すっかり根づいた“推し活”、エクラ世代はどう満喫している? 歌舞伎ファンであるエクラプレミアム室長 工藤佳子さんの推し活をチェック! 鑑賞前後には、友人と楽しむ時間も。
原点は“にざ様”の芝居。今は箱推しを楽しむ日々!
中学生のころに、テレビの時代劇に出演していた十五代片岡仁左衛門(当時片岡孝夫)丈にひと目惚れしたという工藤さん。
「にざ様の本業の歌舞伎役者姿をこの目で見たい!と、歌舞伎座がある東京へ大学進学を決意(笑)。学生時代はお手ごろな2階席での鑑賞が中心でしたが、本水使い、セリ上がり、宙乗りなど舞台演出もおもしろい歌舞伎にハマりました。世話物などストーリーに没頭したい演目のときは1階席で観劇。“とちり席”(前から7~9番目)や花道の七三(役者が立ち止まって演技する場所)に近い席で食い入るように見ています」
初の遠征観劇もにざ様がきっかけ。「’98年の襲名披露公演を全国追いかけました。このとき、各地の劇場で見る楽しさ、旅先でおいしい料理やお酒とともに舞台を振り返る喜びに目覚めましたね」
気づけば歌舞伎全体の箱推しになり、7月は大阪松竹座、12月は京都の南座と、遠征も交えた鑑賞が、推し活の基本的な年間スケジュールに。「江戸時代そのままの芝居小屋で観劇できる香川県・金丸座のこんぴら歌舞伎や、中村屋の情熱ほとばしる平成中村座の公演もおすすめです!」
多様な演目、舞踊、豪華な衣裳、義太夫、清元……「人によってハマるポイントが無数にあるのが、歌舞伎のすばらしさ」と工藤さん。
「歴代の役者の研鑽を“型”を通して感じ、今同じ時代を生きる役者のエネルギーを肌で感じるたびに、胸が熱くなります。“声よし、顔よし、姿よし”な、にざ様への愛は不変ですが(笑)、若い世代の躍進も見逃せません。今年に入ってからだけでも尾上右近丈の『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』、六代目を襲名したばかりの尾上菊之助丈の『京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)』、市川染五郎丈と市川團子丈の『蝶の道行(みちゆき)』は眼福でした。シネマ歌舞伎でぜひ上映してほしい! 9月は『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』が通し上演されるのですが、菅丞相(かんしょうじょう)をにざ様と松本幸四郎丈のWキャストで見られます。ときめきが止まりません! 八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助襲名披露興行も10月の御園座、12月の南座へと続きますし、坂東玉三郎丈の『火の鳥』、さらに野田秀樹さんや三谷幸喜さんによる新作歌舞伎も目白押し。映画『国宝』で歌舞伎に興味をもたれたかたは今こそぜひ!」
公演期間の半ばごろには、歌舞伎座地下2階・木挽町広場で舞台写真の販売が。「まさに錦絵! 枚数を絞り込むのが毎回大変(笑)」
最近は公演によってアクリルスタンドも発売に。「飾るだけで気分が上がります。すっかりコレクターになりました」
推し活スケジュール
観賞前後に、友と語り合う時間も重要
夜の部を観劇する場合は、14時~15時を目安にGINZA SIX 6階の『銀座 蔦屋書店』で推し友と待ち合わせをする。少し早めに行き、歌舞伎関連の書籍、ビジュアルブックなどをひとりでチェックすることも多い。
GINZA SIX 6階のイタリアンバルや地下2階のワインバー、中央通りに面したハイブランドのバーで集合して、軽く乾杯をする場合も。お酒も鑑賞も楽しみたいので、前日はなるべく睡眠をたっぷりと。開演の時間に合わせて、16時すぎに歌舞伎座へと移動。
16時半~20時半ごろまで観劇。座席は1階席をとることが多いが、どの席でも見応えは十分。2階席をとった場合はオペラグラスを必ず持っていく。難解な演目はイヤホンガイドもおすすめ。
終演後、推し友とすぐにワイワイと感想を言い合いたいときは、歌舞伎座から徒歩圏内にあるビストロへ行き、ワイン片手に歌舞伎トーク。観劇チケットを持っていくと、スパークリングワインが1杯無料になる店もある。ゆっくりと和食を楽しみたい気分のときは、21時からでも入店できるアラカルトの鮨とワインが楽しめるお店へ。