2020年のアカデミー賞では韓国映画『パラサイト』が作品賞を受賞し、ますます注目を集めている韓国エンタメ。その実力はドラマもしかり!今回は、おうち時間で見たい「韓国ドラマ」をご紹介。韓流ドラマがアラフィーにもたらす魅力を、韓流好きスタッフがナビゲートします。
①最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜
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2011年に韓国で大ヒットしたこのドラマは、元アイドルの落ち目タレント(29歳女子)と韓国スーパースター俳優(37歳男子)の純な愛を描いたラブコメディといういかにもな物語。主演のスーパースターを演じるチャ・スンウォン氏は韓流にしてはかなり濃い目のソース顔。そのおヒゲがなんともセクシーではありますが、すっきり系のイケメン好きな私としては、「義理で見るけどさぁ、わ、何この男、全然タイプじゃないし、正直、私は絶対ハマらない」と高をくくって1話めを見始めたわけでございます。
いつの間にか、こっちが“ドゥグンドゥグン”
しかし……。そのチャ・スンウォン氏演じるトッコ・ジン(役名)に回を追うごとにどんどん惹かれていく自分がいるではないですか。スーパースターって、特有の微妙なダサさってあるでしょ? 「あ、俺ってほら、スターだからさ」みたいなうぬぼれと高慢。よくお笑い系の人がデフォルメして真似したりしてますが、チャ・スンウォンのスーパースターは、そのキモ・カッコよさの味の出し方が実に絶妙で、斜に構えて観始めたものの、思わず声を出して笑ってしまうシーンが続出。そして、観続けるごとに、トッコ・ジンがどんどんどんどん可愛く見えてくるから不思議。これぞまさしく韓流ドラママジック。その彼が人生初めての恋をするというのがドラマの主軸を担う展開です。自分のなかで、芽生えるかつてない感情に、戸惑ったり、喜んだり、悲しくなったり…その滑稽かつ愛すべき姿は本当に胸キュンもの。ある意味世間知らずでピュアなスーパースターのそのカッコ悪くも純粋な恋ごころに、いつしか、私の心の中にもどんどん切なさがあふれていき、思わず胸が「ドゥグンドゥグン」。そう、「ドゥグンドゥグン」は、韓国語で「ドキドキ」の意味。
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ということで、前置きが大分長くなりましたが(え〜前置きなんかい)、こうして、私の韓流漬けの日々が始まったわけでございます。ドゥグンドゥグンを見終わった後は、なんと「トッコ・ジン」ロスにかかり、チャ・スンウォン氏のドラマを次から次へと見まくり、さらに、そこから派生して、どんどん新着ドラマをチェック。以来、毎日がドキドキと切なさと、そして、恋こがれる日々。ラブコメは私の一番のごちそうではありますが、王道のメロものも、推理サスペンスものも、心ゆさぶられるヒューマンものも、どれも捨てがたい。いまさらで、本当に申し訳ありませんが、その緻密な脚本力、リアリティあふれる演出力、説得力ある演技力、そして、思わず恋せずにはいられないイケメン力、どれも半端ない!
妄想力って本当にスゴイ!“若返った?”と言われることが激増
実は、私事で恐縮ですが、韓流にハマって以来、「若返った?」「なんかいいことあった?」と言われることが激増。これと言って何をやっているわけでもないので、これはきっと、韓流ドラマによって毎日私の脳内にピュンピュンとピンクのオツユが噴出しているからに違いないと密かに思っている次第です。妄想力って、本当にスゴイ!
