更年期と直面する50代。アラフィー女性は体とどう向き合っている? 今回はタレント・渡辺満里奈さんにインタビュー。つらさやモヤモヤは言葉にして共有すれば乗り越えられる。渡辺さんの更年期ののりきり方を教えてもらった。
年齢を重ねるって、ネガティブなことばかりじゃない。気持ちを共有できる場と機会を支えにして
――タレント 渡辺満里奈さん
誰にも訪れる“砂漠”の季節。先輩たちがくれた勇気を胸に
アイドルとして脚光を浴びた10代、20代。それ以降もずっと、渡辺満里奈さんは今を生きるひとりの女性として、私たちに等身大の姿を見せてくれている。活動の幅を広げ、ライフイベントを経る中で、しなやかに、タフに変化する人。だからこそ、なのだろう。近年は、自身がさしかかった更年期についてもフランクに語り、発信している。きっかけになったのは’19年、ミュージシャンの野宮真貴さん、モデルの松本孝美さんとともに、「大人の女史会」を立ち上げたことだった。
「真貴さんのライブを孝美さんと見にいって、そのあとにお食事したとき、真貴さんが『女性ホルモン値を測ってもらったら、砂漠状態っていわれちゃったのよね!』ってあっけらかんとおっしゃったんです。私は当時、まだ40代で、10歳年上の真貴さん、5つ上の孝美さんのお話を聞いて『へぇ』『ほぉ』と思う立場でしたが、チャーミングに話される様子を見ていて、誰にもいつかはくる時期なんだ、そんなに暗く考えるようなことじゃないんだなと心強く思えて……。じゃあ、漠然と不安に思っている人や、渦中にいてつらいと感じている人に向けて楽しく情報発信をしていくといいんじゃない?と。プロジェクト名を考えたり、これからやりたいことを話し合ったりして、すごく盛り上がりました」
恐れるようなものではないはず。そう心構えをして、コロナ禍真っただ中に迎えた50代。渡辺さんの体にも、静かに変化の波がやってきた。
せき込む不安、無気力……家族の理解に支えられて
「まず、皮膚から髪の毛まで、あらゆる場所に乾燥を感じるようになりました。私の場合、特に感じたのは口の中。ラジオの生放送の最中は、乾燥でせきが止まらなくなったらどうしよう?といつも緊張します。ホットフラッシュまではいかなくても、ほてるような感覚もあって、気がつくと家の中で私だけ半袖だったり。それと、謎の痛み!
ももの横のあたりがなぜか痛んだ時期があって、病院に行って検査しても何も見つからず、先生がいいにくそうに『やはり年齢的に……』と(笑)。それまで感じなかった気圧の変化にも妙に敏感になって、天気によって頭が痛い、体が重いと感じるようになりました」
体の不調は、心にもさざ波を立てる。
「不機嫌になる、というほどではないですが、ときどき何もしたくない、やる気がまったく出ないというときはありますね。うちの家族は比較的寛容で、私がだるくて寝ていると『ママ、いいよ、寝てなよ』といってくれますが、家事や仕事が滞って周囲から責められたりする状況も、きっとまだまだ普通に起こっているんじゃないかな」
フルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジ。渡辺さんは自身に起こっている変化を、そうとらえている。「ガラッと変わるわけではないけれど、こうして少しずつのマイナーチェンジをこの先も繰り返して……年齢を重ねるって、そういうことなんでしょうね」
「体のあらゆる部分が乾燥したり、謎のせきや痛みにおそわれたり……年をとるって、体の“マイナーチェンジ”の繰り返しなんですね」
「こうでなきゃ」より自分の満足を優先
避けられないなら、なるべく心地よく、ほがらかに。「元来、楽観的」であるという渡辺さんは、前向きにとらえ、日々、できることを実践している。「少し前からメディカルアロマテラピーを勉強して、のどや鼻にいい香り、痛みがあるときにリラックスする香りなどを、対症療法として。体の内部の“冷え”には、ゆっくり半身浴。あとは、歌うことですね。’19年のデビュー30周年ライブに向けて久々にボーカルレッスンをしたんですが、全身を使って歌うのってアンチエイジングなんだ!と実感して。車の中で音楽をかけて思いっきり歌ったりしています」
そして、YouTubeのトレーニング動画を流しながらグループLINE通話で行う「宅トレ」も、毎日の日課に。
「コロナ禍でジムに行けなくなったころから、『じゃ、やる?』と声をかけ合って。ひとりだとなかなか続かないけれど、仲間がいるのがいいんですよね。孤独じゃないなって思えるのが」
共有すれば、乗り越えられる――それは、更年期の入口に教わったこと。だから、家族とも周囲とも、語り合う機会を絶やさないよう心がけている。
「自分ひとりで考えていたことを言葉にしてアウトプットした瞬間、『だからモヤモヤしてたんだ』とわかることもあるし、誰かからのレスポンスで気づくこともありますよね。だから、これからもどんどん発信して、女性ホルモンの砂漠を“緑化”していけたらな、と(笑)。年齢を重ねることって決してネガティブなことばかりじゃなくて、若いころより充実すること、楽しめることもたくさんあるじゃないですか。できれば若々しく、美しく、健やかでありたいけれど『こうでなきゃいけない!』ではなく、自分の満足を大事に……それを目ざして、みんなでシェアしながらのりきっていきたいと思うんです」
「ひとりで考えていたことも、言葉にして共有すれば“そうだったのか”と気づかされる。なにより、自分は孤独じゃないと実感できます」
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