“漢方はゆっくり効く”は誤解?即効性もあり、副作用もあるという真実を薬剤師が解説!

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西洋薬は即効性があるが、漢方薬は効き方が穏やか。漢方薬は西洋薬のような副作用がないと思っていませんか? しかしその常識、中には間違っている部分もあるようです。そんな西洋薬と漢方薬の違いについて、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺いました。

【教えていただいた方】

鈴木素邦さん
鈴木素邦さん

薬剤師。経営学修士(MBA)。「クラヤコンサルティング」代表取締役。城西大学薬学部非常勤講師。東京大学や慶応義塾大学などの教壇に立ち、多くの薬剤師を世に送り出す。薬局薬剤師の経験、多くの薬剤師を輩出した経験をもとに、お客様第一の薬局になれるような薬局向け経営コンサルティングを行う。

漢方薬は即効性に優れている

最近では、西洋医学の病院やクリニックでも、漢方薬を処方するところが増えてきました。更年期症状の改善にも漢方薬はよく使われていて、人気が高いようです。 ところで、皆さんは西洋薬と漢方薬の違いをきちんと把握していますか? その違いとはどんなところなのでしょうか?

「西洋医学では、血液検査や画像検査など、さまざまな検査を通して具合の悪いところを特定し、その部分に対して治療します。
一方で、 東洋医学は病気だけを診るのではなく、その人の体全体、体質まで含めて総合的に判断して治療する医学です。そのため、病名がはっきりしない不定愁訴などの改善に適しているといわれています。

こうした医学の背景の違いから、西洋薬と漢方薬をとらえるとわかりやすいかもしれません。

西洋薬は人工的に化学合成されたひとつの有効成分で構成されています。原因が特定できる病気や症状に対して強く作用します。

一方で、漢方薬は植物、動物、鉱物などから抽出した、自然由来の原料を組み合わせた薬です。ひとつの薬に複数の有効成分が含まれているため、さまざまな病気や症状に効くのが大きな特徴です」(鈴木素邦さん)

OurAge×Webエクラ 漢方薬は即効性に優れている

一般的にいわれている漢方薬の印象は、西洋薬に比べて即効性がなく、効き目が穏やかで副作用もなくて安心ということではないでしょうか?

「しかしながらそれは誤解で、漢方薬にも即効性があるし、副作用もあります。僕の感覚では、即効性という点では漢方薬のほうが実感しやすいものが多い印象です。

例えば、『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』は筋肉の過剰な緊張やけいれんを鎮めるとして、よく足がつったときの頓服(とんぷく)薬(※1)として使われます。この薬は即効性があります。
まれに息切れ、手足のしびれ、発疹などの副作用がある場合もあり、服用は症状があるときだけにとどめて、続けて服用しないなどの注意事項があります。  

※1 頓服薬は決まった時間に定期的に飲むのではなく、発作時や症状が出て必要となったときに飲む薬のこと。

また、『五苓散(ごれいさん)』はめまいの改善に効果的な薬で、西洋医学では治療できずに困っているようなめまいが、これでピタッと治まることがあります。 

特に、ドラッグストアなどで、医師の処方箋なしに購入できるOTC医薬品の漢方薬では、こうしたスポット的に使用するものが多いと思います」

漢方薬での体質改善は「証」を見極める力が必要

「一方で、本来漢方薬が得意とする、体質改善や不定愁訴などの対応を求めるのであれば、漢方薬の専門店を訪れるといいと思います。

本来の漢方薬は体の『証(しょう)』に合わせて処方されるのが基本です。『証』とは生まれつきの体質や体力、現在の症状、『気・血・水(き・けつ・すい)』(※2)のバランスなどを総合的に評価する、東洋医学独特の診断方法のことです。 

※2 「気」は生命活動を生むエネルギー、「血」は栄養を運ぶ血やホルモンの調整、「水」は体内の水分のことで、免疫力にかかわります。東洋医学ではこの3つのバランスがとれている状態が健康と考えられています。 

その人に最適な薬を処方するためには、『証』を的確に見立てる(見極める)力が必要です。この見立てを誤ると、まったく効かないということもあり得るので、漢方に精通した医師や薬剤師がいるクリニックや薬局を見つけることが重要になります。 

最近はクリニックや歯科医院などでも、漢方薬を処方するところが増えています。医師や歯科医師が処方した、医療用医薬品としての漢方薬は保険適用になりますが、処方箋のないものについてはすべて保険適用外で自費になります。  

漢方薬にも副作用があり、ほかの薬と飲み合わせてはいけないものもあります。医師や薬剤師と相談しながら服用することが大切です」

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イラスト/いいあい 取材・文/山村浩子
初出:OurAge 2024/10/4

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