エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 著者自身の不妊治療体験から生まれた『ハロー、ベイビー』、笑えて痛快な人間讃歌『きよくしぶとくやかましく』など4冊を厳選。
『ハロー、ベイビー』
不妊治療を続ける女性たちの苦悩と友情が胸を刺す
キム・ウィギョン 小山内園子/訳 新潮社 ¥2,145
韓国最高峰の不妊治療専門病院で出会い、SNSでつながる6人。「ハローベイビー」と名づけたトークルームなら、秘め続けてきた思いを吐露し、体外受精の情報や苦悩を分かちあい、子宮に戻された受精卵が育たなくても慰め励ましあえた。著者自身の体験から生まれた小説は、心身を削る治療や、日本以上に家族を重んじる社会で追いつめられていく心情の描写が、痛いほどリアルだ。子供がいる・いない、欲しい・欲しくないにかかわらず、忘れられない一冊となるはず。
『そして これからも ずっと』
46億年前から未来へ、唯一無二の絵本で時をかける
ヨハンナ・シャイブレ/作・絵 諸岡愉子葉/訳 綴月舎 ¥2,750
地球誕生から始まるページをめくるごとに現代へと近づき、紙のサイズが小さくなっていく。中央の一番小さな見開きが「いま」。そこから未来に向かうにつれ紙が大きくなる。世界各国で数々の賞に輝いた絵本は、わずか50ページで読者を時の旅へと誘い、想像力を刺激する。
『きよくしぶとくやかましく』
モヤモヤのち心晴れ晴れ、笑えて痛快な人間讃歌
寺地はるな 幻冬舎 ¥2,090
九州の海辺にある田舎町。バリバリ男尊女卑の町内会に辟易しながら生きてきた婦人部の4人(40~70代)が、次の世代のため、理不尽で窮屈な日常に風穴を開けていく。〈ぜったいにハリウッドで映画化されることのない〉平々凡々な人生の尊さを、いきいきと謳い上げる物語。
『グラスの中のイタリア 教養のワイン文化史』
とびきりのワインを通して知るイタリアの豊壌
櫻井芙紗子 集英社新書 ¥2,200
ソムリエ資格ももつイタリア通のジャーナリストが、15年の歳月をかけ60名を超える醸造家、専門家らに取材。数多の極上ワインを生んだ歴史や文化、不屈で誇り高い造り手の思いを紐解いていく。関係者に深く信頼される著者だから撮影できた、貴重で美しい写真も盛りだくさん。
photography:Maho Kurakata text:Sayaka Hosogai ※エクラ2026年11月号掲載