池袋にある名建築「自由学園明日館」で、和菓子ワークショップに参加してきました。
季節の上生菓子を職人さんの手ほどきで学べる贅沢な秋のお稽古。
大人のお稽古として、とても贅沢な体験になりました。
名建築で秋のお稽古体験|池袋・明日館にて
池袋駅から少し歩いた場所に佇む自由学園明日館(みょうにちかん)は、
アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが設計した
国の重要文化財にも指定されている歴史的建築です。
外観も内装も直線と曲線が美しく調和していて
一歩足を踏み入れるだけで、まるで時間がゆるやかに流れるような感覚に。
この建物で和菓子を学べるという特別な講座は、
それだけで「文化を体験する」という言葉がしっくりくるような一日でした。
池袋・自由学園明日館の美しい外観。広い芝生の庭に囲まれたフランク・ロイド・ライト設計の名建築です。秋空に映える独特のフォルムが印象的。
幾何学模様の窓から光が差し込む室内。柔らかな陽光が床に反射し、明日館ならではの静謐な空気を感じさせます。
一直線に伸びる廊下と特徴的な照明。シンメトリーな設計と和洋折衷のインテリアが心地よい緊張感を醸し出します。
2階から見下ろす明日館のホール。幾何学模様の窓から差し込む光と影のコントラストが幻想的な美しさを演出します
想像以上に集中する、繊細な手仕事
先生による見本。ふんわり包まれた餡、練り切りの繊細さ、丁寧な手仕事が伝わります。
今回教えていただいたのは、秋の花をかたどった上生菓子です。
写真右は「こかたし」
今が見頃の山茶花(サザンカ)の古名。
綻び始めた蕾の繊細な花びらと儚い佇まいが美しい一品。
写真左は「曼荼羅」
幸福をもたらす「天上の花」とされる椿を表現したもの。
紅白の花びらを練り切りで丁寧にかたどります。
あえて形を直線的に仕上げることでモダンな印象になるそう。
講座が始まる前のセッティング。木の台、道具一式、白布の上に整然と並ぶ準備が緊張感を高めます。
白・ピンク・黄色など季節感あふれる色の素材は和菓子作りの楽しさの一部。
和菓子職人の先生が実演を披露。参加者が真剣に見守るなか、和菓子作りの所作を丁寧に学びます。
餡を包み(包餡)、丸め、葉やしべをのせていく工程は
一見シンプルそうに見えても実際にやってみると驚くほど繊細で難しい。
少し力を入れただけで形が崩れてしまったり、いびつな形になってしまったり。
さらに乾燥する今の季節は、細部がひび割れやすく思った以上に気を遣う作業でした。
静かに集中しながら、先生の手元を思い出しては自分の指先に意識を向ける・・・。
そんな時間が続きます。
これからいよいよ形を作っていきます。
丸めた練り切りの成形途中。ここから葉やしべを加えて、上生菓子としての完成に近づけていきます。
先生は一つを約2分で美しく仕上げるのに対し、私は10分以上。
丁寧さとスピード、どちらも求められるのが和菓子作りなのだと実感しました。
完成した練り切りに、達成感もひとしお
形が整って、金皿にのせたときの満足感といったら…。
淡い桃色と葉の緑が上品で少し誇らしい気分になりました。
右が初めて作ったもの、左が二つ目。少しずつ上達している?
完成した上生菓子「曼荼羅(椿)」と「こかたし」。持ち帰り用の和菓子ケースに入れて。
和の趣ある窓辺に置いて撮影した「曼荼羅」自然光と金皿のコントラストが、上品な和菓子の美しさを引き立てます。
最後に、先生が点ててくださったお抹茶と一緒に作りたての練り切りをひと口。
ほっとします。
自分の手で形にした和菓子を味わう時間は、作る過程とはまた違ったやさしさがありました。
学びの余韻に浸るひとときは格別でした。
和菓子作り×建築美|五感で味わう学びの時間
明日館という特別な空間で体験できたことが、和菓子作りをより特別なものにしてくれました。
柔らかな秋の光と静かな空間、丁寧に整えられた机・・・。
全てが「大人のお稽古」にふさわしい雰囲気をつくっていたと思います。
先生も「この空間でやるのがいいですね」とおっしゃっていました。
ー「どこで学ぶか」が体験の質を変えるー
そんなことを実感した一日でした。
2階の図書室の一角。フランク・ロイド・ライトの美意識が細部に宿ります。 光と影のコントラストが、読書の時間さえも美しく演出してくれます。