雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。7回目のテーマは「パリの中庭」。昔ながらの職人街の気風が残る場所にあるインテリアショップとその中庭を紹介してくれました。
AXS Design
創業者の男性ふたり、アリエルさんとシドニーさんの名前の頭文字をとった店名。19世紀のアンティークをはじめ、20世紀終わりのデザインまでふたりの感性でセレクトされたものたちが魅了的な空間をつくり出している。
「素敵な小皿」と思いきや、おままごと用だったことがアリエルさんの説明で判明。1枚€20と大皿に匹敵するような価格なのも新発見
石畳の中庭にセッティングされたテーブル。すでにここでセンスのよさに迎えられる
ひとつひとつのアイテムはもちろんのこと、ディスプレイのセンスや空間コーディネートそのままを持ち帰りたいような魅力あふれる店内
Antoinette Poisson
18世紀のフランスで行われていた壁紙製作の技法を21世紀の現代に蘇らせたブランド。一枚一枚ていねいに仕上げるアートピースのような壁紙をはじめ、それらのモチーフを使ったテキスタイルや雑貨なども展開して人気を博している。
『アントワネット・ポワッソン』のブティックからガラス越しにアトリエを見たところ。絵になる空間
ブティックでは、壁紙をはじめノートや箱、さらにオリジナルの香水なども販売されている
アトリエでは、昔ながらの手動のプレス機を使って壁紙が作られる
そもそもこの場所はブランド発祥時に工房だったところ。ブティックを開店したあとも、ものづくりの場としての伝統が続いている
DATA
12 rue Saint Sabin 75011 Paris
☎+33(0)1・77・17・13・11
13:00〜19:00
定休日 日・月・火曜
職人街の今を感じる愛すべき中庭時間
パリで7回引っ越しをしています。なかでも、シャトレ、シュマン・ヴェール、ルドリュ・ロランに暮らしたころは、今回ご紹介する2軒がある界隈は散歩圏内。毎週末バスティーユのマルシェで買い物をしていました。そんなこともあって、かつての職人街の中庭の空気感に郷愁のようなものを感じます。『AXSデザイン』はクリニャンクールの蚤の市を思わせるような魅力があり、アンティークの品々の説明を聞いていると、そこにかつての人々の生活が見えてくるような気がします。『アントワネット・ポワッソン』はフランスの壁紙文化の豊かさを感じるお店。アトリエも併設していて、職人さんたちの仕事ぶりを間近で見ることができます。2軒とも、それぞれにぶれない世界観があって、それを貫いているところが素敵だなと思います。また、2軒は中庭とキッチンを共有していて、仕事の合間に中庭でお茶をしたり、お昼ごはんを食べたりする。その感じが、パリのヴィラージュ(村)と呼びたいような魅力的な雰囲気なのです。
『AXS Design』のアリエルさん(中央)とシャルロットさん(左)と一緒に中庭で午後のお茶を楽しむ雨宮さん。この日のファッションはKHAITE(ケイト)のシャツとセリーヌのジーンズ
Ce quartier convivial conserve encore l'esprit
d'un ancien village d'artisans.
――親しみのあるこの界隈には昔ながらの職人街の気風が残っています。
▼こちらの記事もチェック!