大人が心地よいと感じる家には、住む人の“好き”がつまっている。今回は、「パサンド バイ ヌキテパ」オーナーの神真美さんの、夫とふたり暮らし、構想2年で完成したご自宅をご紹介。まずはご自宅の1階部分から。
ヨーロッパと日本の美学が共存するエントランス
海外からのゲストも多いという神さん邸。1階の玄関奥にはゲストルームが。畳の敷かれたジャパニーズモダンの居室から明るく静かな光庭を望む。左官で仕上げられた壁に植物の陰影が美しい。プライベート感がありながらも開放感のある光庭に心が落ち着く。
玄関にはアートや季節の花が飾られ、ドアを開けると優しい光が迎え入れてくれる。階段下はジャンヌレのテーブルと椅子が置かれ小さく心地よい場所に
大切なものたちとの暮らしは目も心も日々喜びに満ちて
「パサンド バイ ヌキテパ」オーナー・神真美さんのご自宅は、夫の豊田勝さんとのふたり暮らし。ランニング中偶然見つけた土地にご縁が生まれ、家を建てることに。構想2年で、100%満足しているという自邸が完成した。
「マンションをリノベーションした前の家も気に入っていましたが、好きで集めた家具が空間に納まらなくなってきたタイミングでもありました。2階と3階にあるペリアンのウォールシェルフは、サイズが大きくて前の家では取り入れられず、倉庫にしまっていました。この2つの家具も合わせて心地よく暮らせる空間をつくりたいと思いました。設計のかたには、ソファやライトの位置まで細かくレイアウトを相談したり、好きな空間のイメージを伝えたりしました。夫婦そろって旅はライフワークでもあり、建築を訪れるのが好き。心惹かれる空間のレイアウトやディスプレイをじっくり見たり、その場の空気感を体験して、自分の中に消化して自宅やお店のデザインに生かしたりします。内と外がつながる開放感のある空間にしたいこと、町に閉ざした要塞のような家にはしたくないこと、日中はなるべく自然光で過ごしたいことなどの思いを希望以上にまとめ上げてくれました。家中どこにいても外の緑と光を感じられるので毎日が心地よく、フロアが分かれていてもお互いの気配を感じられて、内と外がゆるやかにつながった空間がとても気に入っています。吹き抜け空間は、寒いというイメージがありますが、水蓄熱アクアレイヤーの冷暖房を取り入れてもらったおかげで、家中どこにいても快適に過ごしています」
なかなか満足にはいたりづらいという新築戸建。けれど毎日が心から幸せだと神さんは笑顔。その理由は、信頼している人たちと一緒につくれたということが大きいそう。
「設計の山内さんと左官の本田さんにはお店や前のお家もデザインしてもらっていて、一緒に家でごはんを食べる機会も多く、私たちの好みだけでなく生活習慣も熟知。だからこそ、動線がとても使いやすく、キッチン収納などの細かいところも完璧でかゆいところに手が届くという感じ。遊びにきた人からも、ていねいにつくられた家だねといわれることが多いんです」
買って捨ててを繰り返すのではなく本当に大切なものをずっと長く使っていきたいという思いがある神さん。
「時代を超えてデザインされた家具や民藝品など、ご縁があって受け継いでいるものを日々の暮らしの中で大切に使っています。1階の光庭で植栽の縁に使われている大谷石もこの土地にもともとあった擁壁を利用したもの。こうして再利用しながら、モダンにインストールするという作業はとても楽しく、私たちの望むことでもあるので、自分たちの家づくりで実現できてうれしかったです」
DATA
延べ床面積:247㎡
築年数(居住年数):5カ月
3階建て+屋上の3LDK。1階はゲストルーム、2階はリビング&ダイニングルーム。3階はプライベートなリビング&ベッドルームに。
PROFILE
ファッション、ライフスタイル雑貨など幅広く取り扱う「パサンド バイ ヌキテパ」、手仕事のぬくもりに現代的なアプローチを取り入れたコレクションを展開する「ヌキテパ」、石のもつ秘めた力や有機的なフォルムを生かしたジュエリーをそろえる「ウパラ」などを手がける。今年、テーブルウエアやベッドリネンなどをローンチしAOYAMA本店ではPasand concept Roomとして世界観を提案。