偶然の出会いから始まったご縁。世界のメゾンが注目する和歌山のテキスタイルメーカー「A-GIRL’S」を見学させていただきました。
偶然の出会いから始まったご縁で、世界のメゾンが注目する和歌山のニットテキスタイルメーカー「A-GIRL’S(エイガールズ)」を見学させていただきました。
入り口はどこなの!?さまよいながら、エイガールズの世界観が、始まっているような感覚に
実はこのご縁、昨年末のホテルのロビーでの出来事がきっかけ。
勤務先の忘年会までの待ち時間をぼんやり過ごしていた私に、ひとりの女性が声をかけてくださいました。
「三田会に参加される方ですか?」
その方は、慶應の三田会(卒業生による同窓会)に出席されるそうで、私のことも参加者と勘違いされたご様子。
そんな嬉しいひと言から始まった会話は、自然とファッションの話に。
その流れで、「ぜひお会いしてほしい方がいるの」とご紹介いただいたのが
A-GIRL’Sの会長である山下雅生さんでした。
受付が見えない(笑) どこが入り口!?あるのはいくつかのインターホンのみ。意を決して押してみます!
首元にさらりと巻かれた赤いストールが印象的で、
背筋がピンと伸びた姿に、80代とは思えない若々しさと洗練さが漂っていました。
聞けば、世界の名だたるブランドに生地を提供しているテキスタイルメーカーの会長さん。
和歌山に、そんなすごい会社があったなんて——
生まれ育った土地なのに、和歌山から世界に向けて頑張っている会社があるんだ!
誇らしく思ったのを覚えています。
そんなご縁からしばらくして、念願のファクトリー見学が実現しました。
扉の向こうには、光のオブジェ。受付をあえておかないそう。アートギャラリーに迷い混んだようです。
そんなご縁からしばらくして、念願のファクトリー見学が実現。
訪れたのは、和歌山市三葛(みかづら)にあるA-GIRL’Sの本社です。
到着してまず驚いたのは、その建物の洗練された雰囲気。
一見すると、アートギャラリーのような外観で、
大きな窓とコンクリートの壁、そして丁寧に手入れされた植栽が美しく調和しています。
こちらは、京都の設計士さんの作品とのこと。
光と緑と白い空間に、存在感のあるオブジェのようなテーブル、植物がひとつのアートのように存在しています。
光の入り方や素材の置き方にまでセンスがあふれていました。
それでいて、決して“気取っていない”のがA-GIRL’Sらしさ。
スタッフの方々もみなさんとてもあたたかくて、初めて訪れたとは思えないくらい、心がほっとする空間。
A-GIRL’Sのテキスタイルがずらっと並んでいます
「原綿」と言われる、糸の原料。驚きの柔らかさと空気を含んだ優しい触り心地。
アフリカから取り寄せたという大きな木材が印象的な、オリジナルで制作されたテーブルが目を引きます
どこを切り取っても絵になる。一続きのフロアが解放感たっぷりで、どんな商材があるのかわくわくさせる仕組みを垣間見ました。
このエイガールズを世界へと押し上げた大きな転機は、パリで年に二回開かれる世界のテキスタイルメーカーが一堂に会する「Première Vision(プルミエール・ヴィジョン)」。
この展示会は、世界中のデザイナーやバイヤーが集まる、まさに「生地の祭典」。
なんといっても2017年の「PVアワード」ファブリック部門でのグランプリ受賞。
世界の名だたるメゾンが集うテキスタイルの祭典で、和歌山発の生地が最高評価を受けたという事実は、本当に誇らしく、胸が熱くなるお話でした。
技術的に非常に興味深いプルミエール・ヴィジョン2017年グランプリ受賞生地(クオーターゲージニット)
外側は、サラリとした手触りにざっくりとした編み目。
その隙間からふんわりと見える、淡いパープルがなんとも上品。
裏面は一転、しっとりとやわらかく、肌にすっとなじむ心地よさ。
ひとつの生地に異なる質感が同居していることに、ただただ感動。
通常は生産性を上げるために10本の糸で編み上げるところを、たった2本の糸でゆっくり編み上げることで、編み込むときにふわりと空気を含み、出来上がった生地はまったく触り心地が違ってくるんだとか!!
