東京の春は、思いがけない場所でふと足を止めたくなる美しさに出会える。飯田橋から市ヶ谷、四ツ谷まで、桜咲く道をゆっくり歩いてみた。
春になると決まって訪れたくなる場所がある。外濠(そとぼり)沿いの桜並木。JR飯田橋駅から市ヶ谷駅までのこの道は、オフィス街のすぐそばにありながら、静けさを湛えている。
総武線&中央線を見下ろす構図がおもしろい場所。
奥に見えるのはカナルカフェ。
お濠沿いの遊歩道を歩くと、満開の桜がまるで天蓋のように頭上を覆い、ピンクのトンネルになっている場所もある。満開直後だったため、足元にはまだ花びらはあまりない。
花曇りの午後、柔らかな空気に包まれる桜には趣がある。
手前に咲くのはハナニラ。遠くに防衛省が見える
橋を渡って、外堀通りに。法政大学のボアソナード・タワーがよく見える。
オレンジ色の電車は中央線。
この日は平日だったせいか、散歩する人はあまり見かけなかった。
途中、桜並木の合間に見える水面には、カモの親子の波紋が広がっていたり、都心の中にあるとは思えないほどゆったりとした空気が流れていた。
市ヶ谷駅を過ぎたところには・・・
外濠沿いの桜並木を抜け、市ヶ谷駅で脇道にそれると、亀岡八幡宮の階段がひっそりと、でも堂々と姿を現す。大通りの喧騒の空気がわずかに変わる。
派手さはないが、丁寧に守られてきたことが伝わる佇まい。
かなり急な階段!奥に見えるのが外堀通り
花手水
社殿の前で手を合わせ、深呼吸をひとつ。
春の風が気持ちよい。
心のざわめきが静まるようだった。
階段を下りて、四ツ谷方向へ。
また脇道に入る。細く、くねくねとした道が入り組んでいる。
Googlemapに経路として出てきた道なのだが、ここで合っているのか不安になるほどの細道。
四谷坂町というだけあって、坂が多い
ビル群だけが東京ではない。こういう道が残っているのも東京の面白さだ。
坂の途中、博物館を発見!
新宿歴史博物館。
「写真と絵画でみる昭和30年代の東京風景」という企画展のポスターがあり、入ってみることに。
昭和30年代の青柳安彦さんの写真と、堀潔さんの水彩画。それと並列で現代の写真とが飾られている。この約70年前で東京は様変わりしたことがよくわかる展示だった。
今年は「昭和100年」。改めてこの100年間を振り返る機会も多いと思う。
そしてこれからの100年も想像する。
東京の桜、路地、坂。静かな風景はこれからも残したい風景だ。
新宿歴史博物館
博物館の中庭。高低差を活かした作り