40代・50代の不調は「血糖値」が関係していた?知っておきたい体の変化

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なんとなく続くイライラやだるさ、眠りの浅さ…。年齢のせいと見過ごしがちなその不調、実は「血糖値の乱高下」が関係しているかもしれません。食事内容や生活習慣によって大きく変動する血糖値は、体調や気分にも大きく影響。まずはその仕組みと原因を知ることが、不調改善の第一歩です。

【教えていただいた方】

山村 聡さん
山村 聡さん

糖尿病内科医。九州大学医学部卒業。2024年12月に「やさしい内科クリニック」を開院。糖尿病啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行っている。自らの体を実験台にしてさまざまな食材の血糖値を測定するYouTubeチャンネル「やさしい内科医のY's TV」が人気。

血糖値って何?体の中で何が起きているの?

血糖値は、体調やメンタルも大きく影響していた!

「血糖値というと『糖尿病じゃないから関係ないかも』なんて思う人も多いでしょう? でも、40代以降であれば高血糖を放置しておくと知らず知らずに糖尿病予備軍になり、気づいたら糖尿病だったということも稀ではありません。

また、血糖値の急な上昇や乱高下は肥満につながるだけでなく、血管を傷つけ、動脈硬化などの生活習慣病に直結します。40代、50代以降の女性の場合、イライラ、だるさ、眠りが浅い、感情の浮き沈みなど、更年期の不調だと思っていたら、実は血糖値の乱高下による症状だった! なんていうこともあるんですよ。血糖値の乱高下が体調、特に感情のコントロールにも影響するのは、最近ようやく知られてきたことです」 

と、聞き捨てならない解説をしてくれたのは「やさしい内科医」こと、糖尿病内科医の山村総先生。YouTubeでは、食べ物と食後血糖値の変化を自らレポート。くすっと笑える体当たり動画が大人気です。

ところで。血糖値って何なのでしょうか?

「血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。炭水化物などに含まれる糖質が消化吸収されてブドウ糖となり、血液に入ってブドウ糖の濃度を上げます。
食事をすれば誰でもブドウ糖濃度は上がりますが、すい臓からインスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌され、高くなりすぎないように調整されているのが普通です。

OurAge×Webエクラ 血糖値とは?

イラスト/Shutterstock

血糖値は食品の糖質の多さや、食事の習慣、インスリンの出方によって大きく変化します。体質も関係し、個人差がとても大きいもの。YouTubeの実験動画を見てもらえたらわかるんですが、実は僕自身、もともと血糖値は上がりやすいほうなんですよ。
そして、残念なことに、50歳前後からは血糖値はかなり上がりやすくなります。これは臓器の老化によるものです」

他人事じゃない。血糖値が上がりやすくなるのは老化現象だった!

ということは、年齢を重ねるほど、血糖値は上がりやすくなってしまうのですか?

「そのとおりです! インスリンを出すのは“すい臓”なんですが、年をとると、血糖値が上がってもすい臓さんの反応が悪く、素早くインスリンを出せなくなるんです。『おっとっと、上がってきたな』というあたりで、やっとインスリンが出ても、もうその時点で血糖値はピークに達してしまっています。  

年をとると、急にダッシュで走り出せなくなるのと同じですね。老化なので、すい臓を鍛えたくても無理。若返らせる薬はないんです。だから、70代以降の人は、ほぼ全員糖尿病に近づいていると言っても過言ではありません。  

糖尿病にならないためには、転ばずに走り続けられるように、若いうちからすい臓をあまり酷使しないこと。ダッシュでインスリンを出さなければならないような食事、つまり血糖値を上げまくるような食事を、なるべくしないようにするしかないんですよね」  

YouTubeで山村先生が血糖値レポートに使用しているのは、「FreeStyleリブレ」という血糖値の変動を持続的にモニタリングできる機器。インスリン治療が必要な糖尿病の患者さんでは、数年前から保険適用になっているものです。  

「白米と玄米ではどちらが血糖値が上がるか」「水をがぶ飲みすると血糖値は下がるのか」「お酒の種類で血糖値は変わるのか」など数々の名実験は、すべてリブレありき。

この「リブレ」は市販もされているということで、エクラ世代6名が装着し、2週間血糖値を測ってみることに。
すると、意外なびっくり事実が判明しました!

