アラフィー世代が友人との関係を見直したいと思うのはなぜ? 友人を整理したいと思うのは正しいこと? メンタルケア・コンサルタントの大美賀直子さんに、その心理を解析してもらいました。
心の境界線をきちんと引ければ友だちを切る必要はなくなる
人生100年の時代になり、これから50年近く続く人生の中で友だちとどう付き合っていくべきか。アラフィー世代の多くが抱える悩みに、「心理学的に見ても、アラフィーは一瞬立ち止まって友人との関係を見直す時期なんです」と大美賀直子さんはいう。
「友人とのつながり方は年齢とともに変化します。10代半ばは親密度が高く、なによりも友だちが大事。それが20~30代になると恋愛や仕事や子育てで多忙になり、友人の存在は薄れていきます。やがてアラフィーになって子育てが一段落すると自由な時間が生まれ、もう一度友人と語りあいたい!と思うようになる。友だちの存在が再び大きくなるのがアラフィーなんですね」
友だちを求める気持ちが強くなる一方で、「実は人間の成熟過程において友人とのかかわりが重要な意味をもつのは、20代前半まで」と大美賀さん。
「現代人には3つの居場所が必要だといわれています。一番大事なファーストプレイスは家庭(家族)、2番目のセカンドプレイスは仕事や自分の情熱を傾けられる活動の場。そしてサードプレイスはお気に入りのカフェやSNSのような、退屈な日常に彩りを与える場のこと。成熟した大人であるアラフィーに必要なのは、楽しい刺激を与えてくれるサードプレイス的な存在の友人です。それを「もっとわかりあいたい」とか深い関係を望むから、こんな友人は『いる・いらない』という話になってしまうのでは」
人間を樹木にたとえて友人関係を解説すると、アラフィー世代の友人は枝の部分に当たるという。
「必要な栄養は幹(家族や仕事)で吸い上げるので、成熟してからの自分に枝=友だちはあまり重要ではありません。でも、いい枝ぶりは樹木を美しく元気に見せてくれますよね。時には変な方向に曲がったり、折れかけている枝、つまりあなたに迷惑をかけたり傷つけようとする友人が出てくるでしょう。そのときは斧でバッサリ切らなくても、枝を剪定する感じで、ハサミをちょいちょいと入れて短くすればOK。友情を重く考えすぎず、もっと広い視野で人間関係を考えてください」
いい友だち付き合いをするには、自分の軸をもつことも大事だという。
「自分軸がしっかりあると、周囲の人間と自分の間にきちんと境界線を引くことができます。その境界線は他人を遠ざけるためのバリアではなく、自分が守るべき範囲を明確にする柵のようなもので、バウンダリー(心の境界線)と呼びます。バウンダリーがあいまいだと他人の感情に影響されやすくなり、それが原因で対人関係で悩むことも。友人関係がつらいと感じたら、まずは自分の心を見直してみましょう」
【“友情”の変遷】
《高校・大学時代》
親友とじっくり内的世界を語りあう
友人からの承認と同調性がすべてだった中学時代が終わり、高校生になるとまわりの仲間とは違う、自分らしい生き方を求めるように。同世代以外の人間にも友人を求め、議論を交わして自分とは何かを見つけようとする。
《20代》
同性よりも、異性との親密性を重視
就活を通じて内面と向き合い、自分らしさ探しが続く。その一方で異性との付き合いが深まり結婚を考える時期になるため、友だちの存在が少しずつ薄らぐが、逆に友人がライバル的な存在になるケースも。
《30代~40代前半》
日常に忙しく、友だち関係が薄らぐ
結婚して子供を育てながら、家庭の経済を支えるために共働き。超多忙な日々の中で友だちはたまの息抜きやお悩み相談的なポジションに。ママ友との付き合いはあるが、子供の成長とともに離れる期間限定の存在。
《エクラ世代》
友だちはサードプレイス的な存在
子育てが一段落して自由な時間が生まれ、残りの人生が見えてくることから、後半生の自分探しを始める時期。再び友人の存在が高まるが、実際の友人の役割は、楽しい刺激をもたらすサードプレイスがちょうどいい。