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「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン」
ストーリー
最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~ コンプリート・シンプルDVD-BOX
5,000円+税
好評発売中
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
■「U-NEXT」ほかで配信中
②空から降る一億の星
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例えば、20年、時が戻って、もう一度恋をすることになったら、どんな男子と恋に落ちたいですか? 実直でやさしく将来が安定している男子と、ゾクゾクするような魅力にあふれる過去も明日も見えない男子と。
今回紹介するこのドラマは、もちろん後者が主人公。その名はムヨン。一度、その魅力にハマったら絶対に抜け出せない(!)と言われる超危険な男…。
「空から降る一億の星」というのがこのドラマのタイトルですが、この響きに「あら?」と思った方、そうなんです。実は、これ、17年前に日本のラブロマンスの名手と言われる脚本家の北川悦吏子さんが脚本原作で大ヒットした名作ドラマの韓国リメイク版。同じ傷を持つムヨンとヒロイン・ジンガンの切なく狂おしい恋と、ジンガンを溺愛する兄ジングクを交えた3人の衝撃的な運命が、心揺さぶるサスペンスメロドラマ仕立てで描かれています。登場人物やその基本的な背景はほぼ日本のドラマと同じですが、時代を現在に移し変え、キャラの設定や感情の微妙な動きに至るまでより繊細に丁寧に描きこまれているので、実際には非現実的な物語ではありますが、観ているものにずしりとリアルに迫ってくところは、さすが韓流といったところ。
ドラマはある女子大生の転落殺人事件からスタート。ヒロインのジンガンは、その事件を捜査する兄ジングクと親友スンアの陶芸展に出席。そこで危険な男ムヨンと出会い、3人の運命の歯車が回りだすといった具合。兄ジングクは、25年前のある事件をいまだ引きずる出世とは無縁の刑事で、妹ジンガンが幸せになることだけを望んで日々生きているのですが、年頃を過ぎてもいまだに恋人もできずにいるジンガンに、実直でやさしい自分の同僚の後輩刑事チョロンを紹介します。一方、ムヨンに対しては女子大生殺人事件に関与しているとの疑念を募らせていき…。
主演のムヨンを演じるのはソ・イングク。韓国の国民的オーディション番組で72万人の中から優勝し、高校生役からエリートに至るまでまでさまざまな役柄を演じ分けるイケメン実力派(私のベスト3に入る大好き俳優さん)で、今回も一見人懐っこそうでありながら、内に冷酷さと計り知れない孤独を秘める難役ムヨンを名演。多くの女性を虜にしてしまうミステリアスな魅力を圧倒的なリアルさで演じきっています。特に、眼差しの表情がとってもセクシーで切なく、愛おしくなること必至。どこも見ていないようでいて、まっすぐと心の奥底まで見通しているような、寡黙で饒舌な視線の演技が絶品です。ヒロインのジンガンに扮するのは演技力に定評あるチョン・ソミン。彼女の芯のあるクリアな印象はまさにヒロインの役のイメージぴったり。兄ジングクは、映画「新しき世界」のパク・ソンウン。圧巻の悪役から一転心優しき兄を存在感たっぷりに好演。監督は「ナイショの恋していいですか」「ああ、私の幽霊さま」などを手掛けたユ・ジュンオン。サスペンス仕立てのハラハラの展開と、さまざまな感情が交錯する繊細かつ奥深い演出やカット割りが実に素晴らしく、観始めた瞬間から釘付けになること請け合いです(ドラマ冒頭でジングクとムヨンがすれ違いざまに視線を交錯させるカットがあるのですが、まずはそこをお見逃しなく。そのシーンだけでも、ムヨンに完璧に心を持っていかれますから)。
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あなたは安定男派?それとも危険男派?
そんなヒロインを見るうちに、ある友人の言葉を思い出しました。
「10年後の私を見て、絶対に誰よりも幸せになっているから」。
キャンディス・バーゲンばり(例えが古くてすみません)の知的美人の彼女は、当然ずっとモテモテの人生。野球部のキャプテンに、老舗の跡取り息子に、などなど、錚々たる男子とのいくつかの恋を経て、適齢期となる年齢でムヨンのような男性と恋に落ちたのです。これまでの誰よりも彼に夢中になっている彼女を見て、当然、その彼と結婚するものだと思っていました。ところがです、彼女が最終的に選んだのは、条件の揃ったお見合い結婚だったのです。純愛や運命の糸への想いをいまだ捨てきれていない年齢だっただけに、彼女の選択が信じられないでいる私に前述のセリフ。そして、彼女はさらに続けたのです。
「今まで、いろんな人を好きになってきたけれど、好きになっても、その思いはずっと続かない…。そんな不確かなものに、私の今後の人生をかけることはできない」と。それ以来、彼女のことをリスペクトし続けている私であります。もちろん、10年後だけでなく、ウン十年たった今もなお、彼女が誰よりも仲睦まじく幸せな暮らしを送っているということは言うまでもありません。では、20年、時を戻して、果たして私ならどうするか…? それは本当に戻ってみなければわからないことだけれども、でも、頭の中で何度妄想してみても、空から降る一億の星のなかからたった一人の相手がムヨンだったとしたら、きっと世界の果てまで堕ちていってもかまわない…、そう、思ってしまう今日このごろなのでした。さて、あなたはいかが?