OurAge×Webエクラ 「FreeStyleリブレ」

自動的に血糖値(正確には間質液中のグルコース値)を測ってくれるFreeStyleリブレ2。スマホのアプリがあれば、何もしなくても2週間ずっと測定し続けてくれます

OurAge×Webエクラ リブレを装着したところ。

リブレを装着したところ。普通は二の腕の外側につけます。ノースリーブを着ない限り、それほど目につくことはなさそう

血糖値を見える化したら、「なぜ?」「どうして?」の疑問だらけ!

今回、血糖値モニターとなった6名は50代が中心。いたって健康と思っている人、病院で血糖値が上がりやすいと指摘されたことのある人、健康のためにずっと低糖質の食事を心がけている人…、と状況はバラバラです。

そして始まったモニタリング。まずは、ある一日の血糖値の変動グラフをお見せしましょう。
グラフ内のグリーンのエリアが、血糖値の正常範囲といわれる70〜140mg/dLです。全員のグラフの形がここまで違うことに驚きませんか?

OurAge×Webエクラ ある1日の血糖値の変動
OurAge×Webエクラ ある1日の血糖値の変動−2

血糖値の変動パターンにはこんなに個人差がありました!

先生、血糖値を測定する際、どこに注目して見たらいいですか? 

「健康診断や人間ドックの血液検査に“空腹時血糖値”という項目があります。たいてい100 mg/dLを超えなければ基準値内といわれますが、それで本当に血糖値が正常かどうかは実はわかりません。血糖値は一日中変化していて、健康な人でも空腹時には低くなり、食後に高めになります。空腹時血糖値でわかるのは、あくまで空腹の時点の血糖値。たぶん一日の最低血糖値ですね。 

日本糖尿病学会の指標では、血糖値の正常範囲は70〜140mg/dL。測定した血糖値が、ずっとこの範囲に収まっていれば、何も問題ありません。でもきっと、食べた物や食べるタイミングによって、これを超えることはおおいにあるはず。いつ何を食べたらどう変動するのか、そこに注目してもらえたらけっこう面白いと思いますよ。自分の血糖値の動きを見てみることは、健康な体づくりの一助になると思います」

取材・文/蓮見則子
初出:OurAge 2024/7/7

糖質の量で血糖値がこんなに変わる!

老化によって誰にでも起こり得るのが、血糖値スパイクや乱高下

「血糖値はなるべく緩やかに上がって緩やかに下がるのが理想ですが、食後に急激に上がって下がることがあり、これを『血糖値スパイク』と呼びます。グラフに“とげ”みたいなトンガリができるんですね。また、大きく上がったり下がったりを繰り返すことを『乱高下』といい、これらはどちらも健康によくありません。

OurAge×Webエクラ 血糖値スパイク・血糖値の乱高下とは?

例えば、30代の中肉中背、健康な男性だと、食後に血糖値は少し上がるけれど、すぐに緩やかに下がることがほとんど。グラフは小さな山が食事のときにできるだけで、あとはほとんど真っ平。それが正常な状態です。

でも、人は誰でも老化とともに、血糖値を下げてくれるインスリンを素早く出すのが苦手になってくるんですね。それで40代以降になると、食後の血糖値がドーンと上がったりする人が増えてくるんです」 

そう教えてくれたのは、「やさしい内科医」こと山村聡先生。YouTubeでの体を張った血糖値実験が話題を呼んでいる糖尿病の専門家です。 

血糖値スパイクや血糖値の乱高下は、血管を傷つけ、動脈硬化などの生活習慣病につながります。しかも、イライラや過食、睡眠障害などメンタルにもよくない影響を与えます。更年期世代の不調の陰には、血糖値トラブルが潜んでいるかもしれないのです。  

ちなみに、普通の健康診断で測るのは空腹時の血糖値です。一日の中で変動する血糖値を点で測るだけ、おまけに血糖値スパイクが起きやすいのは食後なので、残念ながら通常の健康診断だけでは、血糖値スパイクや乱高下が起きているかどうかはわかりません。  

そのため、今回の企画ではエクラ世代の6名が2週間、血糖値のモニタリング(*1)に挑戦。血糖値スパイクや乱高下の有無を確認するため、点ではなく線で血糖値の変動をチェックしました。
*1:自動的に血糖値(正確には間質液中のグルコース値)を測ってくれる「FreeStyleリブレ2」を装着しました。

玄米、トースト、SOYJOY…血糖値をいちばん上げたのは?

