雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。2回目のテーマは「最注目の邸宅レストラン」。レストラン『ラファイエット』を雨宮さんが訪れました。
LAFAYETTE’S
2023年春オープンのレストラン『ラファイエット』。店名は、フランス貴族にしてアメリカ独立戦争の英雄でもあるラファイエット侯爵にちなんだもの。彼の19世紀初頭の館を舞台に、アフリカ出身のシェフ、Mory Sackoが腕をふるう注目のアドレス。
アボカドとマンゴーのサラダ。ジャマイカのスパイス(Jerk/ジャーク)とライムが隠し味。€24
フランス・ランド地方産の上質な鶏肉をアフリカ料理でポピュラーなマフェ(mafé)ソースで味わう人気のひと品。付け合わせの野菜やライスもほどよくスパイスが効いている。€37
レモンタルトはフレンチの定番デザートだが、ここではライム、マンゴー、さらにギニアショウガなどがアクセントになり、新鮮かつ繊細な味わいに。€12
部屋ごとに異なる照明がとても個性的
ナプキンの刺繡など、ひとつひとつのディテールにセンスのよさがある
雰囲気たっぷりのバー空間
建物の由緒が漂うエントランス
斬新で勇気すら感じる大改装。新たに開かれた高級店
歴史に名を残す人物の邸宅を美術館にすることはあっても、レストランにするというのはとても珍しいのではないかと思います。『ラファイエット』の内装は、一見するとクラシックなようですが、よく見ると、壁の絵などは時代もテーマもバラバラ。けれども、それが不自然ではなく調和しています。
料理もしかり。しつらえはとてもフランス的ですが、アフリカやアメリカの要素が大胆に盛り込まれています。私はフュージョンすぎる料理はあまり好きではありませんが、ここは基本やセンスがしっかりしていて、きれいに整いすぎず、ほどよい遊び心がある。しかも、三ツ星レストランのような豪華な内装なのに、お値段が「清水の舞台から……」とまではいかないのもうれしいところです。
ひと昔前、パリの高級店にあったスノッブな雰囲気が少し変わってきていて、外国人も若い世代の人も等しく受け入れてくれるオープンな空気がある。その変化をまさにこの新しい店で実感できるような気がします。
Mélanges réussis des arts culinaires.
Ce concept ouvert d'esprit est rafraîchissant.
―あらゆる文化をセンスよく取り入れる オープンマインドなコンセプトが新鮮です。
「イメージしたのはクラシックになりすぎないようにツヤを足した装い。日本の『L’Appartement(アパルトモン)』で購入したオーバーサイズの白シャツと『THE ROW(ザ・ロウ)』のシルクパンツ。シャネルのバッグを合わせて」
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