実際に眼瞼下垂の手術を考えている人にとって、いちばん重要なのはどこでどんな手術をするのかです。今回も眼瞼下垂の専門家、年間2000件以上の眼瞼下垂症手術を執刀している高田尚忠先生にお話を聞きました。
【教えていただいた方】
医療機関や医師により診断が違うので、カウンセリングは必須
眼瞼下垂はれっきとした病気と見なされ、診断されたら健康保険が適用になります。それでも「適正な費用で自分に合った治療を受けたい」というのはみんなの願い。術式の違いはもちろん、保険診療と自費診療では、かかる費用にかなり幅があります。実際の手術法や費用は、医療機関によってどう違うのでしょう?
「眼瞼下垂の治療は、眼科、形成外科、美容外科で受けられますが、検査や診断の質、手術の目的や仕上がりに違いがあります。当然ながら費用も違いますが、いちばん大きな違いはそのクリニックと医師の考え方だと思います。
手術が保険適用になるかどうかは特にです。他院では自費診療でしかできないと言われた人でも、当院では保険適用になることはよくあります。前回、まぶたのたるみでも保険適用になることがあると説明したのがまさにそれです。医師の解釈には幅があるため、候補の医療機関があれば、何カ所かカウンセリングに行って、具体的な治療法や費用を聞いてみるのがいちばんでしょう」(高田忠尚先生)
眼瞼下垂の手術に関して、一般的には次のような特徴があげられます。
これはあくまで状況を平均した特徴です。中には、高田先生のように眼科医でありながら形成外科の技術を持ち、美容まで考慮したオリジナルの手術法を中心に行う医師もいるため、一概にはいえないことも覚えておきましょう。
↑高田先生が執刀した眼瞼下垂手術の症例。50代女性のビフォー&アフター(術後8週間)。挙筋腱膜前転法を基本に、傷あとを目立たなくしてより自然な二重幅を形成するために考案したオリジナルの「TKD切開・ファシアリリース法」(健康保険適用手術)
手術法のネーミング、混乱しやすいので気をつけて
現在、眼瞼下垂の手術を検索すると、多種多様な手術法が出てきます。そのクリニック独自のネーミングがついていることもあり、最近はわかりにくくなっています。
「受けようとしている手術が、どの術法なのかはとても大事。当院では他院の修正手術も多数行っていますが、なかには失敗のリスクが大きい手術や、修正手術が困難と知らずに手術を受けられている人も多いんです。
例えば『タッキング法』は、まぶたを持ち上げる筋肉を糸で縫い縮める手法です。皮膚を切らずに糸で固定させる埋没式の手術を指すこともありますが、いちばん一般的な『挙筋前転法』もタッキングと呼ばれることがあるんです。また、ミュラー筋だけを折りたたむように瞼板に固定する『ミュラー筋タッキング(ミュラータック法)』もあります。ミュラー筋が傷つくと自律神経に影響を与えたり、まぶたの痙攣を引き起こしたりするリスクがあるため、当院では基本的にミュラー筋タッキング法は行いません。クリニックによって『タッキング法』の解釈が異なるため、治療を受ける前に手術内容をよく確認することが大切です。同じ手術でも、執刀する医師のスキルなどにもかかわりますから難しいところですが、その医師の手がけた症例、口コミなどを参考にしましょう」
↑こちらも高田先生が執刀した眼瞼下垂手術の症例。50代女性のビフォー&アフター(術後12週間)。術式は前出と同じく高田先生オリジナルの「TKD切開・ファシアリリース法」(健康保険適用手術)
自分に合った眼瞼下垂の手術法は? 術式の種類を分類・比較
以下に、代表的な眼瞼下垂の治療、手術法をまとめてみました。
何を重視するかは、人によって違います。特に、どれくらい仕事を休めばよいか心配な人、他人に気づかれたくない人は、ダウンタイム(ある程度回復するまでの時間)や術後の腫れも比較してみて。また、比較表は高田先生の知識や経験から作成したもので、一般的に当てはまらない場合があることを理解しておきましょう。
部位名は以下を参照ください。
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初出:OurAge 2024/6/17