幸せホルモン「セロトニン」&愛情ホルモン「オキシトシン」を増やして、更年期のメンタル不調を軽くしよう

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更年期には体の不調だけでなく、イライラや落ち込みなどのメンタル不調が起きやすくなります。そんな不調を改善するコツが、ホルモンを味方につけること。メンタルに働きかける大事なホルモンが「セロトニン」と「オキシトシン」です。このふたつのホルモンの働きと、自分でうまくコントロールする方法を、内科医の工藤孝文先生に伺いました。

【教えていただいた方】

工藤孝文さん
工藤孝文さん

内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。

OurAge×Webエクラ 精神を安定させ、高ぶった気持ちを鎮めてくれるのが「セロトニン」

精神を安定させ、高ぶった気持ちを鎮めてくれるのが「セロトニン」

更年期には女性ホルモンの急激な減少による自律神経のバランスの乱れから、イライラや落ち込み、うつっぽさなどメンタルの不調が起きやすくなります。こんな状態を改善するために知っておきたいのが、「セロトニン」と「オキシトシン」というふたつのホルモン。これらは、最近テレビなどのメディアでもよく取り上げられるようになってきたため、耳にしたことがある人は多いかもしれませんが、どんなものなのか改めて工藤先生に伺いました。

「まず、セロトニンのほうは、脳内で働く神経伝達物質のひとつで、精神の安定に深くかかわっているため、“幸せホルモン”とも呼ばれています。嫌なことがあってカーっとしても、しばらくすると高ぶっていた感情が鎮まって心が落ち着いてくるものですが、このように精神を安定させて落ち着かせるのがセロトニンの働きです。

興奮状態や戦闘モードのときには、ノルアドレナリンやドーパミンなどのホルモンが働きますが、その働きにブレーキをかけ、中毒的または攻撃性が高い精神状態になるのを抑えるのがセロトニンで、“理性のホルモン”ともいえます。 

セロトニンは、脳内で働く神経伝達物質ですが、体内のセロトニンの90%は消化管(腸)に存在しています。そして精神面だけでなく、睡眠や食欲、痛みの軽減、姿勢の維持、腸の働きの調整など体のさまざまな機能にもかかわっています。これらの働きから、セロトニンが不足すると、やる気が出ない、キレやすい、落ち込みやすい、朝起きられない、依存症になりやすい、食欲がコントロールできないなどの症状が現れます」

<セロトニンのおもな働き>

・精神を安定させ、心のバランスを整える
・ドーパミンやノルアドレナリンを抑える
・体内時計をリセットする
・正しい姿勢を維持する
・腸内環境を整える
・過食を防ぐ

セロトニンは太陽光を浴びたり、リズム運動をすることで増やせる

では、セロトニンを増やすには、どうしたらよいのでしょうか?

「セロトニンを増やす方法はたくさんあります。まず、朝起きたときに太陽の光を浴びるとセロトニンが増えるので、意識して太陽光を浴びるようにしましょう。また、一定のリズムの動きを繰り返す“リズム運動”をすることでも増えます。例えばウォーキングやダンス、自転車こぎなどのほか、ものを嚙んで食べるのもリズム運動です。

そのほか、好きな映画などを観て感動して涙を流す、口角を上げて笑う、背すじを伸ばして腹式呼吸をする、睡眠をしっかりとるなどもセロトニンを増やすのに効果的です」

OurAge×Webエクラ セロトニンは太陽光を浴びたり、リズム運動をすることで増やせる

「それから、セロトニンはアミノ酸のトリプトファンから作られるので、肉や魚、大豆食品、卵、ナッツ、バナナなど、トリプトファンを多く含む食品を意識してとるようにするのもおすすめです。脳のエネルギー源である炭水化物を一緒にとるとセロトニンの分泌量アップ効果が期待できます。セロトニンを増やすためにも朝食を抜かずにとることも大切です」

愛情を深めて幸福感をもたらし、ストレスをやわらげる「オキシトシン」

続いて、オキシトシンの働きについて伺いました。

「オキシトシンは、脳下垂体から分泌される神経伝達物質であり、ホルモンでもあります。愛情や信頼の形成に関与し、親密な関係を深める効果があることから、“愛情ホルモン”とも呼ばれます。 

オキシトシンには、子宮を収縮させて出産を促す作用と、乳腺の筋繊維を収縮させて母乳を出しやすくする作用があります。赤ちゃんに乳首を吸われると、母性のスイッチが入り、母乳の出がよくなるのはオキシトシンの働きによるものです。また、幸福感をもたらしたり、ストレスをやわらげる作用、絆や信頼関係・愛情を深める作用、美肌・ダイエット効果などもあるといわれています」

<オキシトシンのおもな働き>

・母乳を出しやすくする
・分娩時に子宮を収縮させる
・幸福感をもたらし、ストレスをやわらげる
・絆や信頼関係、愛情を深める
・美肌・ダイエット効果

オキシトシンは、キスやハグなどのスキンシップで増やせる

OurAge×Webエクラ オキシトシンは、キスやハグなどのスキンシップで増やせる

では、オキシトシンを増やすには?

「オキシトシンは、皮膚への刺激やスキンシップによって分泌が高まります。愛おしい相手や信頼できる相手と、見つめ合う、手をつなぐ、キスやハグをする、マッサージをする、セックスをするなどといったときに分泌されます。ペットと触れ合うことでも同じような効果があります。

また、映画などを観て感動したときや、仲間と語り合うときなどにも分泌されます。近年、信頼できる相手となら、電話やオンラインで話すだけでも分泌されることがわかってきました。ですから、イライラや落ち込みなどメンタルの不調を抱えている人は、生活の中にこういった行為をなるべく取り入れてオキシトシンを増やしましょう。 

また、オキシトシンは、セロトニンが増えると分泌が増えることがわかっているので、セロトニンを増やすことも心がけましょう」

日々の生活の中でふたつのホルモンを増やす方法を取り入れて、不安定になりがちなメンタルのバランスを整えて。

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写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂
初出:OurAge 2024/8/21

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