雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。9回目のテーマは「私の家づくり」。25年目のパリ住まいを迎えた雨宮さん。現在のお住まいについて、今回はリビングを中心に紹介してくれました。
リビングのランプは「LAMPADAIRE 1 LUMIERE(ランパデール アン ルミエール)」、椅子は「muuto」など多様なブランドのものを用いつつ、色に統一感をもたせながらコーディネートしている。この日の雨宮さんのカーディガンはKhaite(ケイト)
松かさのオブジェは、かなり昔に北フランスのリールのブロカントで購入したもの。小鳥のオブジェは娘からのプレゼント
パリ郊外、シャトゥーのブロカントで今年購入したナポレオン3世時代のパラヴォン(間仕切り)。クールなインテリアのほどよいアクセントになっている。好きな花のひとつ紫陽花、しかもパラヴォンのたたずまいと調和するニュアンスカラーを飾って。
長年愛用してきた南部鉄器の急須と、英国製の青絵のティーカップ。家ではお酒よりもお茶を楽しむことが多い
ホームフレグランスをインテリアのオブジェとして。手前2点は「MAD et LEN」のポットポプリ。左奥は友人から贈られたアロマキャンドル
好きなものだけに囲まれた25年目のパリの住まい
私にとってパリで8番目の住まいになるこのアパルトマンとの出合いは5年前の秋。物件探しの日々も3カ月ほどたったころでした。扉を開けるなり、中庭に面した大きな窓からふんだんに光が入ってくることにまず心を奪われ、高い天井、広々としたリビングも私の理想の条件に合ったものでした。購入したあと、リフォームにとりかかったのですが、折しもコロナ禍と重なってしまい、多くの活動が停止したために約1年かかりました。けれども、私自身が家づくりにじっくり取り組む時間とエネルギーをもてたことは逆に幸運だったかもしれません。
意図したのは、いずれひとりになる自分を想定した住まい。娘は国外留学し、現在大学生の息子もいずれは巣立ってゆく。そのときに、自分の好きなものだけに囲まれ、心からくつろげるような空間にしたかったのです。インテリアは北欧、イギリスとミッドセンチュリーのテイストが混在していますが、生活雑貨にいたるまで、極力飾り気のないものを厳選。すっきりした、それでいてほどよい生活感もある心地よい場所を目ざしました。
Mon salon idéal a une image épurée et fraîche, mais aussi chaleureuse.
――すっきりとクールなイメージでありながら、温かみがあるリビングが私の理想です。
(後編へ続く)
『MY HOME,MY LIFE.』
雨宮塔子さんの家づくりへのこだわりが一冊になった『MY HOME,MY LIFE.』(光文社)。住まいのディテールだけでなく、衣、食、花あしらいのセンスまで盛り込まれていて、パリ暮らしの四季折々の空気感まで伝わってくる。
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