エクラの読者アンケートでも、特に関心が高かったのが「介護にかかるお金」。親が要介護状態になった場合、大半は介護費用以外に医療費用も考えなければなりません。それらが高額になった場合に活用したい制度の詳細や大体の費用相場を、在宅介護エキスパートの渋澤さんがご紹介。
教えてくれたのは…
親が認知症になったら、いったい、いくらかかるの?
読者アンケートでも、特に関心が高かったのが「介護にかかるお金」。
「親が要介護状態になった場合、認知症にかぎらず、なんらかの病気を患っているケースが大半だと思います。つまり、『介護にかかるお金』は、介護費用以外に、医療費用も考えなければならないということ。要介護度や病状によって異なりますが、私の経験をもとに、認知症で要介護3、自己負担額1割で想定したのが下のケース。在宅介護だと、家賃や光熱費、食費なども必要になります」
介護費や医療費が高額になった場合、自己負担を軽減する制度の活用を。医療費は「高額療養費制度」、介護費は「高額介護サービス費」、どちらも高額になった場合、「高額医療・介護合算制度」が利用でき、申請すれば所得などの諸条件で決められた自己負担上限額を超えて支払った分が戻ってくる。
「親の介護は、親のお金で。親の資産と収入内で受けられる介護方法を選んで」
《医療費用の想定額》
◆通院費 … 6,000円/月(アルツハイマー型認知症で服薬、関節痛で湿布、マッサージ、診察など)
◆入院費 … 平均220,000円/回
(生命保険文化センター調べ)
◆入院雑費 … 50,000円/回(差額ベッドレンタル費、オムツ代など)
※年間で、通院費72,000円、年1回の入院で270,000円、合計で約350,000円が目安。
《介護費用の想定額 (要介護3を想定)》
在宅介護の場合
◆介護サービス費 … 30,000円/月
◆その他 … 30,000円/月
(福祉用具代、オムツ代など)※年間で720,000円が目安。
施設介護の場合
◆公的介護施設 … 平均150,000円/月(介護サービス費、生活に必要な費用を含む)
◆民間介護施設 … 平均220,000円/月
(同上)※年間で1,800,000~2,640,000円が目安。
1年間の介護にかかるお金の目安は……
在宅介護の場合は、110万円程度
施設介護の場合は、220~300万円程度
親を介護する際に心がけるべきこと《From在宅介護エキスパート》
1.気持ち・時間・お金に優先度を
仕事が忙しくて介護できない(時間がない)なら、お金を使ってプロにゆだねる、親の介護は自分がしたい(気持ちを優先)なら、自分の時間が減ることを覚悟するなど、気持ち・時間・お金のどれを優先するか決めると、介護の方針が固まりやすくなる。
2.介護の情報にアンテナを張る
介護保険制度や介護施設の特徴、車いすの扱い方といった具体的な介護の方法のほか、認知症の症状や問題行動、家族がとるべき対策など、有益と思われる情報を収集。そこから、親の状態や自分たち家族の状況に合わせ、最適な手段を選択して。
3.「完璧」より「割り切り」が大切
親が薬を飲みたがらないなら、好きなプリンに混ぜてしまう。そんなふうに、「目的を達成するのは、正攻法でなくてもOK」と割り切ることも時には必要。たとえプロでも、完璧な介護はむずかしい。「7割できれば上等」くらいの心構えで臨むのが○。