな動力が生まれたら、とてもうれしいです。
こうして半年に一度、私自身のおしゃれのセオリーをベースにしたテーマをさせていただいていることが、私にとって、貴重な時間になっています。
毎回変わらず思っているのは、私が提案する具体的なスタイルに共感するかたばかりじゃなくてもいいということ。スニーカーを履かなくても、レザーパンツが好きじゃなくても、ゴールドジュエリーをつけなくても、それでいいと思っているんです。目ざしているのは、私の提案がきっかけとなって、おしゃれを楽しみたいと思う、前向きな“動力”が生まれたらいいなということ。
誰もがおしゃれのヒントを見つけたとき、顔がパッと明るくなるでしょ。その瞬間を見るのが本当に楽しい! 目標を手にするためにがんばろうって思っている姿が尊いなって思うんです。
それぞれが満足する着地点に到着できたら一番ハッピー! そう願って、このページをお届けしています。
そして私自身も、皆さんと一緒におしゃれを楽しむことを通して、これからもちょっとした発見や変化を見つけていきたいなと思っています。
富岡さんが毎年、一着は新調するというコート。軽いメルトン素材とピンクの折り返し袖が特徴的なドリス ヴァン ノッテンのハーフコートが今シーズンの新顔。はおるだけで気分とクラス感を上げてくれる上質なコートは、いつだってエクラ世代の味方。
COAT:Dries Van Noten
KNIT:COCUCA
PANTS:AURALEE
RING:Pomellato
BAG:DIOR
SHOES:HERMÈS
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