痩せる食べ方のコツは食材の選び方と食べる時間。食事は1日3回、朝食でもタンパク質の摂取を!夕食は19時までが理想

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肥満の大きな原因のひとつである脂肪肝を解消するには「糖質少なめ」や「水溶性食物繊維が豊富」といった、食材の選択が重要になります。併せて、食べる時間やタイミング、回数などの「食べ方」もぜひ気をつけたいもの。そんな「脂肪肝を予防する食事法」について、カンゾウ君も登場して解説。

【教えていただいた方】

栗原毅さん
栗原毅さん

医学博士、栗原クリニック東京・日本橋院長。栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした、栗原クリニック東京・日本橋を開院。

こんにちは。

僕はあなたの右脇腹にいつもひっそりといるカンゾウ(=肝臓)です。僕に余分な脂肪が蓄積した状態、脂肪肝になると、痩せようとしてもなかなか痩せられません。

そこでダイエットに励む皆さんには、過剰摂取した糖質が中性脂肪になって、僕に蓄積しないよう、「糖質の多い主食を控えめに」したり、「糖質の吸収を抑える水溶性食物繊維」や「糖質の代謝をサポートするビタミンB1」を積極的に摂取したりするようおすすめしたいです。

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脂肪肝の予防・改善にも役立つ時間栄養学

そして、さらにプラスで実行していただきたいのが、食べ方の工夫。同じ食べ物でも、どの時間帯に、どう食べるかによって、体内での分解・吸収・働きが変わってくるからです。

美容や健康に意識の高い人たちの間では、こうした「いつ、何を食べるか」を科学する「時間栄養学」の考え方を取り入れた食事法が話題になっているようです。最近では「時間栄養学」の考え方に基づいて開発された健康食品が、全国のコンビニエンスストアで販売されています。

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[時間栄養学の視点を取り入れた食品のシリーズCycle.me。ヒトの体に備わっている体内時計に着目、何をどれだけ〝いつ〟とるのかという時間栄養学の視点から、商品を提案。パッケージに、おすすめの時間帯が時計のイラストで表示されている。たとえば写真左上の「プロテインクランチチョコ ミルク」はデイタイム(午後3時のマーク)に、その右下にある食物繊維が豊富な「おつまみスナック バター風味 さつまいも」はナイトタイム(午後10時のマーク)に。写真の商品のほかにもゼリーやお茶など豊富なラインナップが。]

肝臓の専門医であり、長年、脂肪肝などの肝臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病など生活習慣病の予防と治療を目的とした診療を長年続けている、栗原先生も、時間栄養学の考え方はとても重要だと言います。

 

それでは、「何を、いつ食べるか」を中心に、脂肪肝の予防・改善に有効な食べ方のコツを、栗原先生に教えていただきましょう。

 

食事は1日3回とりましょう。また朝食でもタンパク質の摂取を

カンゾウ君、そうなんです。

今、栄養学では「何を、いつ食べるか」によって、栄養の吸収や働きがどう変わるかについて、科学的に調べるという動きが盛んになっています。私自身も、「何を、いつ食べるか」をいつも意識していますよ。

 

また、古くからの言い伝えで、「食べてすぐ寝ると牛になる」と言って食後すぐの睡眠を注意する言葉があったりするので、昔の人も経験上、食事をとるタイミングや時間と、健康維持には深い関係があることを知っていたのだなと思います。

 

さて、肝臓に「余分な脂肪をためない」「たまった余分な脂肪を落とす」ための食事のとり方について解説していきましょう。

 

まずは食事の回数。私は1日に3回、糖質も含めた、栄養バランスのよい食事をとることをおすすめしています。なぜならば、食事と食事の間隔があきすぎると、体内が一時的に飢餓状態になり、次の食事で摂取した糖質や脂質を一気に吸収しようとしてしまうからです。

 

つまり、朝食を抜くと、昼食でとった糖質が急激に吸収されて血糖値が急上昇。脂肪の蓄積が促されてしまいます。2食続けて抜くと、その後の血糖値上昇はさらに急激になることも報告されています。