血糖値のモニタリングを開始して、全員が驚いたことがあります。それは食品の選び方や食べ方など、ちょっとした差で血糖値の上がり方が激変すること。  

例えばモニターMさんの場合を見てみましょう。  

Mさんは、平日の朝はだいたい同じ時間に同じものを食べています。玄米ご飯、りんご4分の1個、ヨーグルトに蜂蜜とジャムをかけたものが基本形です。

OurAge×Webエクラ 玄米、トースト、SOYJOY…血糖値をいちばん上げたのは?

モニタリングしはじめて最初に気がついたのは、このシンプルな朝食メニューでも血糖値が想像以上に上がっていたことです。Mさんは、健康によかれと思って白米ではなく玄米ご飯を食べていました。

下のグラフの[A]が基本の朝食を食べたときの血糖値の推移です。血糖値の正常範囲といわれるのは70〜140mg/dL(グラフ内のグリーンのエリア)ですが、この朝食を食べると血糖値が150を優に超えた後、急激に下がり、グラフに鋭角のトンガリができています。これが血糖値スパイクです。

朝食で玄米ご飯を食べたときの血糖値の値は?

OurAge×Webエクラ 朝食で玄米ご飯を食べたとき

山村先生によれば、血糖値の観点から見ると、白米も玄米もあまり変わりはないのだそう。

「玄米のほうがなんとなくよさそうというイメージがありますが、白米も玄米も糖質の量はほとんど同じです。もちろん、ビタミンやミネラルが豊富な分、栄養面では玄米のほうが健康にいいとは思いますが、糖質量が同じですから、“玄米のほうが血糖値上昇を抑える”ということはありません。僕のYouTubeチャンネルでも白米vs.玄米の血糖値対決をしたことがありますが、血糖値の上がり方はまったく同じでした」

バターを塗ったトーストvs.玄米ご飯、どちらが血糖値が上がる?

再びモニターMさんの朝食です。玄米ご飯でそんなに血糖値が上がるならば…と、パンを食べてみた日がありました。それが下のグラフの左、[B]です。バターを塗ったトーストにいつものりんご、ヨーグルト&蜂蜜&ジャムも一緒です。

試しに、翌日はまた玄米ご飯に戻してみたところ、またしてもグラフ[C]にトンガリが出現しました。

OurAge×Webエクラ バターを塗ったトーストvs.玄米ご飯、どちらが血糖値が上がる?

一目瞭然、トーストを食べたときのほうが格段に血糖値が抑えられていますね。

山村先生によると、食パンも糖質が高いほうとはいえ、ご飯に比べれば糖質量は少ない。またバターによって脂質(血糖値の上がり方を緩やかにする)が追加されたため、さらに血糖値の上昇を抑えたと考えられる、とのこと。

朝食でSOYJOYを食べたときの血糖値の値は?

モニターMさんの朝食をさらに比較してみます。

下のグラフ[D]は、いつもの玄米ご飯をコンビニで手軽に買えるSOYJOY(ブルーベリー)に置き換えた日のものです。

OurAge×Webエクラ 朝食でSOYJOYを食べたとき

「僕もSOYJOYで血糖値実験をしたことがありますが、糖質量が少ないため血糖値はそんなに上がりませんでした。大豆タンパク質もとれるので、間食にも向いていると思います」

朝食の主食を1品替えただけで、ここまで血糖値の上がり方に差が出るとは思いませんでした!

「食事で血糖値を上げるのは糖質なんです。それ以外の栄養素、例えばタンパク質や脂質は血糖値を上げません。主食はどうしても糖質量が多くなるので、影響が大きいんですよね。Mさんの例だと、玄米の糖質(炊いた玄米100gで34.2g)は食パン(6枚切り1枚26.6g)やSOYJOY(ブルーベリー1本11.3g)よりも多いため、血糖値の上げ幅がその分大きくなりました。 

健康診断で血糖値が高めと言われたり血糖値スパイクが心配になったら、まずは食べ物の糖質量を意識してみるとよいと思います。血糖コントロールの第一歩はそこからだと思いますよ」 

※血糖値の変動には個人差があり、モニターの結果はあくまで一例です。同じ食材をとっても人によって、また食べるタイミング等によって変化します。
※食べものの糖質量は推定量です。