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その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン
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【연애 좀 해라】(ヨネ チョン ヘラ)「恋愛しろよ」
ドラマのとあるシーンで、兄のジングクにかかってきた携帯画面に映し出されるのがこの文字です。
日本語では「恋愛しろよ」の意味。
「연애」は「恋愛」、「좀」は「ちょっと」という意味で、最後につく「해라」(ヘラ)が「〜しろよ」という命令形を表す表現になります。だから、例えば、勉強という名詞「공부」(コンブ)に해라をつけて「공부해라」(コンブヘラ)とすれば、「勉強しろよ」になるというわけ。いくつかの名詞を覚えれば、簡単に応用できそう、と思いませんか。といっても、実はコレをむやみに使うのはNG。敬語や丁寧語が徹底されている韓国では、よっぽど親しい人以外には使えない表現なので気をつけて。初対面の人や年上の人に使うのは厳禁と覚えておきましょう。(年下の彼氏ができたら使ってもOKかもですが…)
さて、携帯のこの文字を見て、ジングクは、妹のジンガンからかかってきたなと電話を受けます。
でも、なぜ「恋愛しろよ」が妹ジンガンなの?
日本では電話番号を携帯に登録する際、相手の氏名と一緒に登録しますよね。だから、携帯に電話がかかると、そこに映し出されるのは登録した名前そのものであることが多い。韓国ドラマのシーンでも、携帯に登録している場面がちょくちょく出てくるのですが、登録名は氏名そのものよりも、その時に相手に対していだいている印象だったりする場合がとっても多くて、実は、それがドラマのちょっとした味付けとなっていることが少なくないのです。例えば、初対面が最悪だった男子(ドラマではこの男子と恋に落ちる設定)は「ムカつくヤツ」。それがドラマの展開と重なりながら「気になるヤツ」「ちょっと好き」「愛するダーリン」などと変わっていくという塩梅。
妹ジンガンに幸せになってほしいジングクの思いが、この「연애 좀 해라」にも表されていたというわけですね。
③100日の郎君様
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フュージョン時代劇の王道、それが“世子さま”もの
そんな時、おすすめなのがこのドラマです。
日本のドラマがそうであるように、韓流ドラマにもいくつかのジャンルがあります。で、これは、「フュージョン時代劇」というジャンルの作品。「何、そのフュージョンって?」という声が聞こえてくるようですが、まあ、手っ取り早く言うと、時代劇であって史実ではない、とでも申しましょうか。朝鮮王朝や高麗王朝など、韓国の王朝時代の歴史を背景としながらも、その史実にとらわれることなく、自由な発想で物語が展開していくドラマのことを韓流では概ねこのように呼ぶようです(人によって定義はさまざまなようですが…)。天下の副将軍、徳川光圀を主人公に、史実とは違って諸国を漫遊しながら物語が展開する「水戸黄門」も、いうなれば日本のフュージョン時代劇と言えるのかもしれません。
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ま、それはさておき、そのフュージョン時代劇の中でもロマンスものの王道と言えるのが、このドラマのような「世子(セジャ)さま」ものです。世子とは、朝鮮王朝の王さまの跡継ぎとして認められた王子のこと。つまり、次の政権はこの世子の手に委ねられるというわけで、となれば、当然そこには次代の権力を巡って、さまざまな世子さまへの陰謀が繰り広げられるという寸法。命を狙われる孤独な若き世子さまが、その難関をどう切り抜けていくのか…。
ほら、これだけでも、もうワクワクと頭を空っぽにしてくれる気配満載でしょ。そう、世子さまものは、そんなハラハラドキドキの痛快サスペンスを下敷きに、きゅんきゅんのラブロマンスが展開される妄想力満点の時代劇なのです。喜怒哀楽という最もわかりやすい感情をストレートに心地よく刺激してくれるから、疲れ切った心と頭には、本当に良薬♡
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“韓流ドラマあるある”のモチーフ満載なのに飽きさせない!
