エクラ世代の理想の夫婦、八嶋智人・宮下今日子夫妻。意外にもふたりそろっての取材や出演はほぼなかったという宮下さん、八嶋さん。その関係を"教祖”と"信者”と語る、まさに「婦唱夫随」なプライベートの出会いから、日常・非日常の服にまつわるエピソードまでをうかがう。
円満の秘訣はここにあり! ふたりが語る「婦唱夫随の形」
愛ある妻のプロデュースで着こなしも楽しめるように
八嶋 出会いは’98年の野田秀樹さんの舞台。若い役者が30人くらい出演し、彼女は大学生で最年少。5歳年上の僕は先輩風をビュービュー吹かせていました。
その後、30歳を目前に八嶋さんは「大人の男はひとりで飲める行きつけの店をもたないと」と当時、宮下さんが働いていた新宿のバーに通うように。そんな流れを経て’02年に結婚したおふたり。出会ったころとはすっかり立場が逆転し、八嶋さんは服選びもコーディネートも、レストランで注文する料理までも、宮下さんにすべてお任せしているのだとか。
八嶋 教祖と信者の関係ですね(笑)。
聞けば宮下さんは昔から大の洋服好き。大学では被服学を学んだという。
宮下 今も毎月、女性ファッション誌からメンズ誌までパトロールしています。
八嶋 そんな彼女がコーディネートしてくれた、僕からしたらちょっと難易度高めの服を撮影現場に着ていくと、おしゃれな俳優さんたちが「八嶋さんっておしゃれね」とか「その服かわいい」とほめてくださる。気分よく帰宅することが増えまして、いろいろな服を着ることに抵抗がなくなりました。
結婚してから、行く場所によって着替えるという習慣も。
宮下 昔は「ジャージーで行ける場所にしか行きたくない」といっていましたから。
TPOにより着替えることにも少しずつ慣れ、今ではむしろそれを楽しめるようになったという八嶋さん。宮下さんは着脱のしやすさを前提に、明るい色や柄物も取り入れて、服選びをしているそう。
八嶋 彼女に洋服や着こなしについて教えてもらったおかげで、お祝い事などでも失礼なく装えるように。弁護士や医者の役でスーツを着るときも、着慣れた感じが出せるようになりました。
息子さんが成長し、最近は夫婦で食事や観劇に出かける機会も増えてきた。
八嶋 必ず何を着れば?と聞きます。たまに「選んでごらん」と泳がされたり。
宮下 (笑)おそろいはイヤですが、ふたりで出かけるときはどこかをリンクさせて。どちらかがドレッシーすぎてもバランスが悪いですしね。芝居を見るときは目立ちすぎない装いに。ヒールのある靴を履き、一番ドレスアップするのは大好きなバレエを見にいくときかな。劇場を訪れる人のファッションを見るのが大好きです。
記念日には、おしゃれをして、ふたりでランチを楽しむのも今のおふたりの楽しみ。
宮下 最近はディナーのフルコースが重く感じられ、ランチくらいがいいねと。今年の誕生日は、私が袖にボリュームのある白いトップスを着て、彼は白いTシャツに黒いジャケットという装いでした。東京だとドレスアップして電車に乗るのがちょっと気恥ずかしいけれど、旅先のディナーでは思いきりドレスアップしたくなります。旅も大好きなので。
八嶋 以前、タイのリゾートホテルのレストランで、胸もとを大きく開けたピンクのシャツに白いパンツ姿の60代くらいの男性がいて、すごくかっこよかったんです。背格好も僕と同じくらいで。あんなふうに歳を重ねたいと思いました。旅先には、たとえリゾートでもジャケットを持っていくとか、気の張る場所を訪れるときは靴と時計はいいものを、なんてこともすべて彼女に教えてもらいました。
ピンクゴールドでリンクさせたさりげないペア感が円熟世代の夫婦にふさわしい。時計〈上から〉「ライムライト ガラ」(26㎜径、PG×D、クオーツ)¥5,720,000・「アルティプラノ オリジン」(40㎜径、PG、アリゲーターストラップ、自動巻き)¥4,180,000/ピアジェ コンタクトセンター(ピアジェ)
結婚前は、ふだん着もお出かけ着もほぼジャージーだったという八嶋さん。「今日子さんと結婚して、ファッションとはなんたるかを学びました(笑)」。
メゾンのアイコニックな金細工の透かし彫り技法を手仕事で施したジュエリー。宮下さんも撮影時にひと目惚れしたリングは、ひし形に象ったダイヤモンドを繰り返し連ねることで、ペルシャ絨毯の幾何学模様を表現した凝ったデザイン。落ち着いた大人だからこそつけこなせる逸品だ。リング「ロンビ」(YG×WG×D)¥2,255,000/ブチェラッティ ピアス・ペンダント・シャツ/写真2枚目と同じ
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構成・原文/大野智子 撮影協力/ブルーノート東京 ※略号は次のとおり。YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、D=ダイヤモンド ※エクラ2026年1月号掲載