画像制作、取材・文/蓮見則子
初出:OurAge 2024/7/21

気をつけたい飲酒習慣と血糖値の関係

糖質量が多ければ多いほど、血糖値が上がるのが原則ですが…

血糖値スパイクや乱高下は防ぎたい。でも、人づき合いにお酒は欠かせないし、飲むのを我慢するなんて無理! お酒好きな人にとって、飲んだときの血糖値の推移は気になるところです。

「お酒は、発酵したものをそのまま飲む『醸造酒(日本酒、ワイン、ビール)』と、それらを蒸留して造る『蒸留酒(ウイスキー、焼酎、ジン、ウォッカなど)』に分かれます。血糖値を上げる唯一の栄養素は糖質ですが、醸造酒のほうが糖質が高い。例えば、日本酒は糖質が高め。ただ同じ醸造酒でも、赤ワインは糖質が低いものが多いし、白ワインはものによっては糖質が高いものも。スパークリングワインは、辛口でも他のワインよりは糖質が高めなので注意が必要ですよ。  

一方、蒸留酒は糖質ゼロ。お酒を割る飲み物に糖質が入っていなければ基本的に糖質はゼロのままです。ウイスキーを無糖のソーダで割っただけのハイボールなどで、血糖値が上がることはないということになります」

おもなお酒の炭水化物(糖質+食物繊維)量

OurAge×Webエクラ おもなお酒の炭水化物(糖質+食物繊維)量

そう教えてくれたのは、糖尿病の専門家、「やさしい内科医」こと山村聡先生です。YouTubeでの体を張った血糖値実験が人気で、お酒に関しても、自ら飲みながら血糖値の変動をレポートして評判になっています。

意外!?お酒を飲みながらの食事は、血糖値が上がりにくい!

さて、今回の企画ではエクラ世代の6名が2週間、血糖値をモニタリング(*1)。点ではなく線で血糖値の変動をチェックしました。
*1:自動的に血糖値(正確には間質液中のグルコース値)を測ってくれる「FreeStyleリブレ2」を装着。

モニターのうち、お酒を日常的によく飲む人の血糖値の変動を見てみましょう。

まず、モニターTさんのある日。

OurAge×Webエクラ お酒は白ワイン

19時頃に夕食です。お酒は白ワイン2杯とともにポークグリル、大根サラダ、豆乳スープを食べましたが、血糖値はあまり変動がありません(グラフ[A])。

OurAge×Webエクラ 19時頃に夕食です

モニターTさんの血糖値の推移

OurAge×Webエクラ  血糖値はしばらくしてガクッと降下。糖質高めのエクレアを食べても上がらなかったのです。

さらに夕食後に赤ワイン1杯を飲みつつチョコエクレアを食べたのに、血糖値はしばらくしてガクッと降下。糖質高めのエクレアを食べても上がらなかったのです。

OurAge×Webエクラ エクレア

さらに、Tさんの別の日です。

OurAge×Webエクラ Tさんの別の日 ビール
OurAge×Webエクラ Tさんの別の日 フルーツサンド

別の日、モニターTさんの血糖値の推移

OurAge×Webエクラ 別の日のグラフ

16時頃にカフェでビールを2杯。つまみにうずらのピクルス、その後デザートにフルーツサンドを1切れ食べましたが、血糖値は上がるどころか徐々に下がりぎみ。

もしかしたら、お酒を飲みながら食事をすると血糖値は上がらないということでしょうか?

「実は、アルコール自体は血糖値をあまり上げないんです。逆に、下げることもあるほどです。Tさんが飲んだビールやワインにはある程度の糖質はありますが、それでも血糖値は上がらなかった。むしろ、糖質の高いお米やパンを食べても、お酒と一緒なら血糖値の上昇を抑えるんです。  

これには肝臓の働きが関係しています。肝臓はとても働き者で、糖をため込みつつも体内に出すという機能があります。その一方で、有害な物質を無害なものにする解毒作用も持っています。
人がアルコール類を飲むと、肝臓は毒であるアルコールを優先的に解毒する。その間、糖を出さなくなるんですね。血液中に、肝臓からの糖の排出がプラスされなくなるので、その分、血糖値の上昇が抑えられるんです」  

なるほど、お酒は血糖値を上げなかった。 しかも、お酒を飲みながら食事をすると、いつもより血糖値のピークが低くなる! 血糖値という観点からは、決して悪者ではなかったのですね。

