贈答の目的は、自分の気持ちを品物に託して届けること。茶人・千 宗屋さんに贈り物の日常マナーを伺った。贈る側も贈られる側も、ギフトを媒介にして、心を通わせあおう。
茶人・武者小路千家家元後嗣
千利休を祖とする武者小路千家第15代家元後嗣。茶事や講演、執筆活動を通して茶道文化を発信する。古美術や現代アートにも造詣が深い。著書に『いつも感じのいい人のたった6つの習慣』(小学館)など。2児の父。【贈り物編】日常マナー
相手を思って品物を選べば気持ちが伝わる贈り物に
「贈り物は、気持ちを贈る行為。どんなものなら喜ぶかなと、思いをめぐらせ、時間をかけて選ぶことこそ重要です。その心は相手に必ず伝わり、印象に残ります。その点、カタログギフトは誠意が伝わりにくく、あまりおすすめできません」(千さん)。贈られた側は必ずお礼の連絡をして、結婚祝いや出産祝い、香典などをもらった場合は、半分から1/3程度の金額のお返しを。「食べ物をいただいたら『おいしくいただきました』と感想を、ハンカチや身につけるものなどなら、次にその人と会うときに、使っている姿をお見せすると喜ばれます。品物ではなく気持ちをいただいたという意識をもち、お相手との関係性を深める機会にしてほしいですね」。
改まった進物にはのし紙をかける
改まったあいさつや慶事の進物には、のしと水引が印刷されたのし紙をかけるが、生ものを贈る際は不要で、弔事には水引のみ印刷されたかけ紙を使う。「正式なお祝いは、包装紙の内側にのし紙をかける『内のし』がふさわしいとされますが、楽屋見舞いなどは贈り主がわかりやすいように『外のし』にするなど、場面に応じた心くばりを」。
品物をただ贈るだけでなく、言葉で気持ちを添えて
贈り物を直接手渡しできないときは、配送後に電話で「お送りしました」と連絡するか、メッセージカードをつける。「物を贈ることが目的ではありませんから、お祝いやお見舞いの気持ちを言葉で伝えてください。カードは、定型文が印刷されたものではなく、その人へのメッセージを手書きでしたためるとベスト。印象に残るギフトになるはずです」。