【私のおすすめ!韓国文学】文芸評論家 三宅香帆さんのおすすめ小説

韓国文学好きがチョイスした作品を読むと、元気の理由が見えてくる! 韓国の文学界の魅力を、文芸評論家の三宅香帆さんにインタビュー。おすすめ長編小説を紹介しもらった。

「新しい関係が価値観を変えることがあるのかもと思えた」ーー文芸評論家 三宅香帆さん

文芸評論家 三宅香帆さん
文芸評論家 三宅香帆さん
みやけ かほ●’94年、高知県生まれ。大学院在学中に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)を出版。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)が大ヒット。

三宅さんにとって“母と娘”はもともと興味をもっていたテーマ。いろいろと読んできたが、この小説のおもしろさは「母視点で娘への葛藤を描いているところ」だという。

「例えば娘は大企業に就職せず博士課程に進もうとしたり、同性のパートナーと生きていこうとしたり。母からすると、彼女は自分の価値観からはずれた幸福を追い求めているんです。だから母は“娘はいつか後悔するのでは”“自分だけが娘の不幸を止められるのでは”と思い悩む。そんな葛藤は、ある意味普遍的な親子の姿だと感じます。すばらしいのは、家族の中に他者が入ってくることによって、少しずつ母の価値観がとけていくところ。決して予定調和ではないのですが、“こういうふうに新しい関係が価値観を変えることがあるのかも”と思えました。だから、つらいだけでなく希望をもてる物語になっています」

韓国文学好きの三宅さんの目から見ると、韓国の女性作家にはこんな特徴が。

「日常のこまやかな描写がとても上手。女性の葛藤も生活とともに描かれていて、キャラクターも生きている。だからすんなり感情移入できるのだと思います」

『娘について』

『娘について』 キム・ヘジン 古川綾子/訳 亜紀書房 ¥2,090

キム・ヘジン 古川綾子/訳
亜紀書房 ¥2,090
老人介護施設で働く「私」は、同性愛者の娘とその“彼女”と共同生活をすることに。娘を理解できず苦悩する「私」だったが、老いへの不安も募ってきて……。揺れ動く「私」の気持ちをリアルに描いた長編小説。

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撮影/柳 香穂 取材・原文/山本圭子 ※エクラ2025年4月号掲載

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