できれば避けたい夫の実家とのもめ事。ところが「アラフィーの声を聞くころから、否応なく義実家との付き合いが増えてきた」という声が。その背景について専門家ふたりに聞いた。
ひきこもりにマウント。義きょうだいこそくせ者!?
子供の成長とともに少しずつ頻度が減っていた夫の実家との付き合い。ところが「アラフィーになったころから、また、夫の実家のことでモヤモヤする回数が増えてきた」という声をよく聞く。
義実家問題に関するアンケートでも、「将来の介護が気になるのか、最近、70代の義母がなにかと私に会いたがるのがうっとうしい」(会社員・53歳)、「足腰が弱くなってきた義両親の生活をどうするかで、義姉や義兄から連絡がくるのがイヤ。正直、その問題は夫と話すべきだと思う」(主婦・51歳)といった声が多数あり。
アラフィーになって義実家トラブルが炎上する最大の理由は、義両親の高齢化と、そこから始まる同居や介護、相続の問題。さらにエクラ世代の場合、「そこに世代問題がからんでくるので厄介です」と語る小谷みどりさん。
「人生のやり直しがきかない年齢になると、まわりの人間に自分の価値観や歩んできた人生を否定されるのは、死ぬほどつらいことなんです。特に昭和20年代に生まれた団塊世代の人たちには、『自分たちが日本の高度成長を支えた』という自負があります。体は確実に老化していても、まだまだがんばれると意気軒高で、子供のアドバイスに耳を傾けようとしないし、むしろ自分こそ正しいとばかりに価値観を押しつけてくる人も多い。アラフィー女性の場合、義両親の多くがまさにその団塊世代ですから、彼らの老化がすすむと、意見の対立や感情的にぶつかり合うことが増えてきます」
親世代の体力や適応力が衰える一方で、エクラ世代は年々、心も考え方もタフになってくる。「この逆転現象が火種になるケースも多い」と大美賀直子さん。
「若いころは夫の実家の人々の言葉に振り回されたり、ビクビクしながら付き合っていたという人がけっこういると思います。それが、人生経験を重ねてアラフィーになると、心が強くなり、自分の価値基準もしっかり確立されて、違うものは違うと主張できるようになってくる。夫の両親や義きょうだい、さらに親戚など、義実家の人々の理不尽さをずっとガマンしていたけど、10年たったある日突然、怒りを爆発させたという話も聞きます。義実家の人々にすると、『なぜ? 突然、嫁が……』ということでも、アラフィー女性にとっては自然の流れなんですね」
また最近は、義きょうだいとの間で起こるトラブルで悩むエクラ世代が急増している。
「義母が要介護5になり、夫と私は施設に移ることをすすめたけど、義母と暮らす独身の義姉は自分が介護するといって聞かない。なのに、仕事が忙しいと突然私に世話を頼んでくるので困る」(自営業・48歳)、「働かずに実家暮らしをして、もう10年以上も義父のすねをかじり続けている43歳の義妹。義母に『△△(義妹)のことお願いね』といわれるたびに気分が落ち込む」(会社員・49歳)──など。
「義両親が要介護になり、施設で暮らすほうが明らかに生活の質が向上する場合でも、世間体や自己満足で施設を拒む義きょうだいがいるために、話が進まないというケースも耳にします。
一番深刻なのは非正規雇用や、ひきこもりの義きょうだいです。50歳男性の生涯未婚率は約25%で、4人にひとりが未婚のまま。そのかなりの割合がひきこもりともいわれています。よほどの資産家でないかぎり、いずれは働かない子供の将来をどうするかという問題がほかのきょうだいにのしかかってくる可能性も」(小谷さん)