新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」は高血糖に陥りやすい!? その健康への悪影響を、高血糖の原因と対処法とともに専門医の大西由希子先生にお聞きしました。
高血糖の危険度チェックリスト
糖尿病発症リスクにつながる要因をピックアップ。チェック数が多い人はすぐ見直しを。
近親者に糖尿病の人がいる
ここ一年で体重が2kg以上増えた
ごはんを食べた直後にも甘いものに手が出る
イライラしたとき甘いものでリラックスできる
食事回数が少なかったり、時間が大きくあく
運動不足を実感している
睡眠時間が短く、寝不足だ
喫煙している
加齢でリスクが増えるエクラ世代。自粛期間中は意識的に対策を!
食べすぎや運動不足。コロナ自粛の影響は大
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛生活によって外出機会が減り、昨年の健康診断を控えたエクラ読者もいるのでは。そんな今の状況に危機感をもっているのが、糖尿病専門医の大西由希子先生。
「ここ一年で体重が増えたという人はきっと多いはず。食べすぎや運動不足は肥満を招き、高血糖、ひいては糖尿病のリスクを高めます。無自覚のうちに糖尿病になり、その発見が遅れると、合併症がかなりすすんでしまうことも。まずは年1回の健康診断を必ず受けてください」
血中の糖が多い高血糖の状態になると、気づかないうちに血管がダメージを受けるのだという。
「3大合併症といわれる『糖尿病網膜症』『糖尿病神経障害』『糖尿病腎症』は、いずれも毛細血管の障害が原因です。それが太い血管で起きると脳梗塞や心筋梗塞につながります。高血糖の人は、がんや認知症のリスクも高い傾向にありますね」
今までが健康だとそんな大病とは無縁のようにも思えるが……。
「糖尿病の発症要因は大きく3つあります。ひとつは遺伝。糖尿病の近親者がいる人は、発症しやすい傾向にあります。もうひとつは加齢。上がりすぎた血糖値を下げる働きをするホルモン、インスリンを分泌する膵臓の機能が低下します。そして、3つ目は生活習慣に由来する肥満。内臓脂肪が蓄積するとインスリンの効きが悪くなることが知られています」
遺伝と加齢なんて避けようがない。
「はい、その3つの要因のうちで改善の余地があるのは肥満です。内臓脂肪は加齢によってもつきやすくなるので、活動的なエクラ世代のうちから対策を心がけてほしいですね。コロナ禍の今はなおさらです」
高血糖のリスク増には、50歳ごろに迎える閉経も何か影響が?
「加齢のリスクは男女共通で、閉経の影響はありません。『〇×をしている人には糖尿病が少ない』といった調査結果は多いのですが、その他の要素とのかけ合わせもあり、『〇×をすれば糖尿病にならない』とは言い切れないのが、この病気のむずかしいところです。糖を消費する筋肉が多いほどリスクは低いはずですが、女性より筋肉量の多い男性のほうが有病者は多いですから」
では、どんな対策が効果的?
「まずは食後血糖値の上昇をゆるやかにすること。食事の際はいきなり糖質摂取とならないよう注意してください。栄養面からも一日3食、野菜とメインもあるメニュー構成が理想的です。スムージーだけの朝食が実は血糖値をぐんと上げていた、ということのないように。食材は、濃縮・凝縮・精製されていないほうが血糖値を上げにくいです。そして適度な運動と7時間程度のいい睡眠をとること。次の記事も参考にして、高血糖の予防に努めてください」
30代~60代の男女の糖尿病リスク(%)
男女とも加齢によって血糖値が上がりやすくなり、糖尿病を発症する人が増える傾向にある。(厚生労働省『平成28年 国民健康・栄養調査』より)
高血糖になる原因とインスリンの関係
健康診断で示されるのは、空腹時血糖値とHbA1cの2つ。下表の細字が糖尿病確定ラインで、太字は糖尿病予備軍の数値。予備軍とはいえ、糖尿病の発症リスクは健康な人の6倍以上。加齢とともに高血糖になる要因としては、膵臓からのインスリン分泌量が減っているケースと、インスリンの効きが悪くなっているケースがある。
気をつけたい数値の目安
| 空腹時血糖値(mg/dl) | 126以上 |
| 100~109 | |
| HbA1c(%) | 6.5以上 |
| 5.6~5.9 |