「実家の片づけ」を“今”すべき理由とは?片づいていないとなぜ困るのか?【知っておきたい「実家の片づけ」の新真実】

両親のために実家をすっきり片づけようとしているのに、親から文句が出てくるのはなぜ? どうすれば気持ちよく片づけることができるの? 片づけのプロふたりがアドバイス!

教えてくれた人
片づけヘルパー 永井美穂さん
片づけヘルパー 永井美穂さん
介護福祉士として在宅介護に携わった経験から、高齢者が健康で安全に暮らせる環境づくりと、片づけの実施を提案。‘09年から日本初の片づけヘルパーとして活動。著書に『親の健康を守る実家の片づけ方』(大和書房)がある。

https://www.mie-style.com/


「遺品整理の埼玉中央」代表 内藤 久さん
「遺品整理の埼玉中央」代表 内藤 久さん
父の遺品整理を経験したことでホテルマンより転身し、’05年にさいたま市で東日本では最も早く遺品整理事業を開始。生前整理も含め、作業累計1950件以上。『図解 親の財産を見つけて実家をたたむ方法』(ビジネス社)ほか著書多数。

https://ihinshori.com/

親の家は親の家、子供の家ではない。親の気持ちを尊重して

久しぶりに実家を訪ねたら以前とは様子が違う。テーブルや床にモノを置きっぱなしで、あちこちにホコリがたまっている……。
「皆さん、あんなにきれい好きだったお母さんが!とまず驚かれ、次に自分がこの家をなんとかしなきゃと片づけにとりかかります。ところがいざ片づけを始めると、収納からあふれたモノを捨ててスッキリさせたい娘と、すべてが大事なものだと思っている母の間で、親子バトルが始まってしまうんです」と語るのは、片づけヘルパーの永井美穂さん。

遺品整理業として数多くの実家の片づけに携わってきた内藤久さんは、片づけをめぐって親子が対立する理由をこう考える。
「モノを粗末にするなといわれて育った親世代は、多少古ぼけていても、気に入らない品物でも、もったいない、思い出の品だからと捨てるのをいやがります。ところが子供たちは、親が生きてきた時代背景やモノへの強い思いを考えずに『処分しろ』という。両親の怒りの原因はそこにあるんです」

そもそも実家は自分の家ではないことを忘れないで、と永井さん。
「モノが多くて乱雑でも、両親はそれほど困っていないし、子供の理想を押しつければ、親は反発するものです。とはいえ、散らかり放題にしておくと、床のモノにつまずいて転ぶ危険があるし、不衛生。また、大事なものがすぐに見つからないという弊害もあります。突然入院するような事態が起こることを想定して、少なくとも床に散らかったモノは片づけて、安全な環境をつくりましょう」

日ごろの会話で親の好みや『遺志』を知ることが大事

親を悲しませずに片づけを進めるには、どうすればいいの?
「まずは、両親とたくさん話をしてください。大事にしているものの思い出話を聞き、最近の暮らしぶりをたずねて、今後の生活に必要なものは何かを考えます。片づけを始めるのはそれからで、親の好みや希望を尊重しながら、いるもの・いらないものを分けましょう。時間はかかりますが、片づけは親の心に寄り添うことが、一番の近道なんです」(永井さん)

遺品整理も、日ごろのコミュニケーションが頼りになるという。
「残された膨大な写真や手紙、思い出の品々を前に、何を残し何を処分すればいいのか見当もつかず、呆然とされるご遺族は少なくありません。生前、モノにまつわるご両親の話を聞き、何を残したいか、たずねてみましょう。それが親の遺志を引き継ぎ、納得のいく遺品整理を行う秘訣です」(内藤さん)

実は、みんな困っていた!

チームマダム®アンケートから見えてきた、実家の片づけ事情

Q1. 現在、実家の片づけで悩んだり、気になったりしていることはありますか? 

現在、実家の片づけで 悩んだり、気になったり していることはありますか? Yes76% No24%

Yes 76%
No 24%

約3/4の読者が片づけで気になることがあると回答。一方で、具体策をとっているのは約半数で、両親とうまく折り合えない現状が伝わってくる。

Q2. 実家の片づけ問題について、具体的に対策をとっていますか?

実家の片づけ問題について、具体的に対策をとっていますか? Yes 58% No 42%

Yes 58%
No 42%

「なるべく実家に行くようにして、冷蔵庫内をチェックし『捨てていいか?』はあえて聞かずに捨ててしまうことも。腐ったものを食べて病院に行くよりよっぽどいいからと、親に日ごろから説明しています」(49歳・会社員)

「家族がいくらいっても改善しないので、区に相談。今は地域包括支援センターに介入してもらっています」(52歳・主婦)

「父の入院中に床に散らかったチラシや冷蔵庫の中身を片づけましたが……、戻ってきた父は烈火のごとく怒り、手がつけられない状況に。少し片づけることは入院前に了解してもらっていましたが、忘れてしまったよう。親戚などとも話し合いましたが無理でした」(48歳・派遣社員)

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取材・原文/浦上泰栄 イラスト/北住ユキ ※エクラ2022年2月号掲載

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