そんな折、宮廷の陰謀で刺客に襲われたユルは、瀕死の重傷を負ったところをヨンという村人に助けられます。が、記憶を失ってしまうユル。ヨンは、世子のお触れに背いて結婚を拒否し罰せられそうになる娘のホンシムのため、ユルを娘の許嫁ウォンドゥクだと思い込ませ、2人を結婚させてしまうのです。かくして、かりそめの夫婦になった二人の“100日間”が始まる、、、という展開。
宮廷では文武両道に長けた完全無欠の世子さまも、庶民の生活では水汲みひとつできない超無能男子。なのに、ツンデレっぷりはそのままというギャップの可笑しさと、初めは反発し合いながらも、次第に惹かれ合っていくふたりのサラン(愛)の行方が最大の見どころ。さて、もう、おわかりだと思いますが、世子さまとかりそめの夫婦になるホンシムは、謀反で引き裂かれた世子さまの初恋の少女。なにやら“あるある”の匂いがプンプン漂ってきませんか?
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う、このドラマ、ツンデレ王子、偽装結婚、記憶喪失、実は初恋、という“韓流ドラマあるある”のモチーフ満載。いうなれば、水戸黄門の印籠が次から次へと飛び出てくるとでもいいましょうか。それゆえ、印籠という絶対的な切り札の中で、安心しながら思いっきり感情を遊ばせることができるから、もう、脳内アルファ波、出まくりです。しかも、使い古された印籠でも、複雑に交錯しながらあの手この手で「控えおろう」とばかりに絶妙のタイミングで攻めてくるので、マンネリに陥ることなく、どっぷりとストーリーに浸れることができる。
それは、こういう軽めコメディタッチのドラマだからこその、より丁寧により巧みに描かれた脚本と演出の手腕によるところが大きいですが、やっぱり一番は、世子を演じる俳優ド・ギョンス(EXO-D.O.)の圧倒的な存在感。冷徹というキャラクターゆえ、ほとんど無表情なのですが、例えば、瞳の微妙な揺らせ方ひとつで、眉毛1本の動かし方ひとつで、口角の0.0001ミリの緩め方ひとつで、呼吸の間のとり方ひとつで、さまざまな感情を絶妙に演じ分けるセンスが絶品。
新宿や浅草の寄席にいくと、最初のほうに出てくる前座の若手が、やたらオーバーアクションでちょっと引き気味になってしまうことってありますよね。でも、最後に年老いた真打ちが登場すると、その聞き取れるか取れないか微妙な音量でボソボソと話す単語のひとつひとつに、なぜか前のめりに引き込まれていく…。それに似た老練さをギョンスの表情に感じてしまうのは私だけでしょうか。
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いずれにしろ、世子さまものの世子さまを演じることができるのは、その時代を代表するごくわずかな若手イケメンのみ。その時を逃したら、2度と演じる機会を逸するかもしれない貴重な役を、最も旬の俳優が演じるわけですから、面白くならないわけがない。パンパンの頭をすーっと軽やかにほぐしてくれること必至です。
「100日の郎君様」
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「100日の郎君様」
DVDBOX1、2発売中
各19,000円+税
DVDレンタル中
発行:NHKエンタープライズ 販売元:エイベックス・ピクチャーズ
「100日の郎君様オリジナルサウンドトラック」発売中
NHK総合テレビで5月10日から放送予定。
④よくおごってくれる綺麗なお姉さん
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女子が年上、男子が年下ということ以外、ごくごく普通の設定だけど…
で、このドラマ。