 

朝は食欲がないとか時間がないなどの理由から、「朝食をとらない」という人も多いかもしれませんが、朝、食事をすることで、1日の栄養代謝をスムーズにするスイッチが入り、体内時計のリズムが整います。少量でもよいので朝食をとるようにしましょう。

 

おにぎりやパンだけの朝食は、血糖値の急上昇につながるので、ゆで卵や納豆、チーズ、ヨーグルト、インスタント味噌汁などを常備しておき、タンパク質も一緒にとれるようにするのがおすすめです。

夕食は19時までに食べ終えるのが理想!

栄養バランスのよい食事を1日3回とることに加えて、意識したいのが、夕食の時間が遅くなりすぎないようにすることです。

 

その理由は、午後10時~午前2時は脂肪の合成を促す働きのある「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれるタンパク質が増える時間帯だからです。BMAL1が多いこの時間帯に食事をすると、同じ内容・量の食事であっても、昼間よりも太りやすくなります。

 

また、午後10時~午前2時は、代謝を促して脂肪を燃焼させる「成長ホルモン」が分泌される時間帯でもあります。この時間帯に胃の中に食べ物が残っていると、代謝を促す働きのある成長ホルモンが分泌されにくくなってしまうので要注意です。

 

理想は、夜の10時までに、夕食に食べたものの消化を終えられること。消化にかかる時間といわれるおよそ3時間から逆算すると、午後7時までに夕食をとり終えるのが理想といえます。午後7時までに食べ終えるというのは、かなり難しいかもしれませんが、これより遅めの時間に食事をとるのであれば、せめて、消化に負担のかかる脂質の多いものや、糖質たっぷりの丼物などは避けるようにしましょう。

もちろん、人とのつき合いもあるので、会食などで遅い時間に夕食という日もあるでしょう。こうしたことをすべてお断りして…というのは現実的に無理なので、そうは申しません。ただ、遅い時間の夕食が連日にならないようにしたいものです。会食などで遅い夕食をとる日があったら、翌日やその後何日かは、軽い食事を早めの時間帯にとるなどして、習慣化しないようにしましょう。

脂肪の合成されにくい食べ方は「よく嚙んで、ゆっくり!」

さて、脂肪をつきにくくするために絶対に避けたい「食べ方」が「早食い」です。忙しい人の中には、食事は5分、10分ですませる、という人も多いのではないでしょうか?

 

でも、それはNG。

 

痩せる食べ方のコツとして、私は「よく嚙んでゆっくり食べるようにしましょう」といつも言っています。でもそう言うと、「なんだ…、そんなことか」と思う人も多いようなのですが、実はこれが実践できていない人が本当に多いのです。

そして、頑張って実行してみたとき、初めてその効果の大きさを実感し、これがいかに重要なことなのかを理解するようです。

 

早食いをすると、あまりよく噛まずに食べ物をどんどん胃の中に流し込んでいくことになるので、血糖値は急上昇し、血糖値を下げようとするインスリンが大量に分泌され、どんどん余分な血糖が脂肪に作り替えられてしまいます。また、満腹感を得るためにはおよそ20分が必要といわれています。早食いをすると満腹感を感じる前に食べすぎてしまう可能性が大きいのです。

 

さらに、しっかりと噛んで食べるということは、全身の血流を促すことにもつながります。全身の血流がよくなると代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなり、消費カロリーが増えるというメリットもあります。また、消化酵素がしっかりと出るので、タンパク質など消化しにくい栄養も吸収しやすくなります。

 

ゆっくり食べるためにはまず「いつもより10回多く嚙む」ことから実践しましょう。できればひと口につき、30回嚙むよう意識してください。食事時間の目安としては朝食20分、昼食25分、夕食30分くらいと考えて。

 

今日からぜひ、毎日の食事で実践してみてください!

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イラスト/内藤しなこ 取材・文/瀬戸由美子
初出:OurAge 2023/11/17

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