お酒は血糖値を上げない。けれど健康への影響はとても複雑…

「ただし、糖質をとらないままアルコールを飲み続けていると、血糖値は下がり続けます。基準値よりも低い『低血糖』の状態になるんです。特に夜間の低血糖は睡眠障害や慢性疲労などの原因になることもあり、体には決してよくない状態です。血糖値が下がりやすいという自覚がある人は、お酒を飲むときに少しずつ糖質をとったほうがいいですね

アルコールによって血糖値は下がっていってしまう!
モニターのHさんの例ではそれが顕著でした。

ある日のHさん。17:00以降の血糖値を見てみましょう。

OurAge×Webエクラ ハイボール
OurAge×Webエクラ オリーブ牛のグリル

モニターHさんの血糖値の推移

OurAge×Webエクラ モニターHさんの血糖値の推移

17:00から食事会があり、ハイボールを皮切りに赤ワインも飲みながら、オリーブ漬け、ウフマヨ、パテドカンパーニュ、ホワイトアスパラのバターソース、オリーブ牛のグリル、カリフラワーのグリル、おまけに小さなバゲットも食べています。
それでも血糖値のピークは125mg/dL程度。

その後、21:00頃までにバーでハイボールを3杯飲みました。このあたりから(つまり飲むのをやめてから)血糖値はぐんぐん下がり…。23:00には就寝したはずが、午前1時半頃に低血糖が起きているのがわかります(グラフ[C])。

また、Hさんの場合はこんな日も!

OurAge×Webエクラ モニターHさん 赤ワイン
OurAge×Webエクラ モニターHさん プレート
OurAge×Webエクラ モニターHさん ケーキ

別の日、モニターHさんの血糖値の推移

OurAge×Webエクラ 別の日、モニターHさんの血糖値の推移

18:00頃に、料理をしながら赤ワインを飲み始めると血糖値が下がり始めます。
19:00過ぎにローストビーフ、サラダ、トマトマリネ&モッツァレラ、焼きそら豆などを食べて少し上昇。
20:20頃、赤ワインを飲みながら大きめのケーキを食べたのに、血糖値は思ったほど上がっていません。
この後、午前0:00には就寝。
すると午前1:00頃に血糖値がぐーんと上がり、血糖値スパイクが起きていました。朝方まで血糖値が下がり切りません(グラフ[D])。

お酒と血糖値の関係は奥深い。飲みすぎには注意を

飲んだり食べたりをやめて4時間もたってから、血糖値が急上昇することもあるとは驚きです! これについて山村先生の解説は…

「アルコールによって血糖値は抑えられていましたが、スイーツを食べたことで体に一気に糖質、しかも多めの糖質が入った。アルコールが覚めてからその反動で急に上がったと思われます。
血糖値というのは、インスリンなどホルモンの働きによって『下がったら上げようとする、上がったら下げざるを得ない』ということが起こっています。
よく、お酒を長時間飲んだあとにラーメンでしめたくなると言いますが、飲んで血糖値が下がっているときに糖質が高いものをとると、その後血糖値が急に上がります。そして、急上昇の反動で、今度は急に血糖値が下がって低血糖状態になる。つまり、眠っている間に血糖値が上がったり下がったりと乱高下することがあるんです。これは体にとってはよくない状態です。飲みすぎは健康にはよくないってことですね」

血糖値を上げない! と喜んでいたのもつかの間、一概に「お酒は血糖値的に〇」とはいえないようです。お酒が血糖値に与える影響、なかなか奥深いものがありました。

取材・文/蓮見則子
初出:OurAge 2024/8/18

食事だけじゃない。血糖値を乱す“意外な要因”

今さら聞けない! 血糖値と健康のリアルな関係

「40代、50代以降の女性が、どうして血糖値を気にする必要があるのかわかりますか?
高血糖が糖尿病につながるということはもちろんですが、それ以外にも注目してほしい理由があります。

ひとつは、血糖値の急上昇・急降下が頻繁にあると血管が傷つくということ。動脈硬化が進みやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などのリスクが上がってしまいます。

ふたつ目は、血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを出すすい臓が、酷使されて疲れてしまうということ。ただでさえすい臓は加齢で老化しますから、酷使されるとインスリンを出す力がいっそう弱くなります。そうなると血糖値が高い状態が続いてしまう。これもまた動脈硬化のリスクです。体中を巡る血管を守るためにも、血糖値の乱高下は避けるべきなのです」 

