学ぶ言語も、目的も、やり方も、人それぞれだけど、共通しているのは、まだまだ新しい景色を
見たいという気持ち。アラフィーから中国語の語学学習に挑戦しはじめた、俳優の石田ひかりさんをご紹介。
【中国語】留学先でがんばる娘の姿に刺激を受けて。目標は、中国語でのインタビュー対応!
耳から覚えた中国語。帰国後は遠ざかり……
中学1年のときにスカウトされ、芸能界入りした石田ひかりさん。実はその前の9歳から12歳までの3年間、台北で暮らしていたという。「台湾に引っ越してまず親がしたのは、スイミングクラブを探すこと。私と姉は、『1日たりともブランクがあってはいけない!』というくらい本気で水泳をやっていたのですが、そのおかげで現地の友だちができました」
毎日、コーチやチームメイトと言葉を交わしているうちに、自然と中国語を覚えていったという。「初めは日本語と英語ができるコーチ頼りでしたが、3年間の最後のほうは、不自由なくしゃべっていました。でも、読み書きはできなくて……」
帰国後は中国語から遠ざかり、40年の時が過ぎてしまう。「帰国当時は身近に中国語教室がなく、しゃべる機会もなかったので、どうすることもできませんでした」
そんな石田さんが中国語を学び直そうと思ったのには、いくつか理由がある。ひとつはコロナ禍だ。「オンラインレッスンが気軽に受けられるようになったことです。私は耳から中国語を覚えたので、どんな漢字なのか、発音は正しいのか、ということがわかっていません。だから、中国語を体系立てて学びたいと思いました」
昨年、娘がカナダ・バンクーバーに留学し、最初の50日間はカナダ在住の香港人家庭にホームステイしたことも後押しになった。「私が娘に会いにいったとき、ホストファミリーには英語より中国語のほうが通じたんですね。といっても、私は断片的に覚えている中国語を羅列しただけだったのですが……。また、娘は、あまり語学力がない状態で留学したので、現地で本当にがんばっている姿を見て、私も同じくらい勉強しないと申しわけないと思ったんです」
娘によくしてくれたホストファミリーに直接お礼をいい、もっと深い話ができるようになりたい。異国でがんばる娘を見習って、自分もがんばりたい。そんな思いが重なり、昨年夏に52歳で中国語の勉強を決意する。「友だちの紹介で、横浜にある中国語の語学学校のマンツーマンレッスンを受けることにしました。初レッスンの様子を撮影させていただいて、YouTubeにもアップしました」
その後、多忙すぎてなかなか学校に通えずにいるが、ゲーム感覚で楽しめる多言語学習アプリ「Duolingo」を続けたり、「音楽に乗せた発音(チャンツ)」を聞いて単語を覚える『キクタン』を使ったりして、できる範囲で地道に取り組んでいる。
「本当に時間がなくて、『Duolingo』ができるのは、お風呂に入っているときの15分間だけ。おかげで、お風呂場が全然リラックスできない場所になっています(笑)。また、車で移動することが多いので、『キクタン』の音は車内で聞いています」
言葉は声に出して感情を乗せるもの
現在放送中のドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)で、鎌倉の外国人観光客を相手にした中国語通訳者役を演じている石田さん。「ドラマでは語学監修のかたをはじめ、観光客役として参加してくださっている中国や台湾のかたがたにも中国語を教えてもらっています。また、中国語のセリフに感情を乗せるのがむずかしいのですが、言葉は声に出して使うものだから、大変だけど大事なことだと実感しています」
最近、「Duolingo」のレベルが上がってきて、間違える頻度が増え、小さな壁にぶち当たっているが、今後も、たとえ少しずつでも中国語を学び続けたいと考えている。
「中国語が仕事につながればうれしいですが、そんなに甘くはないはず。でも、いつか中国語でインタビューに受け答えできたり、中国語のドラマや映画を見られたりするようになったらいいですね。人生100年時代、あと50年あると思うと、『これからどんなことをしよう?』ってワクワクしてくるんです。私にとって語学はそのひとつ。どんどん世界を広げていけたらいいなと思っています」
15分のお風呂時間に語学アプリで勉強し、車での移動中に、耳から単語を覚えています
語学学校のテキストと『キクタン』(アルク)
すき間時間に勉強しやすいのがスマホの語学学習アプリ「Duolingo」。この日は楽屋での待ち時間を利用。英語などを学ぶことも
「先生が台湾人で、ほめ上手なのでやる気が出ます!」と石田さん。語学学校では、主に台湾などで使われる繁体字を勉強
娘が使わなくなったノートを再利用。このページは、先生に「先週何をしましたか?」と質問されたときに答えた「かき氷」などの中国語の単語を、忘れないよう書きとめたもの