アラフィー女性におすすめの本をピックアップ。直木賞作家の山本文緒が末期の膵臓がんの中、つけた日記『無人島のふたり』ほか、人生を豊かにしてくれる、今読みたい4冊をご紹介。
がんで逝(い)った直木賞作家からの贈り物
『無人島のふたり』
山本文緒
新潮社 ¥1,650
末期の膵臓がんで抗がん剤治療をしなければ余命4カ月、しても9カ月。突然、医師に告げられた著者は、緩和ケアだけを受け夫と自宅で過ごす選択をし、日記をつけ始める。2021年5月から10月4日、58歳で亡くなる9日前まで。激しい痛みや吐き気、熱に苦しめられても、その筆致は淡々としていてユーモアさえにじむ。死を受け入れ、愛する人たちとの別れを悲しみはするが、作家としての矜持と執筆欲を保ち続ける。山本文緒という作家と出会えたことに感謝したくなる。
大切に思える誰かの存在が、人を強くする
『光のとこにいてね』
一穂ミチ
文藝春秋 ¥1,980
7歳のとき偶然出会った結珠(ゆず)と果遠(かのん)。身勝手な母親に翻弄される少女たちは、境遇も性格もまるで違うのに惹かれ合い、離ればなれになっても互いを心の支えとして成長していく。胸の奥底に潜む名づけがたい感情をも浮き彫りにする著者の、繊細かつ独特な表現力に圧倒される。
犬のマスターがすすめる東西の名詩で人生を豊かに
『ポエトリー・ドッグス』
斉藤 倫
講談社 ¥1,760
路地裏にある不思議なバー。穏やかで知的な語り口の犬がマスターで、その日の気分に合った詩をお通しがわりに出してくれる。31遍の詩をじっくり味わうことで、人生に疲れた主人公は自分を見つめ直し、生きる力を取り戻していく。読むほどに、心のざわめきが鎮まる物語。
窓の写真から見えてくる77カ国201人の人生
『世界の家の窓から』
主婦の友社/編
主婦の友社 ¥1,815
自宅の窓からの眺めを投稿するFacebookの「VIEW FROM MY WINDOW」。300万人超がフォローするサイトから選んだ写真の美しさに息をのんだり、添えられた文に胸ふさがれたり。世界じゅうの人々の日常が旅をする以上に伝わってきて、喜びや悲しみを共有できる。