アラフィー女性におすすめの本をピックアップ。 韓国・ソウルで古書店を営む著者と書店を訪れる人々との話を描いた『古本屋は奇談蒐集家』ほか、計4冊をご紹介。
絶版本を探す人々の“小説よりも奇”な事情
『古本屋は奇談蒐集家』
ユン・ソングン 清水博之/訳
河出書房新社 ¥2,640
ソウルで小さな古書店を営む著者のもとには、絶版になった本を何年も何十年も探しているお客がやってくる。一冊の本に、なぜそれほど執着するのだろう。29人それぞれの事情から、彼らが歩んできた人生や韓国の現代史がかいま見え、胸を揺さぶられる。ドラマティックすぎてフィクションかと疑いたくなるエピソードも多いが、すべて事実だという。タイトルも著者も出版社もわからない絶版本を、ひとりの登場人物の名前から探り当ててしまう著者の博識と推理力にも脱帽!
失われた命が教えてくれる山の危険と楽しみ方
『「 おかえり」と言える、その日まで』
中村富士美
新潮社 ¥1,540
民間の山岳遭難捜索チームを率いる看護師によるドキュメンタリー。救助隊が捜索を打ち切ったあと、独自のアプローチで行方不明者の足跡を追う。家族の悲しみに寄り添い、遺体を見つけるまで……。小学生が登る里山でも遭難は起こる。アウトドアを楽しみたいなら必読だ。
人事担当者の本音と実態が丸わかり!?
『黄金比の縁』
石田夏穂
集英社 ¥1,650
花形部署から飛ばされ、新卒採用担当となった主人公は心に誓う。会社の不利益になる人間をとり続け、企業価値を下げてやる、と。人が人を選ぶという行為のいいかげんさ&うさんくささをシニカルに突き詰めて、読者を笑わせヒヤリとさせる。デビュー2年でこの筆力、恐るべし。
ドイツの日本女性、太極拳で世界と出会う
『白鶴亮翅(はっかくりょうし)』
多和田葉子
朝日新聞出版 ¥1,980
離婚し、ベルリンで暮らす翻訳家の美砂。太極拳学校に通いはじめたのを機に、ドイツだけでなくロシアやフィリピン、今はなき東プロイセンなど、多様な文化と歴史を背負った人々と知り合う。ノーベル文学賞候補にも名前のあがるドイツ在住作家による、世界と出会える物語。