韓国文学の背後にある社会の現状や最近の流れを理解すれば、より読書体験が深まること必至。今回は歴史ミステリー小説をピックアップ。韓国書籍専門書店『チェッコリ』店主 キム・スンボクさんのコメントも必見。
韓国書籍専門書店『チェッコリ』店主 キム・スンボクさん
韓国書籍専門書店『チェッコリ』店主 キム・スンボクさん
キム スンボク●ソウル芸術大学卒業後、日本に留学。’07年に出版社クオンを設立、エージェントとして韓国書籍を日本に多数紹介。東京・神保町の韓国書籍専門書店『チェッコリ』店主でもある。
映画やドラマだけじゃなかった【熱くて暗い】
韓国のドラマや映画でよく目にするのが残虐な場面や怖い場面。
「つらくなる場面を徹底的に描く傾向は最近のミステリーにも。『記憶書店』や『破果』もそう。これらの舞台は現代ですが、歴史ミステリーなども出てきました。今、楽しみなジャンルです」(キムさん)
『破果』
ク・ビョンモ 小山内園子/訳
岩波書店 ¥2,970
主人公は60代の女殺し屋・爪角(チョガク)。仕事で以前ならありえなかったミスを犯すが、それは忍び寄る老いのせいなのか? 彼女の迷いや男たちへの怒りがリアルで共感を呼ぶ。
『記憶書店 殺人者を待つ空間』
チョン・ミョンソプ 吉川 凪/訳
講談社 ¥2,310
15年前、妻と娘の命を奪った犯人が“古書マニア”だと気づいた大学教授のユ・ミョンウ。古書店を開いて犯人をおびき出すが……。ラストまで緊張しっぱなしのミステリー。
撮影/柳 香穂 取材・原文/山本圭子 ※エクラ2025年4月号掲載