「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」………。連載一回目に登場した「ドゥグンドゥグン」と同様に、つい2度見してしまいそうなインパクトのあるタイトルで思わずいろんなことを妄想してしまいそうですが、ドラマ自体は年上彼女と年下彼氏の恋のはじまりから結婚に向けての過程をリアルなタッチで描いているもので、女子が年上、男子が年下ということ以外、ごくごく普通の設定です。そうなんです。韓流というと、財閥だの不治の病だの殺人鬼だのを思い浮かべる方もまだまだ多いと思いますが、最近は普通の男女を描くドラマのほうがむしろ主流だったりして、これはまさにその代表作とでもいいましょうか。
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ヒロインのユン・ジナ(35歳)は、フランチャイズコーヒー専門店運営会社に勤務(ほら、普通)。仕事はできるものの上司のセクハラやパワハラにも毅然とした態度をとれずひたすら耐え続けるちょっとヒリつく日々を送ってます(これも働く女子にありがちシチュエーション)。挙げ句にソウル大出身の彼氏には若い女と二股をかけられ踏んだり蹴ったり。そこに現れたのが年下の幼なじみソ・ジュニ。大親友の弟で小学生の頃から家族のように親しくしていたジュニが海外赴任から帰国、3年ぶりに再会したことから、2人の恋が動き始めるというのが導入です。ちなみにジュニはゲームデザイナー(これも、まあ、普通)という設定。
確かに普通です。しかし、この普通がかなりよい。その証拠というのでもないですが、実はこのドラマは普通の設定でありながら、韓国で2018年に放送されたドラマの中で最も話題になった作品としても選ばれているほど。そして、ここが肝心。とにかく萌える。そうなんです。御曹司との身分違いの恋もきゅんきゅん切なくてよいですが、やっぱり現実性に欠けるのは否めない。私のまわりには、妄想よりも現実の恋愛がいいと言う女子も意外に多く(意外ではないか)、そういう点から見てみると、このドラマは、恋バナを映像つきでつぶさに聞かされているような、実際の恋愛を覗き見しているような、フツーがゆえの生なきゅんきゅんが身近に迫ってくる感じがたまらないのです。
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互いに好意以上の気持ちをもちながら、幼なじみゆえになかなかそれを言い出すことができない2人。相手の気持ちを面と向かって確かめるのもなんだか憚れる感じだし、手に触れたいけれど、肩を寄せたいけれど、寸でのところで手がだせない…。誰もが経験してきたそんな恋のはじまりの揺れながら高まっていく等身大の姿が、ジナのその世代が背負う現実的な日常と絡められながら、ややアンバーめの洒落た映像で上質なドキュメンタリーフィルムのように丁寧に繊細に紡ぎ出されていくので、なんだか自分まで、妙にリアルにドキドキ。思春期の男の子がちょっとHなビデオを見る時の感じってきっとこんなんかなあ(心臓が高鳴っていく音が聞こえそうでしょ)、なんて思いつつ…。
実は、私が参加している韓流好きが集うグループLINEでは、このドラマが1話進むごとに女子トーク(それなりにみんな年齢を重ねておりますが)で大盛り上がり。特に、ドラマ中盤、病院でのジナの着替えシーンでは、メチャさりげない場面なのに全員が文句なくキュン死(どこに出てくるかはお楽しみ〜)。久しぶりに現実の恋がしたいなぁ、とマジで思った次第です。
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ドラマ初主演のチョン・ヘインは、“年下男子ブーム”を巻き起こして大ブレイク!
