春を迎える準備が始まる3月。季節とともに変化する茶道の美しさを味わいました。
3月の茶道お稽古
3月も下旬となりました。
先週まで雪が降ったり寒の戻りもありましたが、ようやく春の訪れを感じるようになりました。茶道のお稽古にも季節の移ろいが表れています。
釣り釜への移行
お稽古途中のお道具。茶器にも春を感じます。
茶道は11月から炉を開き、炭火を使って湯を沸かします。
そして、春が近づく3月になると炉を閉じ、「釣り釜」を用いるようになります。
「釣り釜」への移行は、茶道の中で春の到来を告げる象徴的なもの。
春風が吹きはじめたこの季節、東風(こち)にゆっくりと揺れる釜をみて、季節の移ろいを亭主と客が感じ合えると言うことだそうです。
うーん深い。
3月:天井から吊るされる釣り釜に変わりました
日本の伝統文化には細部にまで趣があり、お稽古に行くたびに茶道の奥深さを感じています。
実際のところ、柄杓でお湯をすくうたびにゆらゆら揺れる釣り釜。
春を感じると同時に気が引き締まる瞬間でもあります、、。
冬:「炉」のお稽古の様子
私にとって茶道は心のあり方を表してくれるものの一つ。
沸き立つお湯の音、お茶を立てる茶筅の音だけがする静寂に包まれた空間で、気持ちを毎回集中させてお稽古に取り組んでいます。
全体的にまとまりのあるお手前ができたかと思えば、手先まで神経が行き届かず手順を間違え、雑なお点前になったと感じることもあります。
しかし、自分を内観できる貴重な時間であり、茶道のしきたりの教えを請いそれを習得できること、亭主である先生のおもてなしの意味が少しずつわかることが楽しく、人生がより豊かなものになっていると感じています。
床の間のしつらえ
床の間には、宗哲による雛人形の掛け軸。黒ボタンと小手毬のお花がかざられていました。
雛人形は春の華やかさを演出。黒ボタンの深みのある色合いは落ち着きと品格を、小手毬の可憐な白い花が春の軽やかさを添えています。
小手毬の可憐さが可愛らしい
「乳はなす児の顔しろし春の宵」
釣り釜の揺らめきと、床の間のしつらえ。
なにか一つが特別目立つわけでもなく、それでいて一つ一つにきちんと意味が備わり、全体を見ると調和がとれている茶の湯の世界。
茶道のお稽古を通じて、春の訪れを五感で楽しむひとときとなりました。