雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。13回目のテーマは「感覚の交差点」。ビュリー創業者、ラムダン・トゥアミさんのクリエーションの最新形店舗をご紹介。
昔ホテルにあったような電話ボックスがフィッティングルームになっているなど、心憎いセンスが随所にちりばめられている
2フロアをゆったりと使った店内。中央にはカフェコーナーも。「ここでパソコンを開いて打ち合わせしている人もいそうですよね」(雨宮さん)
山岳ホテル「DREI BERGE」のロゴが入った食器のシリーズ
洒落(しゃれ)がきいたデザインでパリの名所が描かれたオリジナルバンダナ(各€25)
12000ものモノグラム素材を有するパリ郊外の印刷工房をラムダンさんが継承し、「SOCIÉTÉ PARISIENNE D’IMPRESSION TYPOGRAPHIQUE」として再生。名刺、カードなどをここでオーダーできる
空間まるごとで感じる新しいライフスタイル
前回ご紹介した「ビュリー」は、ヴィクトワールさんとラムダンさんカップルの抜群のセンスによるものでしたが、そのラムダンさんのクリエーションの最新形がこちらのお店。ひとつのものを築き上げてもすぐに次のことをかたちにしてゆく彼の姿勢がとても素敵だと思います。こちらのコンセプトの出発点は歴史あるスイスの山岳ホテルと聞きました。フランスではスキーヴァカンスがあるので、雪山が身近ですし、コテージや山岳ホテルでの滞在を生活の一部としているところがあります。こちらのお店はその山の精神やヨーロッパの古きよき伝統にスポットを当てつつ、さまざまなかたちでライフスタイルを提案しています。アウトドアやヴィンテージファッションのセレクションからは彼の「日本愛」がひしひしと伝わり、あえてメンズ、レディスと分かれていないところが今の潮流を反映していると思います。そして、彼の店に共通して感じるのは「気」がいいこと。買い物が目的でなくても、店内のカフェに座って時間を過ごしたくなるような空間です。
WORDS, SOUNDS, COLORS & SHAPES.
北マレ地区に’24年9月にオープンしたコンセプトストア。「文字、音、色、形」という店名に象徴されるように、ラムダンさんの一流のセンスでセレクトされたさまざまなアイテムに加え、ディスプレイも注目のスポット。
とても感じのいいスタッフもこの店の魅力。雨宮さんのブラウスはシャネル、ジーンズはリーバイスで、いずれもヴィンテージ。サンダルはザ・ロウ
"Une vision juste, un geste d’avant-garde.
Voici la nouveauté d’un créateur à l’écoute du monde."
――今という時代を映し出す、感性の最前線。注目のトレンドクリエイターがかたちにした最新スタイル。