ヒロイン役のソン・イェジンは、映画「私の頭の中の消しゴム」で日本でも有名な女優さんですが、彼女の持つじとっとしたウエッティさが本当に絶妙で、例えるなら、「男女7人秋物語」(例えがまたまた古くてすみません)の桃子を演じる大竹しのぶとでもいいましょうか。爽やかなだけに終わらせない湿り気ある生っぽさが恋愛ドラマにリアルな奥行きをもたせていて、さすが。
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ドラマ後半は、2人の関係がそれぞれの家族の知れることとなり、2人の間も大きく揺さぶられていくことになります。特に、ジナの母親のヒステリックなまでの反対は、2人の大きな障害となり観ていて心がザワザワ・ヒリヒリ。母親の反対なんてふりきっちゃえば…とも思いますが、現実の世界で考えてみると一番心が折れるのは、どんな障害よりもやっぱり最も愛する両親に心から祝福してもらえないことなのかもしれない、と改めて思う次第です。
2人がそれをどう乗り越えるのか、はたまた関係を終わらせてしまうのか…。どうか、じっくりと最後まで見届けてくださいませ。
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その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン
【누나 밥 사줘】(ヌナ パブ サジョ)「姉さん ご飯おごってよ」
で、ジュ二は近くにどんなお店があるかわからないので一緒に御飯しようとジナを誘います。そこから恋がはじまるというわけで、今回の韓国語は、その時のジュ二のセリフ。
「누나 밥 사줘(ヌナ パブ サジョ)」
「밥(パブ)」がご飯で、「사줘(サジョ)」がおごっての意味ですが、「おごる」の基本形は「사다」で、本来は「払う」とか「買う」という意味になります。つまり「払ってよ」というのが転じて「おごってよ」となるわけで、「今日は私がおごるね」だったら、「오늘은 내가 살게요(オヌルン ネガ サルケヨ)」。これ、ちょっと使えそうなフレーズですよね。
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で、実はもっと注目してほしいのがセリフの一番最初の「누나(ヌナ)」という言葉。訳は「お姉さん」ですが、もちろんジナとジュニには血のつながりはありません。누나は弟が姉を呼ぶ時に使う語句ではありますが(妹から呼ぶ場合は누나とは言わず「언니(オンニ)」)、年下の男子が年上の女子を親しみを込めて呼ぶ場合にもこの누나が使われるのです。なんかいい感じでしょう!? 私だって韓国の年下のイケメンBOYから「누나(ヌナ)」って呼ばれたい…。
で、同様に妹から兄を呼ぶ時は「오빠(オッパ)」という単語が使われます。누나と同様、年下女子が年上男子を親しみを込めて呼ぶ場合もこの「오빠(オッパ)」が使われます。恋人同士でも女性が年下の場合は彼を「오빠(オッパ)」と呼ぶことも多く、実は韓流ドラマにはまっている身としては、年上の素敵な韓国男子(主に俳優さんやK-POPアイドル)を「오빠(オッパ)」と呼びたい願望満々なのです。
でも、この年齢になってくると、なかなか「오빠(オッパ)」とは呼べる男性が少なくなってきているという現実。う〜む、ちょっと寂しい気分になる今日このごろなのでございます。
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⑤椿の花咲く頃
キーワードは「椿」。テーマは「愛」と「絆」。
「絆」という言葉にも同様の響きがありますが、年齢と経験を重ねて、いろんなことが自分の中でパズルのように組み合わさり、解き明かされていくようになると、実態のないものだからこそ余計にそうひねくれてしまうのかもしれません。そもそも、そんなものあるの?ってね。人間関係に疲れて帰ってきた日なんて、なおさらです。
舞台となるのは、オンサンという小さな田舎町(実際には存在しない架空の町ですが、ロケ地は釜山の近くにある昔日本人が多く住んでいたところなのだそう。ノスタルジックな町並みが私たち世代にどこか懐かしく、それだけでも親近感バリバリ)。ここに、シングルマザーのドンベク(コン・ヒョジン)が引っ越してきたところから物語が始まります。
幼い頃は母親に、成人しては最愛の恋人に捨てられ、ひとり産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちで店は大繁盛するものの、ドンベクに対する女たちからの風当たりは当然きつく、あからさまにのけものにされたり、さんざ嫌味を言われたり。でも、母親から捨てられたという過去を持つドンベクは、自分に自信がもてず、女性陣に言われるがままいつも口ごもってばかり…。
