更年期、それは人生を変えるチャンス――持ち前の明るいキャラクターを発揮して揺らぎの時期を前向きに過ごし、今もなお活躍の場を広げる俳優・羽田美智子さん。後編では、ポッドキャスト番組「羽田美智子のChange of Life」を通じて広がった人とのつながりを軸に、不安や心配に向き合う方法、そして自身の心身の保ち方について、経験から得た知恵をシェアしてもらった。
実は、誰もが語り合う場を求めている?
配信開始から4か月を迎えたポッドキャスト番組「羽田美智子のChange of Life」。チャンネル登録者数は5万人を突破し、人気コンテンツとして定着し始めている。
「テーマは基本、私が興味を持っていること。ただただしゃべりたいことを自由におしゃべりしているだけなんですが、意外にも男性から『聴いてます』と言われることもあるんですよ。若い世代のかたに声をかけていただくこともあって、更年期はまだまだ先のことじゃない?と尋ねても、『これから経験することだから、気になるんです』と。生老病死は誰にとっても自分ごとで、どんな立場の人でも一緒。共通の話題になりうるんですね」
とくに注目を集めたのが、プライベートでも親交の深いフリーアナウンサー・有働由美子さんをゲストに迎えた回。近年増加しているという「ロマンス詐欺」を含む大人世代の恋愛事情、老眼対策、それぞれの介護体験などを率直に語り合った回の再生回数は、すでに50万回を上回った。これには、コミュニケーションにまつわる最近の社会の変化も関わっていると、羽田さんは感じている。
「以前は食事会や飲み会が頻繁にあって、こうしたフランクな会話を交わすのが当たり前だったと思うんです。でも、コロナで時代の空気が変わり、人と会う機会自体が減ったし、社会的にもコンプライアンスが重視されるようになって、誰かにむやみにいろんなことを言ったり聞き出したりがしにくくなった。よく言えば、個々人が守られる時代になったとは思うんですが、その弊害として、孤立も招いているような気もしていて……」
安心できる心の「井戸端」を作れたら
だからこそ、ポッドキャストは更年期を語る「井戸端」でありたいと、羽田さんは言う。
「昔々は、家々のおかみさんたちが村に1つしかない井戸に集まって、夫や子どものことを話し、お互いに『頑張ろうね!』と言ってそれぞれの家に帰って行った。女性の悩みの8割くらいは、そんなふうに話して解決することのような気もするんです。もちろん、それぞれが自分で解決しなきゃいけないこともあるけれど、誰かに聞いてもらって『わかる』『私もそうだよ』と言ってもらえるだけで、スッキリしてまた明日に向かっていける……そんな場所があるだけでも、安心なんじゃないのかなと」
羽田さんの思いが伝わりはじめた証拠ともいえるのが、放送に寄せられるお便りと、回ごとに書き込まれる活発なコメント。
「ホットフラッシュが話題に上がったときは、お医者さんにかかっている方からビタミンDの接種をしたら軽減したという声が寄せられました。私が体験していないことだったから、すごくありがたかったです。不眠の話をしたときには『エプソムソルトを入れたお風呂に入るといいですよ』という書き込みがあったりして、その情報をもとにさらに調べて、自分なら何を試すか考えるのも楽しい。50歳を過ぎると新しい友だちはできにくいといわれていますが、こんな横のつながりも財産だと思いますね。コメント欄を含めて、更年期にまつわる情報のホームになってくれるといいなと」
これから迎える人生の冬も、皆で明るく豊かに
現在は心身ともに落ち着きを取り戻したという羽田さん。仕事に、プライベートでは母の見守りに取り組みながら、ホルモン補充療法などの医療は受けず、安定した日々を過ごしている。
「抜け毛がひどかったときに受けた血液検査で亜鉛不足が判明し、少し薬で補充したりしたこともありますが、今は何も摂っていません。植物のように、なるべく自然体で生きていきたいと思っているんですが、植物でもときには栄養剤や殺虫剤が必要になる場合がありますから、そこはあまり頑なにならずに」
大切にするのは、バランス。アロマセラピストの資格も持つ羽田さんが目指すのは、ボディ(身体)、マインド(心)、スピリット(精神・魂)が三位一体となる状態だという。
「若い頃はとにかくエネルギーがあるので、心や精神が伴わなくても動けたんです。でも、更年期を過ぎると、人間は身体だけでは持たないことがわかってくる。そうすると、心を豊かにして精神を整えて……とくにこれからはスピリットの部分が大事になってくるのかなと。魂が喜ぶことをすると、身体も生き返るので」
羽田さんが考えるそれは「誰かに喜んでもらうこと」。作品に参加して観る人に届けることも、家族をケアすることも、配信で多くの人と交流することも、すべてが今を生きる力になっていく。
「年齢を重ねて老いていくことは、きれいごとだけでは済まない。身体が動かなくなり、日常が日常として送れなくなることは、やっぱり私も怖いです。でも、人生の秋を経験して、これから迎える冬を想像できる領域に入ってきた今、その道のりをいかに明るくしていくかを考え出すのも大人の知恵。俳優の仕事も含めて、私のやっていることは自分の経験をすべて活かせることですから、これからも心を裸にして人とつながりながら、ポジティブに変化の時期を楽しんでいきたいですね」
羽田美智子さんを支えるお守りアイテムは?
「M’s aroma アロマフレグランス REVIVE(リバイブ)」
「置かれた場所を選ばず、ただただ伸びていく。そんな植物のポジティブさが好き」と羽田さん。ご自身が手がける羽田甚商店で扱うオリジナルのアロマブランド「M’s aroma」には、さまざまな場面でボディ、マインド、スピリットを活性化させる5種類の香りが揃う。なかでも、女性ホルモンに働きかける成分を含むハーブ・パチュリをアクセントにした「REVIVE」は、「自分に自信が持てないとき、そっと背中を押してくれる香りです」(羽田さん)。
羽田美智子
はだ みちこ●俳優。1968年茨城県生まれ。’94年の映画『RAMPO』で日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞に輝く。2010〜15年に主演したドラマ『花嫁のれん』は日本の生活文化を伝える作品として20以上の国と地域で放送され好評を博した。’19年、実家の屋号を継承したオンラインストア「羽田甚商店」をオープン。美と健康をテーマにセレクトした衣食住アイテムとオリジナルのアロマオイル・フレグランスを販売している。更年期世代の悩みを本音で語り合うポッドキャスト番組「羽田美智子のChange of Life」をYouTube・各種音声コンテンツで毎週水曜日に配信中。