住む人の個性が最も色濃く現れる壁面インテリア。今回は食空間プランナーでもあるJマダム・長坂美奈子さんのご自宅を拝見。居心地よく暮らすためのしつらいのコツを伺った。
都内マンションに家族4人で暮らす。月に6~7回ほど、テーブルコーディネートと料理のサロンを自宅で開いている。
廊下突き当たりの壁に、壁の色になじむ色彩のアートフレームを。下に白いコンソールを置き、四季折々の雑貨を飾って楽しむ。写真左上から、春の花、夏の多肉植物とヒトデ、秋のかぼちゃ、冬の赤いバラとオーナメント。
リビングの壁を白いレンガ調タイルでデコ。その横の壁には、飾り棚を友人の建築家に特別発注。真っ白ではなく木目が浮き出る塗装にもこだわりが。
玄関の壁には、建築の細密画を額装したアートフレームを。『ブランドジュリエ』や『オルネ ド フォイユ』などのインテリアショップで購入。
マンションの白壁を塗装やタイルで個性的に
長坂さん一家が都内のゆったりとしたマンションを購入したのは、今から4年前。壁はすべて白。床は白×グレーの大理石。白っぽい空間は明るく広々として見えましたが、ともすると殺風景でクールな印象にも感じたそう。
「玄関からつながる長い廊下に温かみを出したくて、引っ越し前に壁を塗り替えることにしました。でも、どんな色を選べばいいのか悩んでしまって。床はグレーのマーブル模様だけれど、私が好きなのはブラウン系の色。ちぐはぐにならないか心配で、微妙なニュアンスカラーが豊富なイギリスのファロー&ボール社の色見本を取り寄せ、1週間迷いました。ほんのりピンクみを帯びた濃いベージュの『オックスフォード・ストーン』という色に決め、職人さんに壁紙の上から三度塗りしてもらいました。結果、とても満足しています。廊下が暗くなることもなく、温かみがあり、床との相性も問題なし。壁紙のザラッとした質感が残っているので、まるでテキスタイルをはったようなクラシックな雰囲気も気に入っています」
その後少しずつ、絵を手に入れて壁に飾るように。長坂さんが求めるのは、主張しすぎないシンプルな絵柄やフレームで、壁の色に
なじむこと。
「私にとって壁に飾るアートは、壁にニュアンスをプラスするもの。なのでインパクトのある芸術作品ではなく、色数が少なく、壁色になじむ落ち着いた雰囲気のものをお気に入りのインテリアショップでセレクトしています」
だから壁のアートはめったに取り替えない。そのかわり、その下に飾る雑貨類は季節に合わせて楽しんでいる。
「例えば廊下の突き当たりに飾った絵の下に白いコンソールを置き、その上に四季折々の雑貨をディスプレイします。春なら淡い色合いの草花と白いレース、夏は多肉植物や海のものなど。夫は、特に何か収納するわけでもないのに、なぜそこにコンソールを置くのか不思議そうでしたが(笑)」
さらに、リビングの壁の一面に白いレンガ調のタイルを貼りつけた。これも、壁にニュアンスをつけるためのアイデア。
「当初は目地も真っ白にする予定でしたが、手違いでグレーに。ちょっとショックでしたが、テレビなどの黒やシルバーの写真立てなど周囲のインテリアに自然になじむことに気づき、今では満足しています。廊下やリビングなど共用部分の壁面インテリアは、やはり落ち着いたトーンにするとわが家にはしっくりくるようです」