「実家じまい」にあわせて知りたい「生前整理」と「遺品整理」について。家財整理業の上野貴子さんに3つのポイントを伺った。
円滑に進めるカギは親とのコミュニケーション
実家じまいと切っても切れないのが、家財整理。その道のプロ、上野貴子さんいわく、「親とともに行う生前整理で大切なのは、自分とは異なる親の価値観を受け入れ、寄り添うこと」。
「子供から見ればゴミでも、親には捨てられない理由があるのかもしれません。『こんなものとっておくなんて』などと否定すると、親は心を閉ざしてしまいます。生前整理を円滑に進めるカギは、親子の信頼関係なのです」
それは、遺品整理の場合も同様。
「思い出の品を手に、『もっと親と話をしておけばよかった』と、後悔される依頼主を何人も見てきました。生前に親の意向をある程度聞いておけば残すものと処分するものの判断がしやすくなりますし、親の人生を知ることで改めて感謝の気持ちが生まれるかもしれません。それが、遺品整理の精神的な負担を少し軽くしてくれると思います」
Point1 遺品整理は「残す量」と「数」を決めるとスムーズ
生前整理の主な目的は、不要なものを処分すること。その場合も親の意向は尊重を。「不要品に思えても親が大切にしているなら、手をつけずそのままに。自分の意向が尊重されれば、親も満足し、こだわりのないものは思いきって処分してくれるかもしれません」
遺品整理は、保管先のスペースを念頭に、残しておきたいものの数や量を決めておくとスムーズ。「ダンボール1箱までとか10個までと決めて取捨選択し、終わったあと、それ以上残っていれば再度見直してください。どうしても絞れなければ残してもかまいません。遺品は一度処分したら、二度と手に入らないものばかりですから」
大量の物を前に、ひとつひとつ「いる」「いらない」を判断するのは至難の業。自分の中で基準を決め、ある程度割り切ることも必要だ。
Point2 業者に任せる場合は、「丸投げ」でも「一部のみ」でもOK
生前整理も遺品整理も、ひと昔前までは家族で行うのが主流だった。けれどそれは、人手が多い大家族だからこそ可能だったこと。「今は核家族が大半で夫婦共働きも多くなっています。忙しい合間を縫って、家族だけで実家の片づけを行うのは負担が大きすぎます。プロの手を借りることは恥ずかしいことではありませんから、大いに利用してください」
プロに任せる際は、丸投げしても一部だけお願いするのでもOK。家電リサイクル品の処理や不用品のリサイクルなど、“片づけのその後”を依頼することも可能だ。
「こんなことをお願いするのは……という、ためらいは無用です。また、当社の場合、保管場所がわからなくなった大切な書類や貴重品なども、事前に知らせていただければ探し出しますよ」
Point3 業者は「誠実な対応」と「明朗な見積もり」で選んで
家財整理で思わぬお宝が見つかることも。だからこそ信頼できる業者に依頼したい。「見極める秘訣のひとつは、電話応対がきちんとしているかどうか。なかには取次のみという業者もあるので、質問に対して誠実に、きちんと答えてくれるところを選びましょう」
見積もり後に断るとキャンセル料をとられるケースや、最初の説明にはなかった追加料金をとるケースもあるため、そのあたりも電話で確認を。「必ず相見積もりをとり、複数の業者を比較してください。片づけはケースバイケースなので金額の目安を出すのはむずかしいですが、『一式100万円』のようなざっくりした見積もりや極端に安い場合は要注意。見積もりと請求額が異なる危険性もありますから。細かく明細を出し、ていねいに説明してくれる業者のほうが安心です」
費用目安
間取り:1K 作業員数(目安):1名の場合 合計金額(税込):¥38,500~
間取り:1DK 作業員数(目安):2名の場合 合計金額(税込):¥66,000~
間取り:1LDK 作業員数(目安):3名の場合 合計金額(税込):¥88,000~
間取り:2DK 作業員数(目安):4名の場合 合計金額(税込):¥132,000~
間取り:2LDK 作業員数(目安):4名の場合 合計金額(税込):¥165,000~
間取り:3DK 作業員数(目安):5名の場合 合計金額(税込):¥198,000~
間取り:3LDK 作業員数(目安):5名の場合 合計金額(税込):¥220,000~
間取り:4DK 作業員数(目安):6名の場合 合計金額(税込):¥253,000~
間取り:4LDK 作業員数(目安):6名の場合 合計金額(税込):¥286,000~
※ワンズライフの場合。あくまで目安の金額。