エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 間宮改衣さんのデビュー作『ここはすべての夜明けまえ』、生きにくいと感じる今の時代にこそ読みたい『方舟を燃やす』など計4冊を紹介。
『ここはすべての夜明けまえ』
間宮改衣
早川書房 ¥1,430
機械の体を選ばされた主人公。100年の孤独に涙
2123年、九州の山奥でひとり暮らす〈わたし〉は過去を振り返り、家族史を書きはじめる。101年前、25歳で〈ゆう合手じゅつ〉を受け〈老いないからだ〉になったこと。家族はとうに亡く、赤ちゃんのときからかわいがり恋人となった甥も老衰でこの世を去ったこと……。ほぼ平仮名でつづられる、とりとめのないおしゃべりのような物語が進むにつれ、読む者の心にもしんしんと悲しみが降り積もる。デビュー作とは思えない深みと完成度で、人間の愚かさをそっと包み込む。
『方舟を燃やす』
角田光代
新潮社 ¥1,980
正解も処方箋もない人生をどう生きぬくか
20歳近く年の離れた男女それぞれの視点で昭和・平成・令和の日本を描く小説は、容赦のない問いを突きつけてくる。あふれる情報の中で何を信じるか。何が正しく、何を選べば後悔せずにすむか。そもそも人生に正解なんてあるのか。生きにくい時代だからこそ読みたい問題作。
『カラフル』
阿部暁子
集英社 ¥1,760
世界をカラフルにするヒント満載の青春小説
病気で車椅子利用者になった女子高生。その存在と“本気”が、何事にもマジにならないと決めていた伊澄(いずみ)をはじめクラスメイトたちを変えていく。伊澄のように、〈色んな違う人たちが共同生活してる〉のが社会だと実感するほどに、世界は彩りを増し、生きやすくなるのだろう。
『彼女たちの戦争』
小林エリカ
筑摩書房 ¥1,870
女性の自由を広げた先人たちの生き方と死に方
このエッセー集で取り上げられているのは、19世紀から20世紀前半に生まれ、女性であるがゆえに抑圧されながら懸命に生きた三十数名。初めて聞く名前も多いけれど、彼女たち一人ひとりの生と死が、女性を囲っていた壁を突きくずしていったのだ。感謝せずにいられない。