アラフィーになると、「睡眠中の歯ぎしりがひどくなってきた」という悩みや、「歯並びが悪くなってきた」という悩みを抱える人が多数。そこで歯科医の照山裕子先生が、その原因から対策までを解説。放っておくと歯を失うリスクも高まるから早めの対策が肝心!
無意識「歯ぎしり」、 ちょい悪「歯並び」、放っておくと……
1.歯が欠けたり、割れてしまう
歯や歯を支える骨は加齢によって弱くなる。歯ぎしりのような強い力が加わると歯が欠けたり割れたりするリスクが。歯並びが悪いと噛み合わせにも影響し、特定の歯だけが負担過重を起こす。
2.虫歯・歯周病が進行しやすい
歯並びが悪いと食べカスなどの汚れがたまりやすく、磨き残しも増えるので虫歯や歯周病になりやすい。また、歯ぎしりをすると歯を支える骨に大きな負担がかかるので、歯周病を進行させやすい。
3.エラが張って顔が大きくなる
歯並びの悪さは歯ぎしりの原因になるが、睡眠中にいつも歯ぎしりをしていると、エラのあたりにある「咬筋」という噛むときに使われる筋肉が発達。するとエラが張ってしまい、顔が大きくなる。
4.肩や首のコリ、腰痛を起こす
噛み合わせが悪いと、体に左右差が生まれるなど姿勢のバランスがくずれ、肩や首のコリ、腰痛などを引き起こすことも。また、歯ぎしりも、あごや首のコリ、頭痛などを招く原因になる。
なぜ起こる? アラフィーの歯の異変
若いころはそうでもなかったのに、歯ぎしりや歯並びの悪さが、気になりだすのはなぜ? その原因や改善策を照山先生に教えていただいた。
教えてくれたのは
歯周病が歯並びを悪くし、歯ぎしりの原因にも!
大人の歯ぎしり&歯並びの悪さの原因はこれ!
原因1 ストレスや緊張
原因2 歯を接触させるくせ
原因3 睡眠の質の低下
原因1 先天的なもの
原因2 噛み合わせのアンバランス
原因3 歯周病の進行による歯の動揺
歯ぎしりと歯並びの悪さには深い関係が。早めに対処を
アラフィーになると気になりだす歯ぎしりや歯並びの悪さ。歯科医の照山裕子先生によると、実はこの2つの症状は深くかかわり合っているのだとか。
「これは歯周病が関係していることが多いです。歯周病は、磨き残しの中で歯周病菌が増殖、それをやっつけようと体が闘うことによって起きる炎症反応。進行すると歯を支える骨も溶かされ(吸収)、歯自体がぐらつき抜けてしまいます。
アラフィーになると体の抵抗力の低下や、唾液の分泌量の減少などから、口内の清掃が行き届いていないと歯周病になりやすくなります。歯が揺れると歯並びが変わり、さらに悪くなりやすいのです。
また、歯を支える骨は女性ホルモンの減少によってもやせます。噛み合わせが悪い人は、無意識のうちにそのアンバランスな状態を正そうと歯ぎしりもしやすくなるのです」
歯ぎしりセルフチェック
\CHECK!/
□朝起きたとき、こめかみやあごが痛い
□あごがこわばっている
□舌に歯の跡がついている
□昔より歯が薄くなった気がする
□歯にヒビが入っている
これを放っておくとさまざまな問題が起きるので、早めの対策をしたほうがいいと照山先生。ではその方法とは?
「歯ぎしりは、いまだに、はっきりとした原因がわかっておらず、生理現象なのでなかなか制御できません。もともと、上下の歯を接触させて食いしばるくせがある人は、睡眠中に歯ぎしりをしやすい傾向もあります。ストレスや緊張が主な要因ともいわれますが、メカニズムは不明です。
対策は、マウスピースを装着し、歯同士にダイレクトな負荷をかけない方法や、ボトックス注射、あごのマッサージなども選択肢のひとつ。また、食いしばりぐせを改善するため、ふだんから上下の歯を合わせないよう意識することも大切」
一方、歯並びを整えるには矯正が必要だがアラフィーの場合には注意点が。
「歯列矯正は歯に物理的な力を加えて動かしていく治療法。動かしたい方向に力を加えることで歯を支える骨が溶かされ(吸収)、新しく骨が作られ(添加)……を繰り返して矯正します。でも大人の歯は若いころと違って硬くて動かしにくいうえ、加齢とともに骨の吸収と添加のサイクルがうまく働かないので歯が固定されず、ぐらついたままになることも。
また、歯並びが整っても歯茎や骨の再生が追いつかず、歯が長く見えてしまうこともあります。特に歯周病リスクがあるとすでに骨が弱っているため、その状態で矯正をするのは危険です。
ただ、歯並びによって清掃がしにくいなど、矯正をしたほうがいいケースもあるので、歯や歯茎の健康レベルを見ながらの治療計画が必要。さまざまなリスクを考慮して診断してくれる歯科医選びも大切です」