そう教えてくれるのは糖尿病の専門家であるドクター、やさしい内科医こと山村聡先生です。

血糖値を理解するために、用語を整理しておきましょう

OurAge×Webエクラ ※写真はイメージです。

●血糖値:血液中のブドウ糖の濃度のこと。
●インスリン:すい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる役目。
●血糖値スパイク:血糖値が急上昇し、その後急降下する状態。グラフにスパイクのようなトンガリができることからこう呼ばれます。特に血糖値ピークが180を超え、かつ30分で60mg/dL以上急上昇した場合を指します。
●空腹時血糖値:正常範囲は70~99 mg/dLが目安。
●高血糖:ここでは180 mg/dL 以上を明らかな高血糖とします。一般的には食後140 mg/dL を超えると注意が必要。
●低血糖:血糖値が70 mg/dL以下の状態のこと。特に 55 mg/dL以下 は「重度低血糖」

同じ人でもこんなに違う!仕事の日と休みの日で、血糖値の動きが別人級!

さて、山村先生が自身のYouTubeチャンネルで血糖値測定に使用しているのは、「FreeStyleリブレ」という血糖値の変動を持続的にモニタリングできる機器です。インスリン治療が必要な糖尿病の患者さんでは、数年前から保険適用になっているもの。

今回は、40代、50代の読者モニター4名がリブレを装着し、2週間にわたって血糖値をモニタリングしました。注目したいのは、日によって血糖値の変動パターンが大きく違うことです。

例えば、Mさんの血糖値を一日の変動グラフで見てみましょう。平日は会社に通勤してデスクワーク、土日は休日というライフスタイルです。

平日、デスクワークが多かった日の血糖値推移

OurAge×Webエクラ 平日、デスクワークが多かった日の血糖値推移

ある平日、通勤の日でした。
7:00朝食 11:00間食(赤福2個) 13:00昼食 17:30間食(栗ようかん&せんべい) 20:20夕食
通勤(徒歩20分+電車45分)×往復、仕事で外出徒歩50分+電車30分

休日、テニスや買い物へ出かけた日の血糖値推移

OurAge×Webエクラ 休日、テニスや買い物へ出かけた日の血糖値推移

ある休日、買い物やテニスの日。
8:20朝食 13:10昼食 15:30〜テニス80分 18:10間食(もちどら焼き)20:20夕食
買い物や移動で徒歩90分+電車10分

このグラフの大きな違い。山村先生に分析をお願いすると…

「デスクワークをしていた上のグラフの日は、ジェットコースターのように血糖値が乱高下していますね。まず、昼食で思い切り血糖値スパイクが起きています。昼食前におやつを食べて200mg/dLまで上昇し、さらに昼食を食べているのでもう一度上がっている。その反動でインスリンが多量に出たのか、今度は血糖値が急降下。そして、遅めの夕食でまた血糖値スパイクになっています。これはデスクワークの方の典型的なパターンです。グラフを見るだけで、急に血糖値が下がった午後の眠気が大変だろうなと想像できますね」

ちなみに、昼食後はエネルギーがすぐに消費されづらいため、糖質控えめの食事、早食いせずに時間をかけてゆっくり食べる、食後すぐに運動してエネルギーを消費する、などが血糖値スパイクを避けるために必要だそうです。  

「対する休日。こちらは仕事の日と比べて、変動が小さめです。テニスをした分、エネルギーが消費されて血糖値もストンと下がっています。小さなトンガリはふたつありますが、ピークが150mg/dLくらいなのでスパイクとはいえない程度ですね。仕事のストレスがないことも血糖値の動きが穏やかな理由かもしれません。オフィスに出社しただけで血糖値が上がる人もいるんですよ」

同じ人でも、平日と休日でこんなに血糖値の動きに差が出るなんて驚きです!

「食べ物の糖質量が血糖値を左右することは明らかですが、血糖値に影響するものはほかにもあるんです。例えば、何も食べていないのに血糖値が上がったり下がったりするのは、ストレスとかホルモンの影響だったり、運動の有無も関係しますお風呂に入っただけでも血糖値は変動するし、空腹の長さも影響するんですよ」

※血糖値の変動には個人差があり、モニターの結果はあくまで一例です。同じ食材をとっても人によって、また食べるタイミングなどによって変化します。
※モニターはFreeStyleリブレ2を2週間装着して間質液中のグルコース値を測定しました。間質液中のグルコース値は血糖値と相関することが知られています。
この記事中では、間質液中のグルコース値を「血糖値」としています。

取材・文/蓮見則子
初出:OurAge 2025/2/27
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