ミステリーや青春小説など幅広い作風で知られる作家・恩田陸さんは、同時に幅広いジャンルの読み手でもある。忙しい日常でいい本をみつけ、読書時間を見つける極意を伺った。
Q.忙しい日常の中で、いい本を見つけるにはどうしたら?
「アナログですけど、まず新聞ですね。最近は“新聞記事はスマホで読む”というかたも多いようですが、紙の新聞を広げると記事や広告などいろいろな情報が目に飛び込んでくる。その効果はやはり大きいし、ある程度の信頼性もあると思います」と恩田さん。
「ネットで探すのは便利ですが、閉架式図書館のようなもの。目的の本が決まっていないと探しにくいものです。購入履歴が反映された“おすすめ”が出てくることもありますが、なぜかどれも的はずれだったり(笑)。一方、新聞や書店は開架式図書館のようなもの。なんとなく眺めているだけでなぜか気になる本が目に入ってくる。私は断然開架式派です。私を含めてみんな日々目の前の現実で精一杯だと思いますが、現実よりも“真実”が見えてくるのが虚構の世界のおもしろさ。それを楽しむ精神をもっていることが、なにより大事なのかもしれませんね」
Q.読書の時間はどうやってつくっていますか?
「仕事の合間や仕事中に読書をすることはなくて、夕食をすませてから寝るまでが読書の時間。どんなに忙しくてもなるべく確保するようにしています。“本を読む時間がなかなかとれない”というかたが多いようですが、よくわかります! 最近感じていることですが、エンタメコンテンツが多すぎる。24時間しかない時間を、いろいろなエンタメが奪い合っている気がするんです。例えば私はNetflixのドラマも好きですが、あまりにも時間がかかるのであきらめぎみ。倍速で見るのは気持ち悪いし、ちゃんと見ておもしろいか否かをいいたいんです。そう考えていくと、読書や舞台やコンサートは倍速みたいなことができないエンタメ。“かっちり時間をとられるもの”が私の好みなのかもしれません」