私たちが待ち望んでいたのは、実はこんなヒーローだったのかも……
ドラマでは、カブリと呼ばれる姿なき連続殺人鬼の不気味な影をところどころに忍ばせながら、主人公ドンベクとヨンシクのロマンスを中心に、町の人々をめぐるさまざまな愛と絆が、娘の、母の、息子の、父の、夫婦の、男女の、それぞれの立場で、時にユーモラスに、時にじ〜んと切なく、丁寧に繊細に描き出されていきます。
なかでも、周囲の目線や偏見をものともせず、ただひたすら“好き”という気持ちだけで突き進むヨンシクの愛の形は、女性ならば誰しも共感するところ。完全無欠の王子様でも大金持ちの御曹司でもなく、ただの平凡な警察官。でも、この真っ直ぐで温かな想いこそが実は私たちが待ち望んでいたヒーローだったのかもしれない、とマジで思わせてくれるのです。
そして、その一途な想いが、ドンベクを変え、ドンベクの想いが、また、人のココロを変えていく。特別な力を持たずとも、想いさえあれば、人は人の奇跡になれる、というこれはそんな物語。つい、いろいろと裏読みしては疲れてしまいがちな大人のひねくれ心もじんわりほんわりほぐしてくれる湯たんぽみたいな優しい温かさ。愛と絆っていいものね、なんて久しぶりに心素直にさせてくれる名作です。
主演は、視聴率女王とも称される韓国の大人気女優、コン・ヒョジン
一方、ドンベクに一途に愛を注ぐヨンシクには、除隊後初のドラマ出演として注目を浴びたカン・ハヌル。これまでもさまざまなキャラクターを演じ分けてきた実力派ですが、どちらかといえば知的でクールな印象が強かった彼が、ちょっと田舎臭い警察官を好感度高く演じていて、私の周囲ではハヌル・ペン(ファン)が急増中。豊かな表現力で、終盤にいくにつれ、どんどんどんどん魅力を増幅させていく姿には、やっぱり惚れずにはいられません。脇を固める俳優陣も芸達者揃い。一癖も二癖もある町のさまざまなキャラクターを愛すべき存在として、魅力たっぷりに描き出すパワフルさがスゴイ。
もちろん、最後までぐっと心をひきつけて飽きさせない脚本力と演出力も言うまでもなくすばらしく、ドラマ序盤で散りばめられた複雑な伏線が、回を追うごとにそれぞれ引き合うようにひとつにまとまっていく緻密な構成(捨てシーン、捨て伏線がひとつもない!)も、細胞のひとつひとつに刻みつけたくなる心に響くセリフの数々も、ともすると臭くなりそうな場面を寸でのところでさらりと軽やかにかわしていくセンスあふれる痛快さも、ハートウォーミングな物語を連続殺人という緊張感でピリッと引き締める抜群の味付けも、どれも秀逸。
ちょっと心が荒んできたなと感じたら、ぜひ、このドラマで、心のクリーニングを。シルクのような優しく柔らかな風合いがふわっと蘇ること請け合いです。椿の花言葉を胸にかみしめながら、1話1話、どうぞじっくり味わってくださいませ。
その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン
【좋아한다 진짜 좋아한다】(チョアハンダ チンチャ チョアハンダ)「好きだ、本当に好きだ」
愛情を示す韓国語として日本では「사랑해요 (サランヘヨ)」(愛しています)がなじみ深いですよね。でも、日本の日常では「愛しています」という言葉はめったには使わない。そこで、このセリフ。「좋아한다 진짜 좋아한다 (チョアハンダ チンチャ チョアハンダ)」は「好きだ、本当に好きだ」の意味。
「좋아한다」(好きだ)の原形は「좋아하다(チョアハダ)」で「好きだ、好む」という動詞になります。で、「好きです」なら「좋아해요(チョアヘヨ)」。日本ではむしろこちらのほうが現実的。「私はあなたが好きです」だったら「나는 너를 좋아해요(ナヌン ノルル チョアヘヨ)」となるわけです。私の人生でもう一度告白するシーンに恵まれたら、ぜひ、こちらのセリフを使ってみたいとたくらんではいるのですが、なかなか機会には恵まれません。残念ながら。
間に挟まれている「진짜(チンチャ)」は日本語の「本当」「マジ」にあたる言葉。ちょっと口に出して言ってみてください。響きが可愛いと思いません? 語尾を上げて「?」をつければ、「本当?」「マジ?」の意味。もし、男子に「나는 너를 좋아해요(ナヌン ノルル チョアヘヨ)」と告白されたら、「진짜(チンチャ)?」と聞き返してください。ドラマと同じ胸キュンセリフが返ってくるかもしれませんから。ドラマで登場するのは4話。ぜひ、お聴き逃しなく。
⑥愛の不時着
パラグライダーで北朝鮮に緊急着陸した財閥女性と北朝鮮の軍人の恋を描くラブコメ。ヒョンビンとソン・イェジンの技あり演技の応酬が見事。