ただ、身に着けるお洋服に沢山の人の思いと、技術が詰め込まれていると思うと
その服を「着る」という行為そのものが、なんだか特別なものに感じられます。
世界最高峰のテキスタイル見本市“Premiere Vision”にて2017年には世界一のテキスタイルの栄冠、PVアワードグランプリを受賞
ファッション界にあって、長らくその発展に寄与し、功績のあった人に贈られる、毎日ファッション大賞・鯨岡阿美子賞受賞
まさに!「世界一のニット。」
ブランド名を出せないのが残念ですが、今ではA-GIRL’Sの生地は、誰もが知る名だたる一流メゾンにも採用されているそう。
世界の舞台で、その品質と美しさが選ばれているという事実に、とっても誇らしい気持ちになりました。
アーカイブ。「このメーカーも?」「このブランドも?」もう驚きの連続
触るだけで優しさが伝わるニットに、きれいな折柄
素材感が大好きなこのメーカーもあのメーカーも
中でも一番ワクワクしたのが、これまでA-GIRL’Sが携わってきたお洋服のアーカイブスペース。
国内外のブランドで実際に採用された生地たちが、洋服というかたちになってずらりと並んでいて、まるでミニミュージアムのよう。
ギャラリー空間も素敵
ショールームには、和歌山ニットプロジェクトの製品がずらり
難易度の高い柄や風合いの表現も職人の技!プリントかと思いきや、織り柄☆思わず購入してしまいました。
そこに並ぶのは、「ATON」や「Theory」といったシンプルでありながら他にはない存在感を放つブランドや、
「ミナ ペルホネン」、「TOMORROWLAND」、「CABaN」、「mastermind」など──
どれも“上質”をまっすぐに届けてくれるエクラ世代にはドンピシャな名だたるブランドばかり。
その生地の多くが、ここ和歌山で生まれていたなんて。
伺った日には、もちろんA-GIRL’Sの生地が使用されている「ATON」の上質シンプルなワンピースで
ピアス:Tasaki
ネックレス:Artisan PJ
バッグ:52BY HIKARUMATSUMURA
シューズ:SSENCE
実は私のワードローブにも、A-GIRL’Sの生地を使ったお洋服がいくつもあります。
もしかすると、皆さんのクローゼットにも“メイド・イン・和歌山”が、そっと並んでいるかもしれません。
そんなご縁を感じながら、この日は普段から愛用しているATONのワンピースを着て伺いました。
薄手なのにハリがあり、ハリがあるのに柔らかい。
シンプルだけれど一枚でサマになって、長時間着ていても型崩れしないこのワンピースは、私の信頼アイテムのひとつです。
コットンワンピースがカジュアルになりすぎないのは程よい光沢と質感から。アクセサリーはパールでまとめました。
長らく愛用しているATONのTシャツ 皆さんのワードローブにもメイドイン和歌山が潜んでいるはず!!
山下会長は、和歌山のこれからを本気で考えておられる方。
これまでどちらかというと閉鎖的だったという和歌山のニット業界のなかで、
いわば“ライバル同士”の企業をつなぎ、みんなで産地を守ろうという活動もされているそう。
それでいて、視野はしっかり世界へ。
時代の流れや海外の空気を読みながら、新しいことに挑戦されている姿はとても刺激的で、
お話を伺っているだけで、こちらまで背筋が伸びるような思いに。
そして何より、地元・和歌山や、そこに暮らす人たちをとても大切にされているのが、
言葉のひとつひとつから伝わってくる心から尊敬したいと思える素敵な方でした。
今回、どうしてもこの素晴らしいものづくりをブログでご紹介したくて、
私のほうから見学をお願いさせていただいたのですが、
その申し出を快く引き受けてくださった山下会長とA-GIRL’Sの社員の皆さまに、心から感謝しています。
最後までお付き合いいただき有難うございました!
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A-GIRL’Sのものづくり